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Webデザイナーになるには?転職活動のコツや転職成功者の声を紹介
更新日:2024/04/18
Webデザイナーという仕事に対し、「華やか」「クリエイティビティを発揮できそう」といった印象を持っている方もいるのではないでしょうか。
今回は、Webデザイナーへの転職を考えている方に向けて、転職のサポート経験が豊富なdodaのキャリアアドバイザーに聞いた、Webデザイナーの仕事内容や転職のコツなどを解説します。
また、実際にWebデザイナーへの転職成功者の生の声もあわせてご紹介。転職の参考材料として、ぜひチェックしてみてください。
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転職タイプ診断を受ける(無料)Webデザイナーの仕事内容は?
Webデザイナーの仕事は、「企業や個人の依頼を通じ、Webサイト等のデザインを行うこと」です。
ただデザインをするだけではなく、「他者からの依頼が起点となっている」のがポイントです。クライアントにヒアリングをし、デザインするWebサイトの要件を整理し、それに応じたデザインを提案する必要があります。
その際、ビジュアルだけでなく、サイトを閲覧するユーザーの使いやすさなども考えなくてはいけません。つまり、ただ見た目のデザインを作り上げるだけでなく、それに付随する事柄にも対応する必要があります。
なお、Webデザイナーの仕事については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
デザイナー/クリエイター(出版/広告/Web/映像関連)とはどんな職種?仕事内容/給料/転職事情を解説【doda職種図鑑】
未経験からWebデザイナーに転職するためのコツ
Webデザイナーに関心がある、でも経験がない…そんな人が未経験から転職を目指す場合、どのような準備をしておけばよいのでしょうか。
転職するために意識しておきたいコツについて、転職のサポート経験が豊富なdodaキャリアアドバイザーに聞きました。
企業が重視するポイントは?
採用担当者が意識しているポイントを押さえれば、未経験でも転職成功率アップが見込める可能性があります。
dodaのキャリアアドバイザーによれば、そのポイントは「テクニカルスキル」「ポータブルスキル」「ヒューマンスキル」の3つとのことです。
テクニカルスキル
「Webデザイナーとしての技術」のことを指します。
ポータブルスキル
クライアントと円滑に関わるためのスキルです。
渡邉
例えば、営業職の経験がある方なら、交渉力やクライアントとのコミュニケーション能力などをアピールするとよいでしょう。今までどのような経験をしてきたかを、Webデザイナーへの意欲と絡め、説明できるとよいですね。
特に、Webデザイナーは多くのクライアントと関わることが求められる仕事。
案件ごとの潜在的な課題を引き出したり、さまざまな案件を同時並行するための、スケジュール管理能力があったりすれば、強力なアピール材料となりそうです。
ヒューマンスキル
「なぜWebデザイナーになりたいのか」、個人の思いを伝えるためのスキルです。
渡邉
なぜWebデザイナーを目指したのかという志望動機をきちんと言語化してまとめ、「あこがれだけではなく、意欲や真剣さがある」ことをアピールしていくことも大切です。
主体的に取り組む姿勢があることを伝えられると、入社してから活躍する姿などを想像してもらえるでしょう。
Webデザイナーに転職するためのステップは?
では、未経験からWebデザイナーに転職したい場合、転職活動のスタートにはどう備えればよいのでしょうか。意識しておきたいポイントを見ていきましょう。
必要なツールをそろえて制作の経験を積む
Webデザイナーは、さまざまなツールを活用し、仕事を進めていく必要があります。
渡邉
PhotoshopやIllustratorなど、必要なツールをそろえるのが大前提です。
その後に、参考書を買って勉強するか、スクールに通うかなどをして、まずは実務に近い経験を積みましょう。
ポートフォリオを用意する
ポートフォリオとは、自分のスキルをアピールする「作品集」のようなものです。
渡邉
特にWebデザイナーに応募する際は、ポートフォリオの提出は必須、というケースもあるんです。
未経験であっても、自分で作成した応募する企業のジャンルに合った作品や、実在サイトのリニューアル案などを考えて、提出するとよいでしょう。
異職種経験者ならではの強みをまとめておく
一見関連のなさそうな「異職種での経験」が、アピール材料になる場合も大いにあります。
渡邉
応募する企業によりけり、ではあるのですが、異職種にいたからこその視点や知見を盛り込むことができるケースも多いです。
例えば、事務職の業務でHPの更新を担当していた場合や、販売職の業務で店頭のポップ作成の提案などを通して顧客の購買意欲を上げる工夫をしていた場合、アピールの材料になる可能性があります。
「未経験可」の求人以外も狙って応募する
選択肢を増やすための策として、検討してみましょう。
渡邉
Webデザイナーに未経験からチャレンジするなら、「未経験可」と明記している企業はもちろんですが、今持っているスキルを活かせそうな企業もリサーチして応募しましょう。
実務経験を持っていなくても、スキルがあればチャンスを増やすことができるでしょう。
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転職タイプ診断を受ける(無料)取得すると有利になる資格はある?
