女性の転職人気企業ランキング 2017

1位のグーグルの投票理由を見ると、「最新の技術開発に携わりたい」「優秀な人が多くて刺激を受けそう」といったキャリアアップに関する理由と並んで、「自由な働き方ができそう」「食堂など先進的な環境が充実していそう」といった働く環境についてのコメントが目立ちました。2位のトヨタ自動車も「女性が活躍できる環境が整っていそう」「ダイバーシティへの取り組みが進んでいるから」といった充実した制度が人気を集めた要因となっているようです。

2017年4月から所定労働時間の短縮と基本給の引き上げといった施策を導入したことで話題になった味の素は13位という結果に。「働き方改革を積極的に推進していて、従業員を大切にしている企業だと思う」といった理由から分かるとおり、働き方改革に関する取り組みが好感を持たれたようです。また、2017年2月に「毎月末最終金曜日の午後3時を退社奨励時間とする」と発表したソフトバンクは20位に。「プレミアムフライデーを実施した数少ない大手企業だから」という投票理由が特徴的でした。

50位以内にランクインした企業を見ると、全体的に「女性が活躍できそうな環境」といった理由が含まれており、多くの女性が「働き方」「働く環境」に期待を示す傾向があることがうかがえます。

「憧れの業界・商品」といった
“夢”や“好き”を理由にする傾向も

3位の全日本空輸（ANA）と4位の日本航空（JAL）の投票理由を見てみると、両社とも「子どものころからの憧れ」といった声が圧倒的に多く、航空業界は女性からの人気が高いことが分かります。11位のジェイティービー（JTB）も「旅行が好きだから」「憧れの業界」という理由が目立ちました。いずれも、新卒の就職人気企業の上位にも入る企業ですが、転職で入社できるチャンスもあるため、転職の人気企業においても上位に入ったようです。

14位のタニタ（総合40位）、15位のカルビー（総合34位）、18位の明治（総合35位）など食品に関わる企業が続きましたが、商品に魅力を感じているところが共通点。例えばタニタは「人々の健康に携わる商品が魅力的」、カルビーや明治は「好きなお菓子がたくさんあるから」「お菓子の発想力が豊か」といった商品への愛着を示すコメントが目立ちました。

20位以下の企業でも、商品が“好き”という理由で選んでいる傾向は続きます。22位のバンダイ（総合39位）は「子どもが生まれてから、おもちゃに興味を持ち始めた」、25位のワコール（総合61位）は「ワコールの下着が好きだから」といったコメントが代表的な投票理由でした。食品関係だけでなく、好感を持っている商品に「仕事として関わってみたい」という意識になりやすいのが女性の特徴といえるようです。

女性活躍推進が影響？
「挑戦」「やりがい」を求める声も

「働き方」や「憧れ」といった理由が目立つ女性の転職人気企業ランキングですが、「挑戦」や「やりがい」を求める声も目立っています。5位のサントリーホールディングスは「“やってみなはれ”の社風でいろいろなことにチャレンジさせてくれそうだから」といった、企業理念に共感を示す理由が多くありました。また、16位の三井物産、17位の三菱商事と続く大手総合商社は、「グローバルに事業を展開していて楽しそう」といった仕事のやりがいを理由に挙げています。また、19位のApple　Japan、24位のプロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン（P＆G）といった外資系企業は、「世界中から優秀な人材が集まってくる。その中で自分自身を大きく成長させたい」「最先端の新しい発想の技術に携わりたい」といった、キャリアアップを目指す理由が多く見られました。

2016年4月に女性活躍推進法が施行されて1年。さまざまなメディアで「女性活躍」を目にする機会も増えていますが、そういった社会の流れが影響しているのか、女性自身も「もっと活躍できる場を」と考えて転職する企業を選択する傾向が出ているのかもしれません。