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海外転職によって広がるグローバルキャリア
~海外転職のメリットとは? 海外で活躍するグローバル人材~ グローバルキャリアと英語と異文化コミュニケーション

更新日:2023/4/7

コロナ禍で一時期落ち込んだ日系企業の海外事業展開は、2022年には早くも回復傾向に転じました。例えば、海外売上高比率はコロナ禍以前同水準の38.5%にまで回復し、2025年には42%に達すると予想されています(「わが国製造業企業の海外事業展開に関する調査報告」2022年JBIC調べ)。
海外事業展開が今後も加速し、日系企業からの「グローバル人材」の需要が増すに伴い、その市場価値はいっそう高まることに疑いはないでしょう。
では、グローバル人材とはどのような人材を指し、どうすればグローバル人材になれるでしょうか。「海外で働きグローバルキャリアを積むことがグローバル人材への最短距離」と、海外転職をすすめるのは、大手広告代理店での勤務時代に海外3カ国に駐在し、長年日系企業の海外事業に携わったグローバル人材コンサルタントの野上健次さん。 今回のコラムでは、グローバル人材の定義、グローバルキャリアを積む海外転職のメリット、そしてグローバル人材の具体例を挙げながら解説します。

1. グローバル人材とは

我が国がこれからのグローバル化した世界の経済・社会の中にあって
育成・活用していくべき「グローバル人材」の概念を整理すると、
概ね、以下のような要素が含まれるものと考えられる。

要素Ⅰ:語学力・コミュニケーション能力
要素Ⅱ:主体性・積極性、チャレンジ精神、協調性・柔軟性、責任感・使命感
要素Ⅲ:異文化に対する理解と日本人としてのアイデンティティー
(2011年6月22日 グローバル人材育成推進会議)

「グローバル人材」は、文部科学省、総務省、「産学連携によるグローバル人材育成推進会議」などのさまざまな組織で定義されていますが(図1参照)、共通するのは以下の3点と言えそうです。
① 語学力を含めた異文化コミュニケーション力
② 主体性・積極性
③ 日本人としてのアイデンティティ
それぞれについて、より具体的に野上さんが解説します。

① 語学力を含めた異文化コミュニケーション力

「異文化コミュニケーション力とは、特定の国や地域、文化圏の人たちとだけでなく、多様な文化背景を持った人々と円滑にコミュニケーションをとれる能力」と、野上さんは定義付けます。前回のコラム(タイトル:海外駐在員に必要な能力とは?)で野上さんが解説したように、コミュニケーションスタイルは国や地域、文化によって異なります。例えば、日本のスタイルに似たタイのコミュニケーションスタイルに対応できるだけでは、グローバル人材としては十分ではなく、多様なコミュニケーションスタイルに臨機応変に対応できることが必要となります。

② 主体性・積極性

グローバル人材にとって特に重要なことは、「主体性と積極性」であると野上さんは話します。

「主体性や積極性を持って異文化の中でリーダーシップを発揮することが大切です。それは、与えられた仕事をするだけでなく、自ら考え、行動し、そして周りの人たちを『巻き込む』ことを意味します」

さらに野上さんは、異文化マネジメントに焦点を当てた組織行動学を専門とするINSEADのエリン・メイヤー氏の分析に注目。

リーダーシップ文化の分布

図2:リーダーシップ文化の分布
出所:エリン・メイヤー「異文化対応のリーダーシップ」(「DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー」2017年10月号」)

「エリン・メイヤー氏は、リーダーシップ文化の分布として『統率』と『意思決定』という2つの軸を用い、各国のリーダーシップスタイルをマッピングしています(図2参照)。日本では合議型が好まれる傾向がありますが、トップダウン型を期待する文化も多く存在するのです。よって、主体性や積極性を持ちながら、現地で好まれるリーダーシップを取り入れることもグローバル人材の大事な要素となります」

そのためには、多様な人々の価値観や期待されるリーダーシップのあり方を含めた、深い異文化理解が必要となりそうです。

③ 日本人としてのアイデンティティ

深い異文化理解とともに日本の文化も理解することで、グローバル人材として活躍する幅が広がるといわれています。また、日本の文化を客観的に見ることにより、これまで当たり前に思ってきた自らの価値観に疑問を持つことができるため、異文化への理解が深まるでしょう。日本文化への理解は海外に住んで日本を客観視することで育まれることもありますが、「そこには落とし穴もある」と、野上さん。

「日本の文化を尊重することはとても大切ですが、自国文化との比較で異文化を『優劣の視点』で捉えないことが重要です。例えば多くの人が異文化との交流により価値観や仕事の方法の違いに触れた際、いわゆる『カルチャーショック』を経験します。そのとき、自国文化との比較という観点にとどまり、異文化を優劣で判断してしまうことが多々あるのです。そうなると、自国文化のものさしでしか物事を見られない状態に陥ってしまうのです」

日本の文化を尊重しながら常に異文化の観点でも物事を見るというバランス感覚も、グローバル人材を目指すうえで重要となりそうです。

2. 海外で働くことのメリットと身につくスキルや経験

コロナ禍の影響もあり世界中の人々とのバーチャルコミュニケーションが促進されたものの、実際に海外に身を置いてコミュニケーションをとることは、グローバル人材になるうえで必要な語学力や異文化コミュニケーション力を培う効果的な方法のひとつです。

海外で働くことは、グローバル人材を目指すだけではないメリットもあります。海外で働く=海外で収入を得ることとも言えますが、野上さんは、仕事をするうえで重要な「収入面」でも海外挑戦のメリットは大きいと言います。

