職種のトリセツ
クリエイティブ職
リモートワーク・テレワークがしやすい職種!メリットやデメリットは?
公開日:2023/11/30
柔軟な働き方の選択肢として注目が集まっているリモートワーク。その働き方が気になって、リモートワーク可の求人を探している人も多いでしょう。そこで今回は、職種別のリモートワーク実施率などをもとに、リモートワークがしやすい職種を解説します。また、転職支援の実績が豊富なdodaのキャリアアドバイザーに、リモートワークのメリット・デメリット、向いている人などについても聞きました。
リモートワークとはどんな働き方?
リモートワークは「Remote(遠隔)」+「Work(仕事)」からなる造語で、勤め先のオフィスから離れた場所で仕事をするという意味です。自宅で働く在宅勤務はもちろんのこと、カフェやホテル、空港のラウンジなどで働く場合もリモートワークに含まれます。
どこで働いてもよいというイメージがあるかもしれませんが、機密情報を扱う場合もあり、会社ごとに就業規則によってリモートワーク可能な場所が決められています。
リモートワークとテレワークの違いは?
テレワークは厚生労働省により「情報通信技術(ICT=Information and Communication Technology)を利用し、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」と定義されています(※1)。テレワークという用語自体は「Tele(離れて)」+「Work(仕事)」からなる造語で、リモートワークと同じ意味と考えてよいでしょう。
【2023年最新】リモートワークの実施率はどのくらい?
パーソル総合研究所が2023年7月に行った、約3万人を対象に調査したデータをもとに「リモートワークの実施率」を見ていきましょう(※2)。
国全体でのリモートワーク実施率
コロナ禍の2020年4月には実施率27.9%だったリモートワークは、2023年7月には22.2%となり、2020年4月以降で最も低い水準となっています。2023年5月8日に新型コロナウイルス感染症が5類に移行されて以降は、リモートワークの実施が少しずつ減少傾向にあるようです。
職種別リモートワークの実施率
職種別リモートワーク実施率トップ5正社員ベース
23年7月 テレワーク実施率(%) |
22年7月(%) | 1年前からの実施率変化(pt) | |
---|---|---|---|
Webクリエイティブ職 | 64.5 | 70.1 | -5.6 |
コンサルタント | 61.4 | 68.4 | -7.0 |
IT系技術職 | 58.2 | 64.9 | -6.7 |
企画・マーケティング | 49.1 | 55.3 | -6.2 |
経営企画 | 44.9 | 55.1 | -10.2 |
リモートワーク実施率が高い職種は、1位がWebクリエイティブ職で64.5%、2位がコンサルタントで61.4%、3位がIT系技術職で58.2%でした。一方で、飲食系の接客・サービス職が6.6%、販売職が3.0%といったように10%未満の職種もあり、職種によって向き・不向きがあるようです。
dodaでも独自にリモートワークの実態調査を行っています。リモートワークで働く人の本音が分かるので、ぜひ以下の記事をご覧ください。
リモートワークがしやすい職種は?
先に紹介した職種別のリモートワーク実施率を参考に、リモートワークがしやすい職種を具体的に見ていきましょう。
Webクリエイティブ職
Webクリエイティブ職とはWeb関連のデザインや文章制作、マーケティングなどでサービスやプロダクトを作り出す職種のことです。中でもリモートワークがしやすいと考えられるのは次の3つです。
Webデザイナー
Webサイトのデザインをする仕事です。制作物は企業のホームページやロゴ、広告など多岐にわたります。クライアントにヒアリングをして相手が抱えている潜在的な課題を発見し、課題解決のためにデザインを考案。実際の制作業務にはツールの活用が必須で、illustrator、Photoshopのほか、最近はFigmaやAdobe XDを使いこなすスキルも求められます。
なお、Webデザイナーについてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
デザイナー/クリエイター(出版/広告/Web/映像関連)とはどんな職種?
