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doda女性キャリアアドバイザー座談会 ~女性が転職でキャリアアップを実現するには~ doda女性キャリアアドバイザー座談会 ~女性が転職でキャリアアップを実現するには~ Vol.2 転職したい女性たちへ キャリアアドバイザーからのアドバイス ―女性がキャリアアップをかなえるために大切なこと―

Vol.2 転職したい女性たちへ キャリアアドバイザーからのアドバイス ―女性がキャリアアップをかなえるために大切なこと―

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掲載日:2014年1月6日

第1回は「女性の転職における“理想”と“現実”」をテーマに本音トークを展開。第2回は、そうした現状を踏まえた上で、女性が転職でキャリアアップを実現するために大切なことや、転職を成功させるためのポイントを語り合います。転職でキャリアアップとワークライフバランスの両方を手に入れることは可能?キャリアプランってどう描けばいいの?そんな女性たちへキャリアアドバイザーからのアドバイスです。

キャリアアドバイザープロフィール

  • 乾 真由美

    乾 真由美得意分野:MRや臨床開発など、医療業界の職種全般大手製薬企業でのMR職を経て、結婚を機にdodaキャリアアドバイザーに。以来、メディカル領域を専門に担当。「転職がゴールではなく、自身の強みが活かせる”未来”の提案」をモットーに、MRをはじめとする医薬品や医療機器の営業職、研究職を含めた臨床開発関連の職種など、幅広くサポートしている。

  • 大澤 優子

    大澤 優子得意分野:製造業界におけるエレクトロニクス領域の開発設計職、品質や製造、サービスエンジニアなどの技術職大手子ども服メーカーの営業部門の企画・事務職を経て、2006年にdodaキャリアアドバイザーに。製造業界の法人営業を約5年間務め、長男を出産。産休・育休を経て2012年から時短勤務にて復職。「転職者の可能性を広げる提案と、ライフイベントや家族状況に寄り添いながら相談に乗ること」をモットーにサポートしている。

  • 柏木 あずさ

    柏木 あずさ得意分野:業界問わず、営業職全般2006年インテリジェンス(現パーソルキャリア)に入社。金融業界の法人営業とキャリアアドバイザーを経て、2012年に営業職のサポート専門に。「転職希望者の気持ちを理解して最善の、かつ実現可能な提案」を心掛けている。2013年に結婚。

  • 川嶋 由美子

    川嶋 由美子得意分野:メーカーや商社、サービス業界の営業職全般2002年インテリジェンス(現パーソルキャリア)に入社。IT業界のエンジニア派遣の法人営業を3年経験し、キャリアアドバイザーに。2度の産休・育休を経て、現在は時短勤務にて4歳と1歳の息子の育児をしながら、営業職の方の転職をサポートする部門のマネジャーを務める。「幅広い情報提供と、率直な意見やアドバイスを伝えること」がモットー。

  • 黒瀬 ともみ

    黒瀬 ともみ得意分野:マーケティングや事業企画、経営企画などの企画職全般人材派遣会社での広報・宣伝職を経て1999年、インテリジェンス(現パーソルキャリア)に転職。人材派遣部門でのキャリアアドバイザーを11年務め、その後dodaキャリアアドバイザーに。「転職をスタートとして、活躍できる未来を一緒に描けること」をモットーに、これまで約200人の転職をサポートしている。

  • 張本 美慧

    張本 美慧得意分野:ITコンサルタントやアプリエンジニアなど大手語学学校でのスクールマネジメント職を経て、2006年にdodaキャリアアドバイザーに。以来、IT領域を専門に担当し、約400人の転職をサポート。「目先の転職ではなく、数年先まで見通したキャリアのサポート」を心掛ける。現在、第一子を妊娠中。

軸を持って身につける専門性がキャリアの大きな武器に

転職でキャリアアップを実現するためは、自分の強みを活かして活躍できる道、自分の市場価値を高められる道が何であるかを冷静に自己分析することが不可欠だと思います。

「せっかく転職するなら好きな旅行業界に行ってみたい」「化粧品が好きだから化粧品関係に」などのように、嗜好や趣味を仕事につなげようとする傾向が見られます。もちろん、それも一つの選択基準なのでサポートは惜しみませんが、そこにプラスして、これまで身につけてきたスキルや知識を活かせる道も考慮に入れ、両軸で転職活動を進めてもらいたいと思っています。

強みを身につけることは、長く働く上での武器になりますからね。特に女性は、結婚や出産だけでなく、夫の転勤や家族の介護など、さまざまな外部要因の影響をもろに受けやすい。数年間のブランクが生じる場合も出てくるでしょう。でも、専門的なスキルがあれば、難易度は高いけれど、ブランクを経てもキャリアパスを元に戻せる可能性は出てくる。自分自身の選択肢を広げることにもつながると思います。

そこには年齢に応じた経験やスキルも必要になりますね。年齢が上がるほど、企業が求めるものは大きくなるので、それに見合う強みを持っておかなければなりません。

そう考えると、20代のうちに少々急いででも、意識的に専門性を身につけた方がいいのかもしれませんね。同じメディカル業界のキャリアアドバイザーがよく話しているのですが、ある方が持つAというスキルとBというスキルを掛け合わせて、A・Bの分野とはまったく関係のない企業に、新たにCというスキルとしてアピールすることも考えられる。強みを応用させて新たな分野に挑む方法です。

