職種のトリセツ
クリエイティブ職
Webデザイナーに向いている人の特徴は?求められるスキルや未経験でも転職できるのかを解説
公開日:2023/12/28
Webデザイナーという仕事にあこがれを持っている方は少なくないかもしれません。同時に、関心を持ちつつも、果たして自分に向いているのか、不安に思っている方もいることでしょう。
今回は、転職活動のサポート経験が豊富なdodaのキャリアアドバイザーが、Webデザイナーの仕事内容や向いている人の特徴、求められるスキルなどについて解説します。
Webデザイナーの仕事内容は?
Webデザイナーとは一言でいうと、企業や個人からの依頼を受けて、Webサイトなどのデザインを行う仕事です。とはいえ、ただ、デザインを組むだけが業務ではありません。
どのような仕事をするのか、dodaのキャリアアドバイザーに聞きました。
ヒアリングしてサイトの要件を整理する
クライアントの中には、webサイトの構築や運用が主務ではない方も多くいます。さらに、抱えている課題が複雑な場合や、どう解決すべきか悩んでいる場合も多くあります。
ターゲットにあわせたサイト構成と設計を考える
売り上げを拡大させるためのサイトデザインをする場合、適切なターゲットを設定し、そのターゲットにあわせてサイトの設計をすることが必要です。
渡邉
設定したターゲットが使いやすい設計にしていくことで、売り上げにつながるようなアクションを起こしやすくなります。前述した「課題」だけでなく、ターゲットに関してもクライアントと擦り合わせを行い、適切なものを設定する必要があります。それもまた、デザイナーの業務の一つと言えますね。
デザインを構築する
課題やターゲットを踏まえて全体の構成を考えたら、Webデザイナーのメイン業務であるデザインの構築に進みます。
渡邉
ユーザーが目にする画面のデザインや動きを指すUI、またUIによってもたらされるユーザー体験を指すUXといった観点も意識しながらデザインをすることが求められます。
デザインをする際は、IllustratorやPhotoshopなどの基本ツールを使用します。最近ではfigmaやXDなど、デザイナーならではの共有ツールがありますので、それらを利用することも増えていますね。
コーディングをする
コーディングは、HTMLやCSSなどの言語を用いてサイトを機能させるためのソースコードを作成することです。
渡邉
Webサイト制作には欠かせない工程ですが、一方でWebデザイナーになる必須条件ではなく、「できると付加価値がつく」スキル、という位置づけです。ただ、企業の規模によっては、コーディングまでWebデザイナーに一任したいというところもあります。
Webデザイナーに向いている人の特徴は?
Webデザイナーという仕事をエンジョイできている方には、共通の特徴が。当てはまる特徴があれば、少なくともWebデザイナーに向いている可能性がある、と言えます。具体的に見ていきましょう。
デザインが好きで、クリエイター気質
Webデザインの仕事は作品をゼロから作り出すため、クリエイターとしての気質が必要です。クリエイターの気質とは、さまざまなアイデアをアウトプットできることや、もの作りが好きなことを指します。
渡邉
ただし、あくまでクライアントが主体なので、自分のオリジナリティを大切にしたい方よりは、商業デザインができたり、クライアントの課題を解決したいというホスピタリティがあったりする方が、より向いていると思います。
地道な作業が好きで、継続しても苦にならない
一人でコツコツとやる作業が好きな人もWebデザイナーに向いていると言えます。
渡邉
配色を決めたり、文字のサイズを調整したりと、時間をかけて細かな作業を積み重ねることが多い仕事なので、この辺りは抵抗感なくできる方のほうがいいですね。
細かいところによく気がつく慎重さがある
さまざまなクライアントと接する機会が多く、それぞれの要望に応える必要があるため、周囲への小まめな気配りが求められます。
渡邉
クライアントのニーズに応えながら慎重にこなしていけるとよいでしょう。さらに言えば、クライアントが潜在的に持っていた要望を繊細にキャッチアップし、解決策を提案できるようになるとベストです。
スケジュール管理がうまい
さまざまなクライアントとやりとりするということは、複数案件を同時進行することが多いということにもなります。
渡邉
自分でスケジュール管理をしっかりでき、効率的に作業をできる人は向いていると言えます。また、多くのプロジェクトを並行していれば、不測の事態が起こる頻度も上がるもの。慌てず、冷静にリスケジュールを行えるようなスケジュール管理ができるともっとよいですね。
