もっと、自分らしい働き方が見つかる女性向けイベントWoman's Career Meeting Report
掲載日:2016年1月11日
会社で、面接で、
キャリアを“120%”アピールする方法
「doda女性のための転職フェア」が2015年11月20日(金)、21日(土)の両日、東京の渋谷ヒカリエにて開催されました。会場内では講演会も開かれ、各界で活躍する女性や、dodaの女性キャリアアドバイザーが、今後のキャリアや仕事に役立つテーマについて講演しました。
今回はその中から、dodaキャリアアドバイザー坂上真弓の講演の模様をWoman Career編集部がレポートします。
profile 講師プロフィール
坂上 真弓
パーソルキャリア株式会社
dodaキャリアアドバイザー マネジャー
2007年4月、新卒にてパーソルキャリア株式会社入社。広報部と新卒採用担当を経て、10年より人材紹介事業部で営業、販売、サービス職を中心に担当するキャリアアドバイザーに。その後、14年1月~15年3月まで人事部。15年4月より、再びキャリアアドバイザーとして活躍し、15年10月よりマネジャーに。
自分のスキルや成果を過小評価することなく日常的に周囲にアピールすることが大切
近年、女性の活躍を推進する動きが加速していますが、現状に目を向けると、2014年時点での女性管理職比率は低い数値にとどまっており、仕事と育児を両立するロールモデルが身近にいないなどの理由から、転職を選ぶ女性たちも多くいます。このように、女性活躍の土壌がまだまだ整っていないのが現状です。
女性の社会進出がなかなか進まない理由は大きく3つあると感じています。1つは、女性が長く働き続けるための制度設計が十分に整っていないなどの「社会構造」の問題。2つ目は、結婚・出産などのライフイベントによる「物理的なキャリアの断絶」が女性には起こりやすいということ。そして3つ目が、女性は男性に比べて自分自身を過小評価する傾向にあるという、「女性の意識」の問題です。能力が高くても自己評価を実際よりも低く見積もって挑戦を避けてしまう女性が多いのですが、挑戦しないと能力が埋没してしまいます。その結果、「私にはできることがない」と感じ、自分に自信を持てなくなってしまうのです。こうした負のスパイラルを抜け出すためにも、女性一人ひとりが意識を変え、勇気を持って一歩を踏み出すことがとても大切だと思います。見方を変えれば、女性の社会進出を阻む要因の一つは、私たち女性自身によって取り除ける可能性が高いということです。
今日のテーマである「女性が会社や面接でキャリアを120%アピールする」ということは、この「女性の意識」の問題を解決していくためにも重要です。そのための一歩としてまずは、自分自身のスキルや成果を過小評価することなく、客観的に見つめることから始めましょう。そして、自分がやってきたことや成功体験を、日常的に周囲に向けて、少しオーバー気味かなと思うくらいに伝えていくことが大切です。それによって、周りの女性たちにも良い影響を与えられるだけでなく、次のチャンスにつなげられたり、仕事の範囲が広がったりする可能性があります。
また、仕事で自分から手を挙げることをためらっている気持ちがあると、それが上司や周りの人に伝わり、挑戦の機会を逃しやすくなってしまうので気をつけたいですね。自分自身を正当に評価する。周囲にもきちんと意欲を見せる。そうした小さな積み重ねが、自身のアピール力を高めることや、ひいては女性全体の意識を変えることにつながっていくはずだと思います。
「長く勤めたい」という意思に加えて具体的な成長目標を伝えられるように準備を
ここまでは会社の中での自己アピールについてお話ししてきましたが、続いては、面接の場面でのアピール方法について見ていきましょう。面接試験を通過するためのポイントは、大きく2つあると思います。1つは、自分の強みと応募企業の求めるものがマッチしていること。これは性別を問わず、面接通過のための大前提と言えますので、「自分の強みは何か」「企業が求めているものは何か」を事前にしっかりと分析しましょう。強みをアピールする際には、過去の具体的な成果や実績を挙げて、培ったスキル・経験が志望先の企業でも活かせることを明確に伝えることが重要です。
面接通過のための2つ目のポイントは、入社後のビジョンをきちんと伝えることです。女性は往々にして自分のビジョンを伝えることに控えめになってしまったり、「成長したいです」などと漠然とした答えで終わったりすることが多いように感じます。「長く活躍したい」という気持ちをしっかりと言葉に出すことに加えて、どういうスキルを磨き、どう成長したいのかを具体的に話すことが重要です。3年ごとの具体的な成長目標をあらかじめしっかりと考え、話せるように準備しておきましょう。
女性は男性に比べ、ライフイベントによってキャリアが分断されたり時間の制約が生じたりする可能性が高いため、キャリアのアクセルを踏める間に多くの経験を積んでおくことがとても重要になります。この講演を機に、ご自身の3年後や5年後を思い描いてアクセルの踏み時を見極めるとともに、どのようなスキルを身につけ、どのように働いていきたいのかを考えていただければと思います。
面接で女性の活躍や福利厚生を聞くときには
「長く働いて活躍したい」という意思を表すことが大切
最後に、Woman Careerの「転職悩み相談」に寄せられた面接についての質問を紹介しながら、具体的なアドバイスをお伝えしたいと思います。
Q結婚・出産の予定はどこまで伝えるべき?
具体的な予定が決まっている場合は伝えて問題はありません。企業が知りたいのは、あなたが長く働いてくれるかどうかという点ですので、「長く働き続けたい」という意思をはっきりと伝えることが大切です。逆に、予定が明確に決まっているのに伝えずにいた場合、隠したことを不誠実だと捉えられて、入社後に会社との関係性が悪くなってしまう恐れがあります。
Q女性の活躍事例や福利厚生は、面接で聞いてもいい?
聞くこと自体は良いのですが、福利厚生が目的であると誤解されないように、その背景にある「長く活躍したい」という気持ちを伝えることが大切です。また、女性管理職の人数はある程度ストレートに聞いて構いませんが、復職率や育児中の女性の活躍状況といったライフイベントに直接関わる話は、慎重に聞く必要があります。「育休後に活躍している女性はどのくらいいますか」「時短勤務の方は何時ごろまで仕事を頑張っていらっしゃるのですか」などのように、「どう活躍しているのか」という視点で聞くようにしましょう。休日などそれ以外の福利厚生については、内定が出てから確認する方が望ましいです。内定が出てから、「諸条件の確認をさせていただきたいのですが」と切り出すのが良いでしょう。