外資や海外転職で英文履歴書は必要?企業が重視するポイントを解説
更新日:2023/7/28
海外転職や外資企業へ応募する際に英文履歴書は必要なのか?
海外企業や外資企業へ応募する際、英文履歴書の提出が必要かは企業によって異なります。doda掲載求人数200,990件(約20万件)うち、海外求人は670件・外資系企業は5360件、その中で応募時に英文履歴書が必要な案件は1234件と、海外企業・外資企業の約20%の企業で英文履歴書が必要とされています。 (参考:2023年6月末時点 doda 検索結果より)
英文履歴書を一から作成するには、グローバル企業の第一線で活躍するネイティブでも数時間を要します。慣れていない場合にはなおさら短時間で仕上げるのは容易なことではないため、自分が応募したい企業で英文履歴書を求められそうな場合は、早めに準備しておくことが大切です。
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外資企業?海外法人?応募企業によって異なる履歴書のポイント
「履歴書」と一口に言っても、応募する先の企業によって求められるポイントは異なります。この章では、英文履歴書の提出頻度が多い「外資企業」と「日系企業の海外法人」、2つのタイプを比較しそれぞれの作成時に気を付けるべきポイントを解説します。
外資企業の場合
選考では「応募者が募集ポジションで即戦力として活躍できる人材かどうか」を重視するため、履歴書を通じて主に「応募者のスキルや能力」を確認しています。
外資企業では、社長や部署の上司などの採用決定権者が英語話者か日本人でも英語力が備わっている場合が多く、日本語の履歴書・職務履歴書を必要としない企業が多いです。英文履歴書のみの提出で良い一方、「応募ポジションにおいて自分がいかに活躍・貢献できるか」を論理的、かつ具体的に「英文のみ」で明確に伝えきる必要があります。英語力についても、「ミスがないように記載できて当たり前」という目線で見られるため、スペルや文法・誤字脱字にも気をつけましょう。
日系企業の海外法人の場合
外資企業と同じく、選考で重視するのは「応募者が即戦力となるかどうか」ですが、履歴書では主に「前職での経験と成果」を確認しています。
日経企業の海外法人の場合は採用決定権者に日本人がいる可能性が高く、日本語の履歴書・職務履歴書も一緒に提出を求められることが少なくありません。ここでは、過去の職務経験において「何をおこない、どのような成果を出してきたか」を言語化して、応募ポジションに活かせる旨をアピールすることが大切です。
一方、英文履歴書は「英語話者のメンバーや人事に経歴を説明するため」「英語力の確認のため」に利用されることが多く、日本語話者が選考に関わっているため、記載する英文については完璧でなくても選考に大きく影響しないケースもあります。
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英文履歴書と日本語履歴書、企業が見るポイントは?
英文履歴書と日本語履歴書では、企業が見るポイントも異なります。ここでは、英文履歴書の作成にあたって知っておくと良いポイントを、英文履歴書と日本語履歴書の違いに注目しながら解説します。
英文履歴書と日本語履歴書 書式(フォーマット)の違い
英文履歴書は、日本語履歴書・職務経歴書両方の内容を盛り込んだものであるため、日本語履歴書をそのまま英訳して英文履歴書を作成してしまうと、採用担当者には「自分をアピールする資料」としては伝わりづらいものになってしまいます。
一方で、英文履歴書には日本語履歴書のように特別決まった定型フォーマットがありませんので、自分がアピールしたい内容に応じて3つのパターンを使い分けるのが一般的と言われています。また、英文履歴書にも「簡潔さ」「わかりやすさ」の観点から、用紙サイズ・フォントなど基本的な書式ルールや、記載を推奨されている項目例がありますので、あわせてご紹介します。
英文履歴書の3つのパターン
1.職歴を年代別に記載する 「Chronological Resume(クロノロジカル・レジュメ)」
職歴を年代別に記載するパターンで、英文履歴書の書式としては最も一般的に使われています。どんな職歴を重ねてきたかが分かりやすいため、経歴の一環性をアピールしたい場合、経験職種と同職種のポジションに応募する場合に有効です。
2.自分のスキルや成果をまとめて記載する 「Functional Resume(ファンクショナル・レジュメ)」
自分のスキルや成果をまとめて記載するパターン。応募したいポジションにあわせて自分のスキルをアピールでき、職歴は社名・在籍期間・ポジションのみの記載で良いため、転職回数やブランクが気になる場合に有効です。
