エンジニアが海外転職する方法は?メリットや求められる経験・スキルなどを解説
更新日:2024/3/6
エンジニアが海外転職する方法とは?
まず初めに、エンジニアの海外求人情報の大半は、実務経験がある人を対象にしています。海外でのエンジニア未経験の採用は少ないため、日本国内でキャリアを積んでからチャレンジすることをおすすめします。その中で、エンジニア実務経験者が海外転職するための主な方法は以下の3つが挙げられます。
日系企業の現地採用
3つの中でも難易度がそこまで高くない方法が、海外現地にある日系企業への転職です。駐在員やほかの現地採用者など社内に日本人がいるため、仕事や海外暮らしの相談がしやすく、安心して働けます。
小林 花吏(こばやし かり)
(以下、小林)
また、長く働き続けることで現地採用から本社採用に切り替わったり、帰国して同じ会社で働いたりする場合もあるでしょう。
海外ローカル企業の現地採用
日系企業ではなく、海外の現地企業などで現地採用される方法もあります。日系企業の現地採用との大きな違いは、日本人スタッフが少ないことです。上司や同僚は現地出身者が大半のため、英語圏以外は現地の言葉でコミュニケーションをとるケースも出てくるでしょう。
小林
とはいえ、エンジニアの採用は求める人材要件が明確なため、語学力よりもスキルがあうかどうかを最優先に条件を探してみるとよい仕事に巡り合える可能性が高くなります。
日系企業の海外支社に出向(海外駐在)
日本から海外支社に出向、いわゆる「海外駐在」する方法もあります。日本の福利厚生や労働条件のまま海外勤務ができ、上司や同僚も日本人または日本語を話せる人のため、海外で業務をスムーズに始められます。
しかし、海外駐在は会社の辞令が出ないと行くことができず、自分の希望で駐在先や駐在期間は選べません。上司や人事部との面談で海外出向の希望を伝えたり、海外と接点を持つ業務を積極的に担当したりするなど、思い(意思)を伝えるアピールがカギとなります。
グローバル転職の相談は
グローバル専門アドバイザーに
電話&オンライン
で気軽に相談
語学力に自信がなくても、
今すぐ転職すると決めていなくても
グローバル専門のキャリアアドバイザーが
親身に相談にのります。
エンジニアが海外転職をするメリット
プログラミング知識をそのまま活かせる
プログラミング言語は世界共通のため、今ある知識やスキルをそのまま活かして海外転職ができるのは大きなメリットです。世界的に人気のあるプログラミング言語はJavaScript、HTML/CSS、Pythonなどで(※)、日本でよく使われている言語とあまり変わりません。
キャリアを積めばグローバルなキャリアが築ける
日系企業と海外現地企業のどちらでも、現地スタッフやクライアントとの交流は不可欠です。ニーズを正確にヒアリングしなければ、予算や納期の見積もり、設計は成り立ちません。言語も文化も違う中でのシステム構築は苦労を伴うこともありますが、スキルは確実に身につきます。
小林
ゆくゆく日本に帰国して転職をするときにも、海外と関わるような部署であれば、グローバルなチームをまとめた経験が有利になることは間違いありません。
結果を出せば年収アップのチャンスがある
テック企業が多い北米を中心に、エンジニアの給与水準が日本よりも高い国は、数多くあります。dodaの「平均年収ランキング」では、日本の技術系(IT/通信)全体の平均年収は452万円です。
一方、経済産業省が発表した「IT人材に関する各国比較調査」(平成28年)(※)によると、「アメリカと日本のIT人材の平均年収には2倍近くの差がある」と報告されています。アメリカでは、エンジニアは理系四大卒以上を採用条件としているケースも少なくなく、その分年収も高くなる傾向にあります。
小林
アメリカに限らず海外の企業は実力主義です。新しいプログラミング言語を習得するなど日々勉強してスキルアップを続けながらキャリアを積めば、高収入のまま海外で働き続けることも夢ではありません。