業種によっては、専門性が明確でないこともありますが、大切なのは、きちんと軸を持って一定の仕事を極めることではないでしょうか。

軸は大切ですよね。転職希望者の中には、これまでいろいろな業種を経験し過ぎて、軸が一つではなくなっている方もお見受けします。ご本人なりの意図や考えがあったとしても、残念ながら書類上で判断されて面接にたどり着けないことも多い。軸の有無は、採用担当者に与える印象も左右するので重要です。

転職の「きっかけ」と「動機」は区別が必要 あくまでもキャリアプランをベースに

転職する女性への具体的なアドバイスですが、まず大前提として、面接において「結婚」「出産」「時間」を転職の第1条件に挙げるべきではないというのがありますね。企業は、働きやすい環境を求めてくる人ではなく、活躍してくれる人を採用します。だからこそ今後、その会社にどう貢献できるかを語る必要があります。

それは私自身も気をつけました。前職で全国転勤を伴うMRをしていましたが、結婚を機に転職を考えました。しかし面接では結婚という「きっかけ」をベースに話すのではなく、あくまでもこれからの自分自身のキャリアプランを考えての転職活動であることを明確に伝えました。業種の異なるいくつかの企業を受けましたが「これまでのキャリアを活かしながら、なおかつ夫との同居も可能な道を探った時、両立できるのがこの業界でした」と伝えました。

面接では、キャリアプランとともに、ある程度のライフプランを話すことも、女性は特に必要かもしれませんね。

出産後に転職活動をする際のアドバイスを挙げるなら「何時までしか働けない」ことを強調するのではなく、家族の育児のサポート体制がどれくらいあるのか、通勤にどれくらいまで時間をかけられるのかなど「最大限の範囲」をアピールすることが大切。子どもがいてもフルタイムでバリバリと働きたいという女性も増えているので、そこは臆することなく希望を伝えてほしいと思います。

マネジメントに関心があるのか、それとも現場でずっと技術や知識を磨いていきたいのかという志向によってもキャリアの描き方は変わってきますよね。

「長く働く」=「管理職を目指さなければならない」と思っている方もいますが、必ずしもそうではないですよね。もし自分には合わないと感じるのであれば無理に目指すことはないと思います。ずっと現場の第一線で力を発揮していれば、企業にとって必要不可欠な存在になりますから。

短期的な視点と、長期的な視点で、自分はどうありたいかを問い続ける

キャリアプランを描くことは大切ですが、20代の時の「何でもできて自由に動ける今の自分」を基準に将来を描いてしまうと、行き詰まってもがくこともあるかもしれません。女性は結婚、出産、家族の介護など、自分の意図しないさまざまな出来事が起こりがちです。先のことをあれこれ考えてみても、自分でコントロールできる範囲には限度があるので、まずはこの2、3年で何を身につけたいかに焦点を当てることをアドバイスしたいですね。

私も2、3年のスパンで考えることは大事だと思い、転職希望者には、まず次に何をかなえたいか、何を目指したいかを聞いています。技術職の場合は比較的、目に見えて積んでいくキャリアが分かりやすいこともあるので、この段階ではこういうスキルを磨いて、このくらいの年齢になったら開発を取りまとめるリーダーの経験を積んで…と、一緒にプランを練っています。

そもそもキャリアというのは長期的にプランニングできるのか、という疑問を私はずっと持っていて…。女性は外部要因の影響を受けやすいからこそ、あらかじめ計画立てては進めないのではと思っています。プラン通りに行かなくても当然だという前提に立って、自分がこの先どう働きたいのかを常に考え続け、自分の強みを磨くためにその時々にできる努力をする。それしか方法はないと思うんです。

キャリアプランというのはもしかすると、気持ちの浮き沈みの振れ幅を最小限にとどめるためのものかもしれない、と最近思うようになりました。感情の浮き沈みって誰にでもありますよね。そんな時、長い目で見たキャリアプランやライフプランがあれば「今はつらいけど、将来のためにはこの経験が必要」と、自分自身を俯瞰できたり、気持ちに余裕を持てたりするのではないでしょうか。

子どもが2人いる私が自分の経験から言うと「妊娠が判明するその瞬間まで、仕事は攻めるべき」ということです。妊娠後は、働き方をペースダウンしなければならないかもしれない。でもそれまでの段階で、どこまでキャリアの価値を高めていたかによって、ペースダウンの仕方も違ってくるし、また働き方を戻す時のスタート地点も変わってくる。妊娠してからは、なかなか攻めの姿勢は保てなくなるので、それまでは常に「下がる瞬間まで上げ続けてやる」くらいの野心的な姿勢があってもいいのかなと思いますね。

そうですね。そしてもし転職を少しでも検討されているなら、まずは行動に移してみることをおすすめしたいです。転職活動を進めていく中で、自分にとって大切にすべき価値基準も見えてくると思います。

企業や社会に必要とされる喜びというのは、働きがい、ひいては生きがいにもつながる大切なもの。同じ企業に勤めながらそうした立ち位置を探るのも一つの方法ですが、転職でキャリアアップを重ねて自分にしかできない仕事を追求していくことで、より可能性や視野は広げられる気がします。

転職活動を始めたからといって、必ず転職をしなくてはいけないわけではありませんしね。キャリアを主体的にコントロールする姿勢や、自分の可能性を広げようとする意思を大切にしながら、多くの女性に、思い描く将来への一歩を踏み出してほしいと願っています。

Vol.1 女性の転職における“理想”と“現実”―転職活動で女性が陥りがちな落とし穴とは―
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