3.「combination Resume(コンビネーション・レジュメ)」
Chronological ResumeとFunctional Resumeを混合させたパターン。応募したいポジションにあわせて、職歴とスキルの両方を柔軟にアピールしたい場合に有効です。
英文履歴書の基本的な書式ルール
・用紙サイズ:A4(1~2枚にまとめる)
・フォントサイズ:10~12pt(見出しは本文よりも2ptほど大きく)
・フォント:ArialやTimes New Roman
・フォントの色:黒のみ
英文履歴書に記載しておきたい項目例
・名前と連絡先(NAME/CONTACT)
・希望職種(OBJECTIVE)
・要約(SUMMARY)
・職歴(WORK EXPERIENCE)
・学歴(EDUCATION)
・資格(QUALIFICATION)
など
英文履歴書における経歴の記載順
日本語で職務経歴を記載する際は「古いものから新しいもの」の順に記載をしますが、英文の場合は、基本的に「新しいものから古いもの」の順で記載をします。
また、日本語の職務経歴の場合は「いつ入社して、どこへ配属されたか」「どんな仕事を担当して、何をしてきたか」「異動や昇進などがいつあったか」など全ての経歴を記載していきますが、英文の場合は、最新の経歴や応募先のポジションに関連がありそうな仕事内容の部分にフォーカスして記載します。
英文履歴書に求められる内容
日本の履歴書・職務経歴書は「過去の職歴・学歴」を中心に構成されますが、英文履歴書では、「応募先の仕事に直結する情報」を用いて、自分のキャリアやスキルをアピールすることが求められます。
また、英文の一般的なフォーマットには性別・年齢・顔写真など個人の基本属性について記載する欄がありません。これは企業が、性別・年齢・容姿ではなく過去の経歴や実績・個人のスキルをポイントに書類選考をおこなうためです。
英文履歴書は、「入社後に自分が活躍できることを裏付けるための書類」とも言い換えられるので、「会社や応募ポジションにとって自分の魅力は何か」「応募先のポジションに関連する、どんな実績や経験があるか」が伝わるように作成することが大切です。
海外企業・外資企業に応募する際にカバーレターは必要?
英文履歴書を提出する際、企業によってはカバーレターと呼ばれる添え状必要になります。
カバーレターには「志望動機・自己PR」「希望職種・経緯」「感謝の気持ち」など記載するのが一般的です。海外企業や外資企業の採用担当者は履歴書を読む前にカバーレターに目を通すことが多く、場合によってはカバーレターのみで不採用を判断されてしまう場合もあります。カバーレターでも、「自分がいかに応募先のポジションで活躍・貢献できるか」をアピールすることを意識しておくことが大切です。
英文履歴書の書き方と手順 作成ツールをうまく活用しよう
実際の英文履歴書作成に活用できるノウハウとして、英文履歴書としては最も一般的に使われる「Chronological Resume(クロノロジカル・レジュメ)」 のサンプルをベースに、英文履歴書の書き方ポイントを項目ごとに解説します。
① 名前と連絡先(NAME/CONTACT)
採用担当者がいつでも連絡を取れるように、まずは、英文履歴書の最上部に「名前」「連絡先(住所・電話番号・メールアドレスなど)」を記載します。英語と日本語では住所の書き方が異なるため注意が必要です。
② 希望職種(OBJECTIVE)
希望する職種やポジションを簡潔に記載します。あわせて、その職種・ポジションで具体的にどのような活躍・貢献ができるのかを2~3行で添えるのが良いでしょう。特に、キャリアチェンジの応募で職種が変わる場合は、希望する職種やポジションを忘れず記載しておきましょう。
③ 要約(SUMMARY)
自分のキャリアの要約とあわせて、希望する職種・ポジションで活かすことができるスキルを記載します。文章ではなく箇条書きで簡潔にまとめます。
④ 職歴(WORK EXPERIENCE)
最新の職歴から始め古いものにさかのぼる形で職歴を記載します。「会社名・所在地」「在籍期間」「ポジション・職務内容」「成果」を簡潔かつ具体的に記載し、さらに「成果」については、客観的な数字を交えてアピールできると良いです。この時、省略語や専門用語は避けることもポイントです。
⑤ 学歴(EDUCATION)
基本的に、直近の学歴から始めさかのぼる形で学歴を記載しますが、特に求められない限り、応募する職種・ポジションに関連する学歴および最終学歴のみでも良いとされています。入学年-卒業年、学校の名称、学位、学科、専攻の順番に伝えましょう。
⑥ 資格(QUALIFICATION)