※dodaのエージェントサービスは国内在住の方がご利用いただけます。
海外在住の方はこちら。
エンジニアで海外転職する際に求められること
実務経験
エンジニアとして海外転職をする場合、未経験者の採用は行われていないと考えておくほうがよいでしょう。日本では、ITエンジニア職における「職種未経験歓迎」の求人数は年々増加傾向にありますが、海外ではエンジニア未経験者向けの求人はほとんどなく、仕事を探してもなかなか内定までつながりにくいといえます。
仕事の進め方への理解
プログラミング言語は共通でも、仕事の進め方は異なるため、その国の進め方に順応が必要です。欧米ではライフ・ワーク・バランスを重視する傾向にあるため、残業をしないように余裕のある納期を設定するケースが多くあります。
また、日本では完成したシステムを改良することは当たり前に行われますが、アメリカでは要件を満たしているシステムにわざわざ手を加えることは合理的ではないとされています。上記はあくまで一例ですが、仕事の進め方を理解して受け入れることが大切です。
マネジメント能力
海外出向や日系企業の現地採用の場合、現地スタッフのマネジメントや調整・交渉が必要なこともあります。エンジニアは納期を踏まえた進行管理も大切なスキルですが、価値観の違いから意見が衝突したり暗黙のルールが通じなかったりと、日本で働く以上にコミュニケーションに時間を割くこととなるでしょう。
小林
日系企業の求人では、日本と現地をつなぐブリッジエンジニア職の求人も多く、現地スタッフのマネジメント能力が求められます。
キャリアアップを目指すなら語学力
海外のエンジニアは実力主義とはいえ、最低限の語学力は必須です。語学力が高ければ高いほど、応募できる企業は増えていきます。また、エンジニアとして働きながら、プロジェクトマネジャー(PM)へのキャリアアップを考えている人もいるのではないでしょうか。
プロジェクトマネジャーとしてプロジェクト全体を管理する立場になると、開発領域以外のスケジュールや業務の調整も求められるため、必然的に現地スタッフとのコミュニケーションが増えていきます。キャリアアップを目指すなら、語学力を鍛えておくとよいでしょう。
英語のスピーキング力の上達法については下記をご参照ください。
海外勤務に必要なのは英語の「スピーキング力」。3つの効果的な上達法
※dodaのエージェントサービスは国内在住の方がご利用いただけます。
海外在住の方はこちら。
エンジニアとして海外で働くときの注意点
実力主義の海外で活躍するには、新しいプログラミング言語の習得やスキルアップを続けなければなりません。さらに、海外では職場もプライベートも環境がガラリと変わるため、想像以上のストレスがかかることも頭に入れておきましょう。
エンジニアとして海外で働くなら、以下の3つのことも考えながら転職活動をすると、より具体的にどんな国や地域、企業で働きたいかイメージがつかみやすいでしょう。
1.国によっては就労ビザの取得が難しい
欧米では永住権を持たない外国人の就労ビザ取得が難しい傾向です。イギリスやオーストラリアでは移民を受け入れる職種が限定され、アメリカやドイツでは学歴や給与が申請に大きく影響します。
アメリカでエンジニアとして働くなら「H1-Bビザ(特殊技能職ビザ)」を取得することになりますが、アメリカの企業から事前に内定をもらっていることが前提です。
H1-Bビザは申請数が増えていることから抽選制となっており、抽選に落ちる場合もあります。転職活動をしながら、各国のビザ取得要件も調べておくとよいでしょう。
dodaグローバルでは海外・アジア12エリアのビザ取得要件をまとめているので、あわせて参考にしてみてください。
海外で働くために必要な就労ビザとは?海外・アジアエリア別のビザ取得条件も解説
2.国や地域によっては転職時の年収が下がる可能性もある