コミュニケーション力が高い
Webデザイナーはクライアントの要望をしっかりとくみ取って理解し、デザインに反映することが求められます。
渡邉
クライアントの意向にあわせてデザインを微調整していくため、どんな相手とも円滑にやりとりできるコミュニケーション力があるとよいでしょう。
新しいものをキャッチアップできる
服装やメイクにトレンドがあるように、デザインにもトレンドが存在します。
渡邉
はやりのデザインの傾向や新しいツールなども日々、取り入れていかなければなりません。クライアントによっては、デザインのテイストを変えて提案する必要もあるので、常にアンテナを張り、自分の引き出しを増やしていける人も向いているといえます。
キャリアアドバイザーに寄せられるWebデザイナーのお悩み
Webデザイナーとして仕事をしていく上で、どのような悩みがついて回るのか、dodaのキャリアアドバイザーに寄せられるお悩みについて紹介します。
お悩み1:なかなか一人で作業する時間が取れない
Webデザインは一人でパソコンに向かって作業するだけではありません。
渡邉
一人で作業を行う機会が多いのは確かです。しかし、ここまでお話ししてきたとおり、コミュニケーションを必要とされたり、チームワークを重んじたりするような現場も多くあります。なので、一人だけで黙々とやっていきたいというタイプだと、疲れてしまうという方もいらっしゃいます。
お悩み2:仕事上で自分の「色」を出せない
Webデザインは、クライアントの要望を汲み取りながら、その中で自分のセンスを発揮するというバランス感覚も求められる仕事です。
渡邉
自分の作りたいものを作りたいという、こだわりが強すぎる方も、疲れてしまう傾向にあります。やはり、クライアントの要望をくみ取り、現場のディレクターの指示を受けて折衷案を見出したり、落としどころを探ったりすることが必要です。その際に、こだわりが強いと、ご自身が窮屈になり、フラストレーションがたまってしまいます。
Webデザイナーに求められる知識は?
Webデザイナーの仕事には、いろいろな知識が必要です。転職前にすべて身につけておく必要はありませんが、4つほど知識を身につけておくとベストです。
デザインツールの活用術
Webデザインには、さまざまなツールの活用が必須です。
渡邉
Webデザインの制作にはIllustratorやPhotoshopなどの編集ソフトが多く使われます。まずは、アウトプットするデザインによって、どのツールが適しているのかを、素早く判断できるようになりましょう。求人では特にこの2つのツールを使いこなせることが基本的な条件になっている場合もあります。
制作するサイトのイメージにあわせたデザインの引き出し
配色やフォント、文字やイラストの位置が少し異なるだけで、クオリティに大きな差が出てきます。
渡邉
制作するサイトのイメージにあわせたデザインを作るためには、まずWebデザインに関する基礎知識を身につけておくことが大切です。さまざまなニーズに対応できるように準備をしておきましょう。
コーディングの知識
コーディングは、HTMLやCSSといった、プログラミング言語を使ってソースコードを作成することです。
渡邉
募集企業によっては、コーディングによるサイト作成スキルまで求められない場合もありますが、未経験からWebデザイナーにチャレンジしたいという場合は、このスキルも身につけていると、転職成功率をアップさせることができるかもしれません。
Webマーケティングの知識
Webデザインに関する知識だけでなく、プラスアルファでWebマーケティングに関する知識も持っておくとよいです。
渡邉
こちらはマストではありませんが、サイトをリリースした後、改善施策のタイミングなどで重宝されるスキルです。マーケティングの視点があったほうが、サイトを運用する際など、よりニーズに近いものを提供できるでしょう。
Webデザイナーは未経験でも転職できる?
Webデザイナー未経験者向けの求人は、経験者向けの求人と比べると、あまり多くありません。ただ、そこであきらめるのではなく、実務に近い経験を積んでおけば、たとえ未経験者であっても採用される確率は上がってきます。
こちらの記事で、未経験からWebデザイナーになるためのステップや転職活動のコツなどを詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
未経験からWebデザイナーへの転職を成功させるためには何をするべき?