資格が必要、という話はあまり聞かないWebデザイナーですが、持っておくと有利なものはあるのでしょうか。
渡邉
ツールを使いこなすための勉強こそ必須ですが、取得がマストの資格があるわけではありません。
資格取得に労力を費やすよりも、Webサイト用の画像加工のアルバイトなどでも構わないので、実務に近い経験を積み、デザイナーとしての経験値を取得していきましょう。
また、制作物を増やす際は、自分の得意なテイストだけでなく、どのような企業にも対応できるよう、アイデアの幅を広げておくことも必要です。
ここまでWebデザイナーに転職するためのコツを紹介してきました。続いて、実際にWebデザイナーを目指す前に知っておきたい働き方や将来性などを解説します。
Webデザイナーの将来性は?
仕事内容が多岐にわたり、引く手数多な職業、という印象を受ける人も多そうですが、実際、Webデザイナーは将来性のある仕事なのでしょうか。
渡邉
Webデザイナーの仕事領域は多岐にわたっており、現在も既に人気の高い職業と言えます。
一方で、AIの発展、ツールの開発などにより、将来的にはWebデザイナーの仕事がなくなるのではという懸念も出てきているんです。
実際、バナー制作や画像生成などは、AIの自動生成機能を使い始めている企業もあります。
とはいえ、デザイナーの業務がすべて奪われてしまうかというと、そうではない、と私は思います。
やはり、課題を見つけ、適切にアプローチしていくための対策を考える必要はありますし、クライアントが潜在的に求めていることは何なのかを考える、思考力を磨かなくてはなりません。
ですので、今後は実際にデザインを作り出すだけでなく、その完成形に結びつけるために思考することが、人間の役割として大切になってくると思います。
Webデザイナーの平均年収は?
Webデザイナーに転職することで、どの程度の収入を得ることができるのでしょうか。
dodaの「平均年収ランキング」(2023年版)のクリエイティブ系職種のうち、「Webデザイナー」のデータを見てみましょう
(「平均年収ランキング」では正社員の年収データのみを扱っています)。
Webデザイナーの平均年収(全体) | 360万円 |
---|---|
クリエイティブ系職種の平均年収 | 383万円 |
全職種の平均年収 | 414万円 |
より詳しいWebデザイナーの平均年収や年代別の数値は、こちらの記事で解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
Webデザイナーの平均年収はいくら?給料アップを目指す方法や転職事例も解説
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転職タイプ診断を受ける(無料)未経験でWebデザイナーに転職する際の注意点
Webデザイナー未経験だったり、経験がわずかだったりする場合、見落としがちなことや注意しておくべき点があります。
未経験OKの求人数が少なく、ライバルが多いことを知っておく
Webデザイナーは経験者採用の傾向が強いので、未経験OKの求人は少ないのが現状です。
渡邉
えり好みしない、という考えも時には大切です。
希望の条件やこだわりの条件は抑えめに、どれだけ実務経験を積めるか、その一歩を踏み出せる、というスキルアップの視点で求人を見ていくのがおすすめです。
希望するキャリアプランを中長期でも考えておく
Webデザイナーは企業に勤めてキャリアアップを目指すのか、フリーランスとしてさまざまなクライアントとその身一つで向き合っていくのか、キャリアの方向性が多岐にわたっています。
また、企業に勤めるとしても、事業会社で自社のサイトのデザインをするのか、制作会社でさまざまな業界や企業の案件を受けるのかによってもキャリアは変わってきます。
渡邉
事業会社のWebデザイナーは、その業界ならではのデザイン知識や経験が求められる場合があるほか、求人数も比較的少なく、難易度は高くなります。
そのため、未経験の場合は制作会社に入社してWebデザイナーのキャリアをスタートする方も多いでしょう。
そこで経験を積みながら、自分に合ったキャリアを考えていくことが求められます。
早い段階から自分に合ったキャリアプランをイメージしておくと、後々キャリアを選択していくときの助けになります。
dodaの「キャリアタイプ診断」では、自分に適した働き方や企業風土がわかるので、ぜひ参考にしてみてください。
\あなたに適した働き方は?/
キャリアタイプ診断を受けてみる(無料)常に知識やスキルをアップデートし続けていく必要がある
最後に、Webデザイナーに必要なマインドについてご紹介します。
渡邉
Webデザイナーは、知識を増やし、実力をブラッシュアップし続けることが大切です。
常に変化するサービスや商品、デザインなどのトレンドを追ったり、新たなツールやコーディングの知識を身につけたりすることで、自身の引き出しが増え、対応できる案件の幅も広がるでしょう。
未経験からWebデザイナーへ! 転職成功者の生の声
dodaを運営するパーソルキャリア株式会社で働くWebデザイナーには、未経験からWebデザイナーへの転職成功者がいます。
