女性の転職人気企業ランキング 2018

女性の転職人気企業ランキングで首位になったのは、前回と同様、グーグルでした。投票理由を見ると、「イノベーティブで面白そうな仕事ができそう」「最先端のテクノロジーで、ここにしかない経験ができそう」といったキャリアに関する理由のほか、「自由で開放的なオフィス」「自由な社風で働きやすそうな制度が整っていそう」「福利厚生が充実していそう」といったコメントが目立ちました。

また、2位も前回と同じトヨタ自動車でしたが、「安定していて、福利厚生もしっかりしていそう」「日本を代表する大企業で安泰のイメージ」といった理由が多く見られました。さらに楽天は前回の6位から順位を上げてトップ3にランクイン。「社食が朝、昼、晩とも無料で福利厚生が期待できる」「英語のコミュニケーションが楽しそう」といった、メディアでも多く取り上げられている独自性のある社内制度が支持を集めました。

3社とも「福利厚生」をはじめ、「自由」「安定」がキーワードとなっていて、待遇や社風を含む、働く環境を理由に書いている方が多いのが特徴的でした。

トップ10で、前回から大きく順位を上げた企業を見ると、ソニーが10位から6位に。次いで、リクルートホールディングスが21位から7位に躍進しました。ソニーは業績が回復し、犬型ロボット「アイボ」の販売が再開されたことなどで昨年、話題になりました。あわせて、女子大生時代に立ち上げた「ハピキラFACTORY」を経営しながらソニー社員としても活躍する正能茉優（しょうのう・まゆ）さんが、多くの女性から“パラレルキャリア女性”として注目を集めているのも影響しているかもしれません。

また、全従業員を対象とした上限日数のないリモートワーク（在宅勤務）の取り組みなど、先進的な働き方を進めていることが話題になっているリクルートホールディングスの理由を見ると、「仕事の裁量が大きい」「自由に働けそう」などで、自由な社風が共感を得ているようでした。

“好き”を仕事に
商品やサービスへの親しみが転職意向へ

4位の全日本空輸（前回3位）と5位の日本航空（前回4位）の投票理由を見てみると、両社とも「飛行機が好きだったから」「航空業界の一番の憧れ」といった声がほとんどで、航空業界は女性から根強い人気があることが分かります。

また、11位のApple　Japan（前回19位）や12位のアマゾン　ジャパン（前回30位）、18位のLINE（前回圏外）、21位のクックパッド（前回45位）はいずれも前回から大きく順位を上げたIT系企業。理由を見ると、「iPhoneが好き」「よく利用するサービス」など、こちらも商品やサービスに好意を持って選んでいるのが共通点でした。

身の回りにある好きな商品やサービスから転職意向につながるのは、これまでも女性の特徴としてありましたが、根強い人気のある航空業界や食品・日用品だけでなく、スマホを軸にしたIT関連の商品やサービスが上位に上がってきているのが、今回調査で見られた大きな変化です。

「業績がいい」「成長している」などの理由から圏外からランクアップした企業多数

50位までで圏外からランクアップした企業は、28位の任天堂、31位の電通、35位の日本アイ・ビー・エム、41位のキーエンス、48位のサイボウズなどでした。2017年3月に発売されたハイブリッドゲーム機「Nintendo Switch（ニンテンドースイッチ）」が爆発的ヒットで注目を集めた任天堂は、「新商品のクオリティが高水準」「今、波に乗っている企業」などの理由がありました。また、電通や日本アイ・ビー・エム、キーエンスでは、「やりがいがありそう」「給料が高そう」「業績がよく成長性がありそう」といったコメントが目立ちました。いずれも、業績好調で成長している企業で、将来性に期待を持って希望している傾向がありました。

そんな中でも独特な理由だったのが48位のサイボウズ。働き方改革について実態をユニークにまとめた動画「サイボウズ ワークスタイルアニメ『アリキリ』」などが話題になりましたが、「多様な人が活躍していそう」「社長が夫婦別姓など社会的課題に取り組んでいる」などの、サイボウズならではの理由を書いている方が多く見られました。

どの企業も総合では50位以内にランクインするのが常連の人気企業といえますが、今回は女性の中でも人気を集めました。女性が企業を選択する上で「働き方」や「働く環境」だけでなく、「成長」「将来性」または「社会性」などが重要視する傾向が強くなってきたと考えられます。