女性の平均年収ランキング
2015【職種別】

2015年の女性の平均年収は359万円で、前年から5万円アップしました。2010年から2012年にかけて下降トレンドにあった女性の平均年収は、2013年以降、徐々に上昇の兆しを見せつつあるようです（グラフ1）。女性の活躍推進をキーワードに、『一億総活躍社会』に向けた取り組みを進める国の後押しなどもあって、女性が働く環境は変化しています。実際、2015年にdodaに登録した女性の数は、2012年当時から2倍以上に増加し、2015年下半期に転職した女性の平均年齢も2012年下半期の28.9歳から29.6歳まで上昇しています。同時にdodaに掲載されている求人の中で、企業の特徴として『女性が活躍』や『女性管理職登用実績あり』のフラグが付いた募集が全体に占める割合も、過去3年間で10%以上高くなっており、女性の採用に積極的な企業が増えてきていることが分かります。

10の職種分類の中で前年よりも平均年収がアップしたのは8分類で、最も平均年収が上昇したのは「企画・管理系」のプラス49万円でした。次いで、「営業系」と「金融系専門職」がプラス14万円と続いています（表１）。「企画・管理系」では特に金融とメディカル業界で、「営業系」では金融とIT・通信業界で働く女性の平均年収の上昇が顕著でした。金融業界では2013年ごろから、メガバンクなどを筆頭に欠員補充や海外展開を見据えた人材獲得に積極的な企業が増えてきています。メディカル業界では、製薬会社などで新規プロダクトの開発やM&A熱が高まり、マーケティングや契約手続きなどを担う管理部門の採用ニーズが強まったとともに、外資系を中心に女性管理職の登用推進を掲げる企業が増えています。さらに、クラウドやIoTの導入など企業のIT投資が進む中、IT・通信業界の求人数も右肩上がりの状態が続いています。

89職種別のランキング（表２）では、「企画・管理系」に分類される16の職種の中で、「財務（3位）」「経営企画／事業企画（5位）」「法務（6位）」など、15の職種が前年を上回る結果になりました。特に3位の「財務」は、前回の39位から大きく順位を上げ、平均年収についてもプラス166万円と、今回調査した89職種の中で最も上昇幅が大きくなっています。ほかにも、プラス83万円の「営業企画（15位）」やプラス78万円の「物流業務（34位）」、プラス74万円の「知的財産／特許（8位）」など、「企画・管理系」の職種では順位と平均年収の大幅なアップが見られた職種が多く目立ちました。