海外移住に必要な準備や手続きは?気になる語学面についても解説
更新日:2024/8/28
海外移住に必要な準備リスト
海外移住に必要となる一般的な準備や手続きについて、時系列ごとにグローバルキャリアアドバイザーが解説します。渡航後にはできない手続きもありますので、対応漏れがないようにしっかりとチェックしておきましょう。
海外移住の3カ月前~1カ月前にするべき準備リスト
- パスポートの更新
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パスポートの残存有効期間が1年未満の場合は海外渡航前に更新しておきましょう。海外滞在中でも、各国の主要都市にある領事館や大使館で更新はできますが、地方に滞在するとパスポートを更新するのに手間がかかります。日本国内にいる間に、住民票のある各都道府県の窓口で更新手続きを行うことをおすすめします。
パスポートの更新手続きに必要な準備については、外務省 日本国内及び海外でパスポートに関する申請手続きに通常必要な書類をご確認ください。
- ビザの取得
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海外移住先や期間、目的に応じたビザを取得しましょう。国やエリアによってビザの種類は異なりますが、一般的な長期滞在ビザは以下の5種類です。
■就労ビザ
就職先の海外企業がスポンサーとなる形で取得できるビザ
■リモートワークビザ
国の定める一定の給与水準を満たす日本国内勤務の会社員、または個人事業主が取得できるビザ
■リタイアメントビザ
国の定める資産や年齢をクリアした定年退職者が取得できるビザ
■投資家ビザ
海外で法人設立をする場合に取得できるビザ
■不動産ビザ
海外の不動産を購入すると取得できるビザ就労ビザ取得時に必要な書類例
・英文レジュメ
・英文の卒業証明書
・職務経歴が証明できる退職証明書や在籍証明書
・無犯罪証明書※就労ビザの詳しい要件や取得方法についてはこちらをチェック
海外で働くために必要な就労ビザとは?海外・アジアエリア別のビザ取得条件も解説国やエリアによって異なりますが、長期滞在ビザの発給には数日~数カ月かかることが一般的です。申請に際してトラブルを避けるためにも、早めの準備をおすすめします。手続きをスムーズに進めるために、ビザ申請代行会社を活用するのも一つの方法でしょう。
- 運転免許証の事前更新
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海外移住中に運転免許証の有効期限を迎えそうな場合は、日本にいる間に更新手続きを済ませておきましょう。一般的には誕生日の前後1カ月しか更新ができませんが、海外移住などの事情がある場合は特別な対応が可能です。所管の警察署に確認をしましょう。
横山 航介 (よこやま こうすけ)
(以下、横山)
就労ビザ取得時には、有効期間が18カ月以上残っていることが条件になっている国やエリアが多数です。
また、特にルールは定められていませんが、リスク回避のために渡航前に破傷風などの感染症の予防接種を受ける方もいらっしゃいます。種類によっては数カ月かかるため、早めに受けることをおすすめします。
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海外移住の1カ月前~2週間前にするべき準備リスト
- 海外送金の準備
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海外移住前に、オンラインで海外送金ができるように手続きをしておくと、海外移住中も、日本と海外の銀行口座間で送金し合うことができます。国際送金のシステムを利用するには、日本の住民票やマイナンバーカードが必要となります。日本の銀行口座をシステムに登録し、海外移住後に現地の銀行口座を登録するのが一般的な流れです。
- 国際運転免許証の取得
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日本の運転免許証を持っていて、移住先でも運転することを考えている場合は、海外移住前に国際運転免許証の取得をしておく必要があります。国際運転免許証は、最寄りの運転免許センターや運転免許試験場、指定警察署で取得が可能です。
国際運転免許証の有効期間は1年間で、2年目以降は現地で運転免許を取得しなくてはなりません。また、国際免許証が有効なのはジュネーブ条約を締結している国のみのため、移住先が該当するかどうかを警視庁 ジュネーブ条約締約国等一覧などで確認しておきましょう。