募集枠は少ないものの、未経験だとWebデザイナーに転職できない、というわけではありません。その場合、どのような準備をすればよいのか、何が成功のポイントなのか、そのためにやっておきたいポイントについて、dodaのキャリアアドバイザーが解説します。
「3つのスキル」を大切にする
実際に役立つ「スキル」には、3つの種類があります。
渡邉
転職の際には、「テクニカルスキル」「ポータブルスキル」「ヒューマンスキル」という3つのスキルを大切にして、応募書類を作ることをおすすめしています。この3つのスキルについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
Webデザイナーになるには? 転職活動のコツや転職成功者の声を紹介
まずは実務経験を積んでみる
何よりもまずは、実際にデザインに取り組んでみて、その経験値を増やしていくのが重要です。
渡邉
経済的、時間的に余裕があるのであれば、スクールに通うなどして勉強しておくと、企業側にも本当にやりたいという覚悟が伝わります。
また、Webデザイナーの経験でなくても、結果的に転職に有利に働くケースもあります。SNS運用やPhotoshopを使った画像加工などの経験をしておくと、クリエイティブの基礎的なノウハウが身につくでしょう。また、デザインを依頼する側の立場でも、「ビジュアル化」のために必要なことを言語化する経験ができるためプラスとなります。
Webデザイナーに活かせるスキルや経歴をまとめる
転職を成功させるためには、何よりもまず企業側が何を求めているかをチェックすることが重要です。
渡邉
Webデザインに直結することではなくても、自分は何ができるのか、身につけたスキルと実績をまとめることが大切です。未経験であっても、自分が積み重ねてきた経験を、Webデザインにどのように活かせるか、アピールポイントをまとめておきましょう。
また、技術的なことだけでなく、性格や向いている企業風土など自己分析を進めることも大切です。dodaの「自己PR発掘診断」は16問の設問に答えるだけで、自己PRに役立つスキルやアピールできる経験を発見できます。一度チェックしてみましょう。
不安な場合は転職エージェントを活用してみる
転職に不安を感じた際は、dodaのサービスを活用してみましょう。
渡邉
転職活動が初めてだったり、今の自分のスキルでWebデザイナーに転職できるのかどうか不安だったりという場合は、転職エージェントを活用しましょう。求人紹介はもちろんのこと、応募書類や面接対策のサポートも行っています。今、自分が持っている資格やスキルでどのような職種に転職すべきか分からないという不安のある方は、エージェントサービスに登録をして、キャリアアドバイザーに相談するのも一つの方法です。
まとめ
「デザインをする仕事」というと、自分の「色」を出して、クリエイティビティを発揮できる、と考える人は多いかもしれません。しかし実際の現場では、クライアントの要望を第一に考え、ホスピタリティの精神を持って取り組むことが求められているようです。自己分析をして、Webデザイナーでやりたいことがかなえられるのか考えてから、転職を検討するといいでしょう。
回答したキャリアアドバイザーはこちら
渡邉 里紗 (わたなべ・りさ)
【経歴】
2015年に人材業界へ入り、以降2度産休と育休を取得しながら一貫してクリエイティブ領域専任のキャリアアドバイザーを務める。 未経験の方から経験者まで、これまで数多くの方の転職支援に携わりました。
dodaの年収査定で知ろう
適正年収と市場価値
年収査定で分かる4つのこと
-
あなたの適正年収
あなたのこれまでの経歴から、適正年収を算出します。
-
今後30年間の年収推移
あなたの今後30年間の年収推移をグラフで表示します。
-
転職してよかった!キャリアの可能性
あなたに近いキャリアをお持ちの方の、転職事例をご紹介します。
-
あなたの適正年収から求人を探す
結果をもとにdodaの求人情報から適正年収にあった求人情報が探せます。
- あなたの志向や能力を診断できて、可能性が広がる!
- キャリアタイプ診断を受ける
- 未経験歓迎の求人を見てみよう!
- 求人特集を見る
- あなたの疑問や不安に転職のプロがお答え。さっそく相談してみよう
- エージェントサービスに申し込む(無料)
dodaキャリアアドバイザー
渡邉 里紗(以下、渡邉)
クライアントに対しヒアリングを重ねて、どのような課題を抱えているのか認識を合わせることが求められます。潜在的なニーズを発見し、整理して目指すゴールを言語化することで、ニーズに応じたデザイン提案をすることができるため、とても大切な工程です。