海外駐在できる仕事を業界と職種別に紹介!必要な英語力やスキルも解説
更新日:2024/9/4
海外駐在とは?
海外駐在とは、日本の企業で雇用されたまま海外赴任をすることを指します。雇用主は日本国内にある企業で、国内に拠点がある外資系企業も含みます。一般的には、海外駐在している人のことを「駐在員」と呼びます。駐在員の役割はマネジメントが中心です。社内でキャリアが期待される若手やキャリアを積んできた中堅社員が赴任する傾向にあります。
海外駐在の働き方は?
海外駐在の働き方は、短くて2~3年、長くて10年以上と、企業の方針によっても異なりますが、基本的には期間限定です。また、海外駐在は日本の企業で雇用され海外法人に出向するため、雇用形態は正社員であることがほとんどです。
駐在できる時期や可能性は企業によっても異なるため、自分が渡航したい国にどんな企業が拠点を持っているか小まめにチェックしておくことが大切です。
海外駐在のメリットや現地採用との違いについて知りたい方はこちらもチェック
海外で働く場合の「海外駐在」と「現地採用」の違いとは?
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日本の企業で雇用されたまま海外で働ける
海外駐在の場合、日本企業から基本給などが支払われていれば社会保険の資格は継続できます。そのほか、地域によって特別手当がつくなど、保障が充実しているので安心して働けるのも魅力です。
参考:海外移住で住民票はどうなる?年金や健康保険は?海外転職時の手続きについて解説
帰国しても同じ会社で働き続けられる
現地採用の場合、帰国するとなると転職活動が必要になることが一般的ですが、海外駐在であれば、帰任後もそのまま同じ会社で働き続けられます。海外赴任を経て、社内のキャリアアップにもつながるでしょう。
グローバルなキャリアを築きやすい
多様性がより求められる時代に突入した今、海外で働いた経験はその後他国で働いたり日本で外国人スタッフをマネジメントするなど、グローバルなキャリアを築くうえで大きなアドバンテージとなるでしょう。
海外駐在できる仕事は?駐在求人が多い業界
2023年末時点における業界別のdodaの海外駐在求人の割合
2023年にdodaで掲載のあった求人の統計をもとに、海外駐在員や海外駐在員候補を募集する求人が多い業界を、4つ紹介します。
メーカー(機械・電気・素材・食品)
日本の製造業を牽引する機械・電気・素材・食品系のメーカーでは、海外駐在員募集の求人が出やすい傾向です。
機械・電気関連メーカー
製造業の海外駐在求人の約50%は、機械・電気系メーカー。特に、自動車・自動車部品メーカー、防災器具メーカー、衛生用品メーカーなどで海外駐在員のニーズが高いようです。
素材・食品メーカー
繊維・化学などの素材メーカーでも海外駐在求人が出やすく、製造業の海外駐在求人の約15%を占めています。また、海外に工場や拠点のある食品メーカーでも、比較的海外駐在員の募集が出やすくなっています。
横山 航介 (よこやま こうすけ)
(以下、横山)
製造物や取り扱う商品は企業ごとに異なりますが、どのメーカーも、基本的には海外に工場を構えて製品の製造や管理、受発注を行うスタイルです。メーカーの海外駐在員として活躍する場合は、現地のメンバーを動かし、日本国内の品質を担保することが最大のミッションとなるでしょう。
建設業界
建設業界でも、海外駐在員の求人は少なくありません。中でも、特に大きく以下2つの分野では海外駐在求人が目立ち、業界全体で見られる海外駐在求人の約25%を占めています。
道路や線路、工場団地や街そのものを手がけるゼネコン関連
ゼネコンの中でも売り上げが上位のスーパーゼネコンと呼ばれる企業では、橋梁や地下鉄などのインフラ整備に携わる大規模なプロジェクトが盛ん。最近では、若手のうちから積極的に海外赴任をさせるスーパーゼネコンも増えています。
オフィス設計・施工・マンション販売関連
アジア圏各国で、インフラ整備だけでなく建設需要も右肩上がりです。スーパーゼネコン以外でも、海外事業に参入する中小規模の建設会社が増えています。
商社
海外勤務のイメージが強い商社ですが、海外駐在求人は業界全体の10%程度です。また、多くの大手商社の場合は、新卒入社者を海外駐在員候補として育成しています。中途採用の海外駐在求人には、以下のような特徴があります。
商社の海外駐在員採用で企業が中途採用者を見るポイント
・応募先の企業で取り扱う商品に精通しているかどうか
・特定の国での居住経験があるなど、何らかのコネクションを持っているかどうか
メーカーで関連商品を扱っていた人や、応募先企業の取引先がある国で現地採用として勤務していた経験が求められます。
