掲載日:2014年1月27日
Vol.1 Special contents元アナウンサー小島慶子さん
未来の自分は恩知らず。将来を心配しすぎず、
今やりたいこと、やっていて楽しいことに集中して!
第1回はスペシャルコンテンツとして『コスプレ上手は仕事上手!』を出版した小島慶子さんへのインタビュー企画。
八重洲ブックセンター本店(東京)で12月9日に、新刊発表を記念したトークショーが開催され、イベント終了後にWoman Career編集部が単独インタビュー、女性の仕事やキャリアについてお話を伺いました。
- 集英社/2013年11月26日発売/
1200円(税別)
- 著者 小島慶子さん
- タレント、エッセイスト
1972年生まれ。第36回(1998年度)ギャラクシーDJパーソナリティ賞受賞。95年より15年間、放送局アナウンサーとして勤務。2010年に退社後は、テレビ、ラジオ、雑誌など多様なメディアで活躍中。プライベートでは2人の男の子の母親。近書に『気の持ちようの幸福論』『カメラマンが見た小島慶子』(集英社)、『女たちの武装解除』(光文社)、『失敗礼賛 不安と生きるコミュニケーション術』(KKベストセラーズ)など。
評価は相手が決めること。自分目線でばかり頑張ってはだめ
私は新人女子アナ時代に「人気女子アナランキングの上位に入らなければ」と思っていました。そして自分にその素質がないと気づいた時は、大ショックでした。傷ついたし悔しかったし、挫折感にまみれました。でもちょっと待って。中継やラジオでうまく話せるのは、同期3人の中で私しかできないことじゃない?と思ったんです。だったら自分しかできないことをやればいいじゃん!と勝手に一人相撲を取っていたら、それが面白くなってきたんです。後から気づきましたが、それが周りからの自分の評価でもあったんですね。子育ても同じで、育児書通りにやっているのに、なぜ寝ない、泣き止まない、という状況に。私がどれだけ努力しても、寝るかどうかは子どもが決めること。そっか、だったら相手に合わせればいいんだと発見し、そこからは楽になりました。それがきっかけで、評価は“相手が決めること”だと知ったんです。相手に委ねれば、自分でも思ってもみなかった一面を見つけることができるかもしれません。
「相手に自分を評価してもらえば、自分では思ってもみなかった一面に気づくことができるはず」と小島さん。
“コスプレ”はコミュニケーションの工夫。うまく使って、仕事上手、お付き合い上手に
そこでこの本で紹介している“コスプレ”の登場です。人は誰かと関わる時、実は、自然とコスプレをしていると思います。相手が求めている自分の役割を察知して、自分自身を変えているんです。ある時は従順な部下、ある時は厳しい上司、ある時は優しい母親。コスプレは「偽り」ではなく、「コミュニケーションの工夫」です。いつもは無意識でやっていることですが、何か苦しいことがあったり、自分の行動に迷った時には、この“コスプレ”の考えを思い出してみてください。気持ちを“マニュアル運転”に変えて、「今、私はコスプレ中」「こんなコスプレできる私って、なかなかいいじゃない」と、意識的に目を向けてみると、心がスッと楽になるはずです。
妊娠・出産という過程でのキャリアの変化を「今まで知らなかった新しい環境で、新しい夢ができたと捉えた」という小島さん。
選択に迷ったら、素直に「どちらがやりたいか」を考える
結婚や出産を経て、今置かれている自分の状況が、過去に思い描いていたキャリアイメージと違っている人も多いと思います。でも、生きていくことは変わること。違って当たり前なんです。過去の自分に義理立てして、現在の自分の選択を狭めてしまうのは、もったいない。昔は「キャリアを積んでバリバリ働きたい」と思っていたとしても、今は「子育てに専念したい」で良いんです。「自分が思い描いていたようにできないから終わりだ…」と落ち込まずに、この状況で最善の方法を見つけていくことが大事。人生で一番必要なのはこの対応力だと思います。いくつ「オルタナティブ(代替案)」を持っているかが人生を豊かにし、世界を広げてくれるんです。
「女性」という言葉は、他人があなたを見た時の呼び方の一つ。自分をそこに当てはめてしまうと他人から見た「女性」という枠に照らして自分を異端視したり、ステレオタイプになったりしてしまう。人は、それぞれ違う“生”を生きているのだから、「私のキャリア」「私の出産」というように「女性」と「自分」を切り離して考えることも必要だと思います。もし人生の選択で迷ったら、正直に「どちらがやりたいか」を考えてみてください。私自身、そうやって仕事を続けてきました。結果はどうあれ、やることはやったし自分で選んだのだから後悔はありません。人生は1回きり、選べるのは一つだけ。どんな人でも、一つしか選べないんです。今20代の方はきっと10年後、20年後の自分のことを考えて「キャリアも幸せも、あれもこれも手に入れなくちゃ」と心配になっているかもしれない。でも、未来の自分はとても恩知らず。実際30代、40代になってみると、「若いころは青かった~」とか平気で言ってのけて、現状を肯定するものです。だったら未来の自分に義理立てせずに、今やりたいこと、今やっていて楽しいことに集中した方が良いと思います。未来の自分は気にしなくていい!