日系企業の海外出向ではなく、海外の現地採用となった場合、その国の水準にあわせた給与や福利厚生が適用されます。「アメリカと日本のIT人材の平均年収には2倍近くの差がある」とお伝えしましたが、国や地域によっては、日本より低い水準の給与となるケースも考えられます。
しかし、年収が下がっても物価が低い国や地域なら生活に余裕が生まれます。年収の金額だけを見るのではなく、物価や生活費もあわせて調べておくのがおすすめです。
海外・アジア12エリアの家賃・生活費の相場は、「dodaグローバルキャリアアドバイザー」の各エリアレポートにて記載しているので確認してみてください。
現地キャリアアドバイザーによる海外・アジアエリアレポート
3.海外転職してどうなりたいのか考えておくことが大切
「海外で働きたい」とあこがれることは、海外転職の第一歩です。しかし、そこから情報を得ずに転職活動を始めても、希望する仕事は簡単に決まりません。また、事前情報がないまま転職をしても、仕事の進め方に戸惑ったり、文化になじめずに帰国したりするケースも考えられます。
小林
海外転職はキャリアのゴールではなく、通過点です。エンジニアとしてキャリアアップするためには、海外でどんな経験を積みたいか、転職活動をしながらしっかりと考えることが重要となります。
実力主義の海外でエンジニアとして働くことは大変なことも多いですが、結果を出せばその分評価され、年収とキャリアアップが期待できます。スキルを積んで経験を重ねていけば、各国でバリバリ活躍することも現実的になるでしょう。
dodaのグローバルキャリアアドバイザーに相談すれば、エンジニア職の海外転職のお悩みにお答えします。さらに、企業の紹介や書類・面接対策、ビザ取得の相談、海外の暮らしや些細な疑問にも答え、あなたの海外転職をサポートします。興味がある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
※dodaのエージェントサービスは国内在住の方がご利用いただけます。
海外在住の方はこちら。
この記事を監修したキャリアアドバイザー
小林 花吏(こばやし・かり)
キャリアアドバイザー
【経歴】
大学卒業後、ソフト会社でのSEを経て、株式会社インテリジェンス(現パーソルキャリア株式会社)に入社。キャリアアドバイザーとしてサービス業界や不動産業界のキャリアカウンセリングや転職支援を担当。現在、海外転職や国際的なキャリアを積みたい方々に向けて、グローバルキャリアアドバイザーとして支援の幅を広げている。
【コメント】
海外エンジニア職を目指したい方はもちろん、海外に興味はあるけども不安も大きいという方も、まずはお気軽にご相談ください。それぞれにあわせたキャリアの築き方や海外情報についてもお伝えします。
海外・アジア転職について知る
海外・アジア勤務や語学力が活かせる仕事など、転職・求人情報をお届けします。
おすすめコンテンツ
ピックアップ
-
海外移住したい人必見!おすすめの仕事は?暮らしやすい国・働きやすい国は?
-
海外で働くには?年収は?語学力は?未経験でも大丈夫?海外転職の方法や必要なスキルを解説
-
海外移住で住民票はどうなる?年金や健康保険は?海外転職時の手続きについて解説
グローバル転職成功ガイド
グローバル転職を知る
-
働き方
海外で働く場合の「海外駐在」と「現地採用」の違いとは?
-
外資系企業
外資系企業とは?特徴やメリット・デメリットは?日本企業との違いにも触れながら解説
-
外資系企業
外資系企業のボーナス事情は?日系企業との仕組みの違いは?
-
海外で働くために必要な就労ビザとは?アジアエリア別のビザ取得条件も解説
-
エンジニアが海外転職する方法は?メリットや求められる経験・スキルなどを解説
-
海外出張が多い仕事は?メリットや必要なスキルは?注意しておきたいことも解説
-
海外駐在できる仕事を業界と職種別に紹介!必要な英語力やスキルも解説
-
外資系企業
外資系コンサルタントとは?仕事内容や転職で求められるスキルも解説