IT・広告・メディア
ITや広告業界でも、海外駐在求人が出ることがありますが求人数はそれほど多くありません。その理由は、IT関連の仕事では言語の壁が生じにくいほか、システム設計やプログラミングはローカルスタッフが対応できるためです。スタッフのマネジメントを担うプロジェクトマネジャーのポジションを募集するケースが考えられます。
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海外駐在できる仕事は?駐在求人が多い職種
2023年末時点における職種別のdodaの海外駐在求人の割合
2023年にdodaで掲載のあった求人の統計をもとに、海外駐在員や海外駐在員候補を募集する求人が多い職種を、5つ紹介します。
機械・電気関連の技術職
機械・電気関連の技術職では、海外駐在員を募集する求人が多い傾向にあります。
メーカーの中でも機械・電気関連企業は製造拠点を海外に置いている会社が多く、特に、海外工場での現地スタッフ管理や生産工程の管理を担うポジションの求人が目立ちます。一方で、求められる経験やスキルは求人によってさまざま。基板実装や、電気電子部品関連のSMTなど特定の実務経験や技能を求める求人もあれば、広く製造業界でのマネジメント経験を求めるもの、大学や高専での電気・機械関連の専攻のみを採用条件としているケースもあります。
横山
想定年収については、企業やポジションによって異なりますが、平均600万円~700万円程度。英語をはじめ、外国語について高いレベルを求められる場合には、1,000万円以上の給与帯の求人も少なくありません。
企画管理系
企画管理職も、海外駐在求人が出やすい職種の一つです。特に、経理・会計職の海外駐在求人数は、企画管理系職種全体の7割を占めています。
業務内容としては、海外法人と日本法人の連結決算や、海外拠点での財務管理ポジションが多く、次いで、事務フローの設計や改善、法務やコンプライアンス整理などを担える人材を求める求人が目立ちます。
企画管理職の海外駐在員は、一般的に企業の要となるヒト・カネや事業設計に関わることが多く、関連部署での実務経験やマネジメント経験があると活躍しやすいでしょう。また、語学力は、現地のリーダーや経営層と円滑にコミュニケ―ションが取れることが前提となるため、日常会話~ビジネスレベルの英語力を求められるケースがほとんど。求められるスキルレベル、語学レベルが高いため想定年収が1,000万円以上の求人も少なくありません。
施工管理職
建設関連業では、現場を管理する施工管理職で海外駐在求人が出やすい傾向です。海外、特にアジア圏では工場やビルの内装工事を担う日本企業が多く、電気工事施工管理や、空調・衛生設備工事の設計経験は重宝されます。実務経験年数やスキル次第ですが、想定年収が1,000万円以上の求人が多く見られます。
営業職
営業職では、業界を問わず海外駐在求人が出やすい傾向にあります。製造業、建設業、サービス業、商社などさまざまな業界の営業職で海外駐在のチャンスがあるでしょう。
一方で、現地採用求人と比較すると求められる条件が高い傾向にあります。営業実務経験に加え、ビジネスレベルの英語力が必要となったり、海外や特定の国での在住経験、就業経験を問われたりするケースも少なくありません。想定年収は500万~600万円が一般的ですが、特定の国や業界に精通している場合は、1,000万円ほどの年収が望める可能性もあります。
システムエンジニア職
システムエンジニア職の海外駐在求人は、あまり数は多くありませんが、ニーズが出ることもあります。
求人数が少ない理由としては、システムエンジニアや開発設計のポジションは、現地のスタッフが担っている場合が多いためです。システムエンジニアに限った話ではありませんが、IT関連の仕事では言語の壁が生じにくい傾向にあり、裏を返せば現地スタッフに日本語の能力がなくても仕事が進められる領域でもあります。
一方で、エンジニアの中でも、現地法人と日本法人間の折衝経験が豊富で、上流工程設計スキルやプロジェクトマネジメントスキルを備えている場合は、海外駐在員としてのチャンスがあります。想定年収は500万~1,000万円と幅がありますが、 同じ求人でも応募者の経験やスキル次第で、提示給与が大きく変わる可能性があります。
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海外駐在できる仕事で必要な英語力やスキルは?
海外駐在員として活躍するに当たって、必要な英語力やスキルについても確認しておきましょう。
海外駐在できる仕事で求められる英語力は?