トークショーレポート
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フェミニンなフラワープリントのワンピースで登場した小島さん。しなやかな話しぶりに、会場はリラックスした雰囲気。
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仕事帰りの会社員、就活中の方など、トークショーに集まった参加者は約80名。小島さんのユーモアに満ちた発言に、会場からは時折笑いの声が。
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トークショーの最後には質問タイムが設けられ、「ラジオの時はどう“コスプレ”している?」「自己PRのコツは?」など、たくさんの質問が寄せられた。
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編集部の質問に、こちらの目をしっかり見ながら一つずつ丁寧に答えてくれる小島さん。仕事や子育てなど、人生の変化をどう乗り越えてきたか、自身の経験を話す様子は、説得力があり、人生を存分に楽しんでいる人だけが持つ輝きと魅力にあふれていました。
Others Recommended Books
あなたのキャリアに役立つエッセンス。
こちらの本もおすすめです。
「考えながら走る」
秋山ゆかり/早川書房/2013年10月刊/
1300円(税別)
IBM全400万人の社員から40人しか選ばれないリーダーに日本人女性として初めて選出された著者。そのキャリアアップの軌跡をたどりながら「危機からリカバる力」など、「世界で通用するための「5つの力」を解説。狙ったポジションを手に入れる方法やキャリアに疑問を持った時の対処法などを紹介。
「ホワイト企業
女性が本当に安心して働ける会社」
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1200円(税別)
経済産業省が発表した「ダイバーシティ経営企業100選」の中から女性活用に優れた25社を徹底紹介。先輩女性社員のキャリアチャートや1日のタイムテーブルをレポート。「正社員かパートで復帰するかで生涯賃金の差が2億円」など実際のデータを盛り込みながら、ホワイト企業の賢い選び方を解説。
「これからも働き続けるあなたへ
働く女性の不安をやわらげる 42の処方箋」
太田彩子/大和書房/2012年12月刊/
1300円(税別)
延べ4万2000人の働く女性を支援してきた人材育成コンサルタントである著者が、結婚・妊娠・出産・育児などのライフイベントごとに役立つ情報や悩み解決方法を伝授。仕事復帰前の準備の仕方や、仕事と育児の両立の心構えなど“幸せに働き続けるためのヒント”が詰まった一冊。
八重洲ブックセンターWEBサイト http://www.yaesu-book.co.jp/
人気スポット・八重洲を代表する大型書店
本探しはもちろん、ひと息つきたいときにも
2013年9月に完成した『グランルーフ』のオープンで、注目を集める東京駅八重洲口。1978年の開業以来、このエリアを代表するお店として人気の大型書店『八重洲ブックセンター』では、新刊発売に合わせ話題の著者を招いたトークショーやサイン会、シーズンごとのフェアや展示などを数多く開催。
地下1階から地上8階のフロアには、ビジネス書をはじめ、趣味や実用、参考書や写真集など、あらゆるジャンルの本を蔵書している。文具と雑貨のショップ『style F』や公衆無線LANが利用できるコーヒーショップ『ティファニー』を併設し、銀座や有楽町からもアクセスしやすい立地から、女性客や家族連れも多い。インターネット上で本に関する各種相談や通信販売を行う「ブックコンシェルジュサービス」も実施。
■八重洲ブックセンター本店
- 【住所】
- 〒104-8456 東京都中央区八重洲2-5-1
- 【アクセス】
- JR東京駅八重洲南口、東京メトロ銀座線京橋駅 7番出口(明治屋出口)
- 【営業時間】
- 書籍売場 平日(月曜日~金曜日)/10:00~21:00、土日祝日/10:00~20:00
コーヒーショップ「ティファニー」 平日(月曜日~金曜日)/11:00~19:00、
土日祝日/11:00~18:00 - 【電話】
- 03-3281-1811(代表)
■支店一覧
【東京都】
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【神奈川】
京急百貨店上大岡店
【千葉】
丸井柏店/イトーヨーカドー八千代店
【栃木】
宇都宮パセオ店