「近年、海外で年収の急激な上昇が進んでいます。これは海外就業者の年収アップというメリットにつながります。経済協力開発機構(OECD)によると、2021年、日本の年間平均賃金39,711米ドルに対し、アメリカが74,738ドル、韓国もすでに日本を超え42,747ドルとなっています。実際に欧米諸国では初任給のレベルは、実に日本の倍以上の月収5,000 ドルを超えることも珍しくないようです」

収入面もさることながら、海外で働くことのメリットは、グローバル人材となるためのスキルが効率的に身につくことです。野上さんは「語学習得に語学留学が効果的なように、グローバル人材になるには、実際に海外で就業することが最も効率的だと思います」と言います。海外での生活を通して、自らの異文化コミュニケーションの課題を体験し、克服しながら、効率的に身につけることができるでしょう。海外転職は年収アップという短期的なメリットだけでなく、グローバル人材として必要な経験やスキルの習得という長期的なメリットともなり、実益を兼ねた選択肢となりそうです。

3. グローバル転職・グローバルキャリア事例の紹介

「グローバル人材になるには海外転職が最短距離」と言われても、言語も文化も異なる海外での生活は、期待と不安が入り混じりますよね。グローバル人材として活躍する人たちは、海外でどのようにグローバルキャリアを形成してきたのでしょうか。彼らの事例を参考に見てみましょう。

事例1:転職によってグローバルキャリアを積み上げた30代男性
dodaグローバルのエージェントサービスで海外転職を成功させた30代男性A氏は、海外留学経験があり、学生時代からいずれ海外で就業したいという思いをずっと抱いていました。
1社目は外資系メーカーで国内営業を経験したのち、2社目に転職し、南米・アジア向けの海外営業を経験した後、海外駐在をします。初めての海外駐在では、日本と異なる商文化や仕事に対する価値観の中で、これまで当たり前だったことがまったく通じずに苦労の日々を送りました。しかし、それまでの経験を客観視しながら現地の文化を受け入れて積極的にスタッフとコミュニケーションを取り、達成感が得られる経験を多く積みました。特に海外だと現地支社を任されることが多いため、裁量と責任の大きさも魅力的だと実感します。その後一度帰国しますが、グローバルキャリアをさらに積み上げるため、再度転職を決意します。
3社目の転職時には、2社目の海外経験と「今後も海外で挑戦したい」という明確なキャリアプランが評価され、サステナブル推進企業の海外支店(東南アジア)の責任者ポジション等、複数社からのオファーを獲得。その中から、裁量を持ちマネジメント経験を積める企業を最終的に選びました。採用を決めた企業からは、海外経験の苦労や異文化で奮闘した経験があること、そしてそれをやりがいと感じているポジティブな姿勢が評価されたとのことです。現在は日本本社での商材に関するトレーニング期間を終え、再度海外に駐在し、グローバルキャリアを積み上げています。

事例2:シンガポール現地法人に海外転職しグローバルキャリアを積んだ40代男性
S氏は日本にある外資系広告代理店での勤務経験はあったものの、海外生活経験もなく英語力もさほど誇れるものではありませんでした。しかし、海外でグローバルキャリアを積みたいと決意し、シンガポールにある日系大手広告代理店の現地法人に転職します(国内の外資系広告代理店に勤務していたため、業界専門性と対外国人のビジネス経験が即戦力になると評価されました)。S氏は入社後、大手日系クライアントの営業職で現場を取りまとめる役割を与えられます。マーケティング戦略立案、テレビコマーシャルの制作、イベントの実施など多国籍メンバーによる異文化チームを率いるポジションに配属。最初は日本とは違う仕事の進め方に戸惑うことが多々ありながらも、異文化チームを率いて日系クライアントに対応するための高度な異文化ブリッジング力(前回のコラム参照)を徐々に習得していきました。また、チームをまとめるため英語でのコミュニケーションを積極的に行ってきたことで語学力も向上。このように、現地法人でグローバルキャリアを10年ほど積み、シンガポールで自ら会社を立ち上げるに至ります。
限られた英語力や異文化経験のみでシンガポールへの転職に踏み切ったS氏は海外転職により、多様な文化の中でリーダーシップを発揮できるグローバル人材に成長しました。

4. 今後も期待されるグローバル人材

現在、多くの日系企業でグローバル化を推進するための人材が不足しています。dodaの海外駐在員の求人数は2022年12月時点で300を超え、日系企業の海外拠点の現地採用ポジションも600以上と、コロナ前の水準以上になっています。今後グローバル化が進むに伴い、海外勤務の求人数も比例して伸びていくでしょう。
日系企業の海外拠点への転職で、グローバルキャリアを積み、世界に通用するグローバル人材になると、仕事の選択肢は世界中に広がります。
海外での就業が収入面など実益を兼ねる時代になった昨今、海外勤務を通しグローバル人材に必要なスキルを習得することにより、グローバルキャリアをさらに広げることが可能です。
「アジアの国ではそれほど高い英語力がなくても仕事はできますし、異文化対応の面でもハードルは低めなので、アジアでグローバルキャリアを積んでいくのが理想」と野上さんは自らもグローバルキャリアを育んだアジアへの転職をすすめています。
グローバル人材への「初めの大きな第一歩」をアジアから踏み出してみませんか。アジアに拠点を持つdodaのキャリアアドバイザーなら、最新のアジア転職市場からアジアの生活に関するお悩みまで、あなたに寄り添った回答をしながらグローバルキャリアを築くサポートをします。

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