海外駐在できる仕事の場合、英語力は基本的に日常会話レベル以上を必須条件としている求人が主です。
海外駐在案件に限らず、海外で英語を使って活躍する場合には、リスニング力、リーディング力に加えスピーキング力が欠かせません。企業が海外駐在員としてメンバーを赴任させる場合、駐在員には現地の社員にはできない役割(役職)を与える場合がほとんど。自分の意見を積極的に伝えて、周囲の現地社員を巻き込み、率いていくリーダー的立場としての活躍を期待されるでしょう。スピーキング力に自信のない方は、事前にオンライン英会話などを通じて英語でのコミュニケーションを練習しておくことをおすすめします。
横山
また、採用の一つの基準となるのがTOEICのスコアです。実務経験を重視した現地採用の求人と異なり、日本での採用、雇用となる駐在求人の場合、TOEICスコアを英語力の一つの採用基準にする企業も多くあります。実際に、2023年にdodaで掲載のあった求人では、TOEICスコア750点以上を必要条件としている求人が目立ちました。
海外で働くために必要な英語力についてもっと詳しく知りたい方はこちらをチェック
TOEICのスコアが高いとグローバル・海外転職に有利?海外で働くための英語力の目安は?
海外駐在できる仕事で役立つ資格
- 経理・会計系
-
公認会計士、USCPA(米国公認会計士)など
- システムエンジニア系
-
認定情報技術者(CITP)など
- 技術(建設)系
-
電気工事士、施工管理技士 など
USCPAについて、活かせる転職先や日本の公認会計士との違いなどもっと詳しく知りたい方はこちらをチェック
USCPA(米国公認会計士)とは?グローバル・海外転職に役立つ?活かせる転職先は?
現地採用として働く場合には、教員免許、保育士資格、看護師資格など教育・医療に関わる資格も役立ちます。
海外駐在できる仕事に必要なスキル
海外駐在員求人で語学、資格以外で一般的に求められることの多いスキルとしては、以下が挙げられます。
現地の人を巻き込み、率いることができるマネジメントスキル
海外駐在員は、現地社員が持っていないスキルを伝えるとともに、自分の意見を積極的に発信しながら現地社員をまとめる役割を期待されます。
社内外の人たちと強固な信頼関係が築けるコミュニケーションスキル
語学力だけではなく現地の人たちと円滑なコミュニケーションが取れるスキルは、海外駐在を成功させる基本であり、カギとなります。
海外在住の経験や、海外の異文化への適応力
積極的に現地の文化、風習などを理解しながら、現地に適応した生活環境を整える姿勢は、海外駐在員が現地で仕事をする上で欠かせません。
海外駐在員を目指すための方法や、海外駐在員が求められる役割などについてもっと詳しく知りたい方はこちらをチェック
海外駐在員になるには 〜キャリアパスと必要な3つの能力〜
海外駐在できる仕事を知りたい人はグローバルキャリアアドバイザーに相談を
海外駐在ができる可能性の高い業界、職種や、必要なスキルについて解説してきました。
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この記事を監修したキャリアアドバイザー
横山 航介 (よこやま・こうすけ)
キャリアアドバイザー
【経歴】
大学卒業後、住宅設備メーカー在職中の全国転勤を機に、プロボノとしてNPO法人での地方創生活動に参加。「地方の魅力を発信して人を呼び寄せること」と、「企業の魅力を発信して採用すること」の本質的な共通点を見出してパーソルキャリア株式会社に入社。採用ソリューションにまつわる法人営業を経て、金融業界で働く方の転職活動のサポートに従事。現在はグローバルキャリアアドバイザーとして、さまざまな業界・職種で働く方の国内・国外へのボーダレスな転職の実現に向けて、支援の幅を広げている。
【コメント】
海外駐在員は、現地責任者としての業務を任されることも多く、裁量が大きくさまざまな業務にチャレンジできることが魅力の一つです。責任感も問われますが、その分やりがいも大きく、海外拠点を拡張できたときは大きな達成感を得やすいポジションかと思います。また、事業拡大のため海外市場進出を目指す企業は増えており、日本では体験できない挑戦ができる貴重な機会でしょう。
一方で、海外駐在員は、現地でのマネジメントを担う分、より即戦力として高いレベルでの活躍を求められることも忘れてはいけません。海外駐在業務に必要なスキル・経験を整理して、海外駐在員が多い業界の特徴を理解した上で計画的に目指すことが大切です。
「海外駐在に興味があるけれど、自分の経験やスキルを活かしてどんなキャリアプランを描けばいいのか悩む…」という場合はぜひそこから一緒にキャリアプランを考えていけたらと思いますので、お気軽にお問い合わせください。
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