希望する職種・ポジションに関連する検定資格やIT関連の資格、語学、免許、スキルなどを箇条書きで記載します。検定資格には取得年や正式名称を明記しましょう。TOEICのスコアを記入したい場合は、点数には受験した年もあわせて明記しましょう。
英文履歴書の書き方・手順についてもっと詳しく知りたい場合は、こちらもご活用ください。
英文履歴書・職務経歴書(英文レジュメ)の書き方~テンプレートと例文つき~
英文履歴書サンプル
英文履歴書作成で気をつけたいこと
英文履歴書においては、「誰が」を示す主語=「I」の記載は不要で、名詞もしくは動詞から始めます。これは、「I」を一度でも書いてしまうと、すべての文章に「I」を付けなければならなくなり、冗長なものとみなされてしまう可能性があるためです。あわせて、より魅力的な書類にするために、「自分の能力やスキルを適切に表現できる英語」を使うことを念頭に置いておきましょう。その際、できるだけ求人広告で使用する形容詞と同じ形容詞を使うとベターです。
また、忘れてはならないのが、「採用担当者は1日に何通もの履歴書をチェックする」ということ。そのため、「特にアピールしたい実績は客観的な数字を用いて正確かつ具体的に説明しつつ、全体的に伝えたいことをわかりやすく簡潔にまとめる」ことを意識することも大切です。自分にとってのわかりやすさと、採用担当者の目線は異なることもあるため、英文履歴書を作成したあとは、英語話者やグローバルキャリアアドバイザーに第三者目線で添削をしてもらうことをおすすめします。
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通る履歴書にするには?英文のポイント
人気の高い企業の場合、応募者一人にかけられる書類選考はおおむね2分以内とも言われています。そのため英文履歴書においては「第一印象」が重要になります。「全体的に冗長な書き方で、採用担当者にとってわかりづらい履歴書」になってしまわないように、ここでは「通る=面接に進む」英文履歴書を完成させるために意識すると良いポイントを解説します。
英文履歴書では、ジョブホッパーと間違われる書き方は避ける
英文履歴書においては、「転職歴」と「社内異動歴」は明確に区別して書くことが大切です。初めて英文履歴書を作成する際にありがちなのが、同一社内での経歴を簡潔にまとめきれずに、「転職歴・社内異動歴の見分けがつかない=転職回数が多く見える」書き方になってしまうケースです。
人気の高い外資企業や海外企業の場合、ハイレベルな人材が転職を重ねているケースは珍しくないので転職回数そのものはマイナス要因になりませんが、一見して「気まぐれな転職を重ねてきたジョブホッパー」のような印象を与えないように注意が必要です。
また、海外企業や外資企業では、入社後に改めて正式な申告書類として詳細な職務経歴書を提出することが多いため、応募の際の英文履歴書では一般的に、「おおむね勤務期間半年以下の一時的な職歴は書かなくてよい」とされています。単に書き方だけでなく記載する情報の取捨選択をすることで、内容にメリハリをつけることも意識してみると良いでしょう。
英文履歴書には、仕事と関係のない個人情報は記載しない
日本語履歴書には年齢・誕生日や性別などを記載する欄がありますが、英文履歴書においては一般的に、性別、年齢、婚姻歴や子供の有無などの個人に関わる情報は「書かなくてよい」とされています。これは、年齢や人種、性差などの情報は選考に際し考慮すべきではないという考え方に基づきます。
企業によってはこれらの情報提出が必要な場合もありますが、一般的な海外企業・外資企業においては、英文履歴書に「仕事と関係のない個人情報は書かなくて良い」こと認識しておきましょう。
英文履歴書には、Action Verbを盛り込もう
英文履歴書において職歴やスキルを簡潔に表すには、「Action Verb」が効果的です。
英文履歴書では文の主語を省略するのが基本とされているため、文頭には多くの場合動詞が位置することになります。ここで、より自分の強みを確実に表現できる単語やフレーズを探すにあたって、積極的に取り入れたいのが、Action Verbと呼ばれる動詞です。代表的な単語としては、Contribute(貢献する)、Initiate(主導する)、Attain(達成する)Improve(改善する)などが挙げられます。
業務分野によっても注目される単語に違いがあるので、より細かく自分の応募先企業・ポジションに適したAction Verbについて解説がほしいという場合は、dodaエージェントサービスに登録のうえ、海外転職市場に精通したグローバルキャリアアドバイザーにご相談ください。
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