アジアで、国際運転免許証で運転できるのは以下の国・エリアです。 インド、カンボジア、シンガポール、スリランカ、タイ、バングラデシュ、フィリピン、 ブルネイ、マレーシア、ラオス、韓国、香港
- 海外保険の契約を検討
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海外の医療費は日本に比べて高額になるケースが多いため、現地の医療保険への加入を検討しましょう。
■海外に永住する場合には、勤務先の健康保険に加入し続けるか、現地の保険への加入を検討するのが一般的です。現地採用の場合は勤務先の企業に確認しておきましょう。(会社が契約してくれる場合は、入社までの分のみ自分で用意することをおすすめします)
■中長期で海外移住をする場合は、クレジットカード付帯保険のカバー範囲と、海外旅行保険の料金や内容を比較して検討するとよいでしょう。
そのほか、各国の保健庁が医療保険への加入を義務付けているケースもあるため、移住先のルールを確認の上、指示に従いましょう。
- 郵便物の管理方法を検討
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移住後1年間に旧住所宛に届く郵便物などについては、転居届を提出しておくことで、帰国後に受け取ることが可能です。
国内の郵便物の転送サービスでは海外に転送はできないため、転送先には家族や親戚の住所を指定することをおすすめします。 転送手続きは、郵便局 転居・転送サービスを参考にしてください。
- 健康診断の受診
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海外で病院を受診すると場合によっては日本よりも高額な医療費が発生するケースがあるため、渡航前に日本で健康診断を受けておくことをおすすめします。加えて、海外では特に歯科治療が高額になりやすいため、気になる箇所がある場合は渡航前に治療しておきましょう。
また、やむを得ず渡航後に通院が必要になった場合を想定して、下記のような準備をしておくことも大切です。
・海外の病院で自分の体のことを説明しやすいよう、過去の病歴を外国語で事前にまとめておく
・海外の現地で日本語対応が可能な病院をあらかじめ調べておく
・頭痛薬や胃薬などの常備薬は、海外渡航前に数カ月分程度を準備しておく
・海外で処方箋が必要な薬を調達する可能性がある場合は、あらかじめ担当医に英文の紹介状の作成を依頼する
横山
海外入国後すぐには、現地の口座開設やクレジットカード取得ができません。しばらくは日本の口座を利用する必要がありますので、日本の口座のクレジットカードやデビットカードの作成を済ませておきましょう。
海外移住の2週間前~出発直前にするべき準備リスト
- 海外転出届を提出
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海外に1年以上滞在する場合は、国外転出する日の約2週間前から当日までの間に海外転出届を提出する必要があります。
各自治体の公式サイトからフォーマットをダウンロードし、役所の窓口に提出または郵送します。その際、本人確認書類が必要となるほか、マイナンバーカードや住民基本台帳カード、印鑑登録証なども返却します。海外転送届の提出が完了すると、住民票が抹消されます。
一方で、年金や健康保険については、赴任する国や、現地採用か海外駐在によっても必要な対応が異なりますので、詳しくは、海外移住で住民票はどうなる?年金や健康保険は?海外転職時の手続きについて解説をご確認ください。
また、1年未満の海外滞在の場合は海外転出届が不要ですが、3カ月以上滞在する場合は「在留届」の提出が法律で義務付けられています。在留届は渡航後に住所が決まってから行うもので、「在留届電子届出システム(ORRnet)」からオンラインで在留届を提出します。
- 携帯電話の解約・休止の検討
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海外移住前に、日本で使用していた携帯電話について、契約を解除するか休止するかを検討しましょう。解約すると日本の電話番号も使用できなくなるため、帰国時に通話をはじめ携帯電話を多用する方は、休止を選択するほうが無難かもしれません。