転職前に準備したことや、転職後に役立った経験など、生の声をお届けします。
転職前に準備したこと
転職前に、意識的に取り組んだことはあったのでしょうか。
WebデザイナーA
Webデザイナー職に就く前までは、接客業を2カ所で、研究職を2カ所で経験してきました。Webデザイナーとしてはこれまでいくつかの企業で働いています。
実は、私はWebデザイナーを目指して特別な準備をした、ということはなかったんです。技術、いわばテクニカルスキルは、採用されてから、schoo(スクー)というオンラインサービスで学びましたね。
また、現在でも、「現場で経験を積ませていただいているなあ」と感じることも多いです。
転職後に「活かせた」と感じるスキル
自身のどんなところが、転職成功につながったのか、分析してもらいました。
WebデザイナーA
なぜ未経験で、しかも特別な準備をしていなかった私でも転職できたか考えると、接客業で培った、相手のニーズを把握する力やコミュニケーション力が評価された、という部分が大きいと思います。
また、趣味で色彩検定の資格を持っていたので、その部分もデザインに活かせる、と思ってもらえたのかもしれません。
さらに、これまでのどの仕事においても「スピード感」を意識していたので、「案件を納めるのが早く、喜ばれた」ということはアピールしていましたね。
1日の大まかな仕事の流れ
Webデザイナーのリアルなタスクは、主に8つに分けることができます。
WebデザイナーA
1 メールチェック
2 案件の進捗報告
3 デザイン制作業務
4 チーム内のデザインチェック業務
5 コーディング業務
6 案件や組織改善の各種会議
7 組織改善業務
8 次の日のタスク把握
おおよそ、このような流れで業務を行っています。仕事を受注してから納品するまでは、およそ2週間から1カ月のスパンで仕上げることが多いですね。
実際に働いてみて感じたWebデザイナーの実態
働き始めたからこそ分かるポイントは、以下の通りです。
WebデザイナーA
まず、服装や髪型に制限がなくなり、自由になったな、と感じます。そして、リモートワークができて通勤がいらないので、睡眠時間も多くとれますし、自分の時間が増え、前職よりも体調がよくなった、と感じます。
また、私の好きなクリエイティブな仕事ができるので、やりがいも大きいですね。現在は自社のサイト改修業務を担当しているのですが、ユーザーの動きを知ることができて知識が深くなったと思います。
Webデザイナーというと、「デザイン業務をするだけ」のイメージでしたが、実際はコーディングやディレクションなど、幅広い業務を経験できています。
また、Webデザイナーとして経験を積んだ後、UXデザイナーやデザインエンジニア、Webディレクターなどの関連職種に転職する方もいるので、キャリアの選択肢を広げやすい仕事かな、とも思いますね。
未経験でWebデザイナーへの転職を試みる人に向けてのアドバイス
ひとくちに「Webデザイナー」と言っても、現場によってさまざまな働き方があります。
WebデザイナーA
デザインとコーディングを言われた通りこなすだけの現場もあれば、ユーザー理解を意識し、ページ解析を経験できる現場、ディレクションなどの領域も幅広く担当する現場もあり、本当にやることがさまざまな仕事だと思います。
企業によって担当する業務の量・幅・種類がまったく違うので、ご自身の強みや興味などにあわせて、どんな企業で働くか研究してみるとよいのではないでしょうか。
\自分に合った仕事探しのヒントを見つけよう/
転職タイプ診断を受ける(無料)まとめ
Webデザイナーは、クリエイティブでありつつ、顧客が求めるデザインやユーザーの使いやすさをかなえていく、やりがいのある仕事といえるでしょう。
未経験からチャレンジする場合は、今できるところから実務に近い経験を積みながら、スキルをどのように身につけていくか、キャリアプランを考えてみるのがおすすめです。
キャリアプランを誰かに相談したい場合や、自分のスキルでWebデザイナーに転職できるのかどうか不安…というときは、dodaのエージェントサービスがおすすめです。求人紹介はもちろん、応募書類や面接対策のサポートなども行いますので、ぜひ活用してみてください。
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渡邉 里紗 (わたなべ・りさ)
【経歴】
2015年に人材業界へ入り、以降2度産休と育休を取得しながら一貫してクリエイティブ領域専任のキャリアアドバイザーを務める。 未経験の方から経験者まで、これまで数多くの方の転職支援に携わりました。
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dodaキャリアアドバイザー
渡邉 里紗(以下、渡邉)
デザインの仕事がどのくらいできるか、というスキルです。
実務が未経験だとしても、スクールなどに通って身につけた技術や、扱うことができるツール、その習熟度などをアピールするとよいでしょう。
また、ターゲットやコンセプト、制作意図などを考えながら準備した自主制作課題なども、あわせて見せられるとベストです。