海外では日本のSIMカードは使用できず、海外で携帯電話を使用するには、現地のキャリアと契約する必要があるので注意が必要です。
※日本で使用していた機種や契約を活かすことができる場合もありますので、現在使用しているキャリアで手続きの方法や料金プランを確認してみることをおすすめします。
横山
海外赴任の場合、海外渡航時の航空券や渡航当初に宿泊するホテル、ゲストハウスは、勤務先が手配してくれるパターンが多数です。内定後に確認しておきましょう。
海外移住をする際の語学面の心構え
海外移住に向けた準備と並行して、語学面についても以下の点を念頭に置いて、渡航前に準備をしておきましょう。
渡航先の公用語を調べておく
渡航先の公用語については事前にチェックしておきましょう。一般的に、英語圏であれば公用語は英語であることがほとんどですが、例えばフィリピンやカナダのように公用語が地域によって分かれている国もあります。自分が渡航するエリアで話されている言語を確認しておくことが大切です。
非英語圏では、英語がどのくらい通じるのかを確認するとともに、英語が通じない場合は現地の言語を習える学校の有無やかかる費用についても調べておくことをおすすめします。非英語圏では、店舗やホテルでは英語が通じても日常生活では通じない場合も少なくありません。余裕があれば、渡航前に現地の言語をある程度学習しておくと、日常生活でストレスを感じにくくなるかもしれません。
語学力を磨いておくと海外転職先で活躍の場が広がる
語学力を磨いておくと、海外転職先での活躍の場が広がります。もちろん、日系企業の多い国やエリアでは、社内言語が日本語の企業も珍しくないほか、現地の企業でも仕事であまり語学力が求められない職種を探すことは可能です。そのため、日常生活レベルの語学力があれば海外移住先で安心して生活を送ることができますが、一方で、日系企業以外で働く場合や日本語が通じない国やエリアでは語学力不足だとできる仕事が限られてしまうケースがあることも忘れてはいけません。
特に、キャリアアップを目指して海外移住をする場合は、ビジネスレベルの公用語または第二外国語は必須と考えておいてよいでしょう。語学力に自信がない方は、希望する国・地域をイメージし、渡航前にオンライン講師などを利用して勉強しておくことをおすすめします。
海外移住で自分らしいキャリアを実現したい方はグローバルキャリアアドバイザーに相談
海外移住に必要な準備内容や語学面の心構えについて解説してきました。グローバルキャリアアドバイザーは、「準備するべきことは分かったけれど、自分が行きたい国やエリアについてもっと知りたい」「移住先を検討するにあたって具体的な求人を見たい」といった相談にもお応えしています。キャリアや海外生活について、リアルな経験をもとにサポートを行いますので、dodaエージェントサービスに登録の上、小さな不安や疑問もお気軽にお聞かせください。
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この記事を監修したキャリアアドバイザー
横山 航介 (よこやま こうすけ)
キャリアアドバイザー
【経歴】
大学卒業後、住宅設備メーカー在職中の全国転勤を機に、プロボノとしてNPO法人での地方創生活動に参加。「地方の魅力を発信して人を呼び寄せること」と、「企業の魅力を発信して採用すること」の本質的な共通点を見い出してパーソルキャリア株式会社に入社。採用ソリューションにまつわる法人営業を経て、金融業界で働く方の転職活動のサポートに従事。現在はグローバルキャリアアドバイザーとして、さまざまな業界・職種で働く方の国内・国外へのボーダーレスな転職の実現に向けて、支援の幅を広げている。
【コメント】
ライフステージや自身のキャリアを考える中で、海外移住も視野に入れる方も増えてきました。一方で、海外移住にはビザ取得や各手続き申請が必要のため、一朝一夕で実現できるものではありません。また、海外移住によって将来的に受け取れる年金額が変わる可能性もありますので、具体的なイメージを持ちながら計画的に動くことも意識しなければなりません。
とはいえ、スケジュールの立て方や、キャリアを通して海外でどんな人生を送りたいかなど、自分一人ではまとめきれない場合もあるかと思います。キャリアアドバイザーとして、あなたの状況に合わせたサポートが可能ですので、気になることがある方はお気軽にお問い合わせください。
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