Webマーケター
ECなどのWebサイトやWebサービスの認知度を拡大し、多くの消費者を集客して購入につなげる仕事です。ユーザーの流入経路や離脱率のデータ分析などを通じ、検証と改善を行います。
Web編集者・ライター
Web編集者とはWeb上の記事について企画や構成を作る仕事です。記事に問題がないかさまざまな確認作業も行います。Webライターは、Web編集者らが作成した構成をもとに記事を作ります。主にPCを使い、執筆、取材、リサーチなどができる環境が整っていればリモートワークがしやすい仕事です。
また、Webだけでなく出版・広告も含めた編集・記者・ライターについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
コンサルタント
クライアント企業の課題を見つけ、解決のための戦略を提案する仕事です。昨今では、提案した戦略の実行支援をすることも増えているようです。提案内容は事業戦略、IT戦略、DX推進、業務のオペレーション改善、事業再生などさまざまで、所属するコンサルタントファームの専門分野により異なります。
なお、コンサルタントのより詳しい仕事内容や年収、転職事情についてはこちらの記事で解説しています。
IT系技術職
IT(情報技術)に関わるエンジニア職の中でも、リモートワークがしやすいのはSEやプログラマでしょう。
SE(システムエンジニア)
ソフトウェア開発のため、プログラムの仕様書やソフトウェアの設計書などを作ります。クライアントへのヒアリングやプロジェクト管理もメインの仕事です。企業によっては、プログラマの業務を兼任することもあります。
PG(プログラマ)
プログラミングと呼ばれる、ソフトウェアの開発業務をする仕事です。SEが用意した仕様書・設計書をもとに、コードを書いて形にしていきます。システムが完成後に問題なく稼働するかどうかテストを行うこともあります。
同じくIT系技術職である「Webエンジニア」については以下の記事をご覧ください。 Webエンジニアとはどんな職種?仕事内容/給料/転職事情を解説【doda職種図鑑】
リモートワークがしやすい職種の共通点は?
リモートワークがしやすい職種にはどのような共通点があるのでしょうか。リモートワークの特性を踏まえて解説します。
PCやモバイル端末で業務が完結する
自宅や外出先で仕事をするには、PCやモバイル端末だけで身軽に作業ができることがポイント。IT企業のように、社内のシステムやセキュリティなどの環境が整っているとリモートワークがしやすいようです。
オフィスなどの現場にいる必要性が低い
前述したとおり、PCやモバイル端末だけで完結する業務内容で、インターネット環境があればオフィスに縛られる必要がありません。逆にリモートワークがしにくい例として、「職種別リモートワーク実施率」の調査で実施率が低かった販売業やサービス業など、物理的にその場にいなければならない職種が挙げられます。
クライアントや会社の人と直接会わなくても業務が進められる
一人で作業が完結しやすい仕事であることも、リモートワークがしやすい職種の共通点です。PCで作業をする仕事であっても、チームの誰かと頻繁にやりとりをする必要があるとリモートワークがしにくくなります。
具体的に、どのような企業であればリモートワークができるのか気になる方は、ぜひ下記リンクから確かめてみてください。
リモートワークのメリットは?
リモートワークの利点はどんなところでしょうか。幅広い職種の転職支援を通じて、リモートワークを希望する人や導入している企業を数多く見てきたdodaのキャリアアドバイザー、瀬戸口瑞恵に聞きました。
通勤時間を省ける
通勤をしなくて済むので移動時間が省け、居住地の選択肢が広がります。
仕事に集中しやすい
業務だけに黙々と打ち込めるので、集中しやすい人が多いようです。
瀬戸口
オフィスでは、隣の席の人が立てる物音や周囲の雑音、電話対応などで気が散ってしまうことも多いはず。一方、実際にリモートワークをしている方からは、「業務だけに打ち込めて集中できる」という声をよく聞きますね。
育児・介護と仕事を両立しやすい
私用で急なトラブルなどが起こったときにも柔軟に対応できます。
瀬戸口
育児や介護との両立を理由に、リモートワークを導入している企業に転職したい、と考える方は男女ともに増えています。お子様が急な発熱などで保育園や幼稚園から連絡があった場合にも、リモートワークであればすみやかな対応がしやすいでしょう。
体調や体質にあわせて、自分のペースで働ける
体調が万全ではないときにも、自分のペースで仕事ができます。
瀬戸口
女性の場合、生理痛がひどいときや妊娠中など体調が万全ではない時期があります。仕事中に急に体調が悪くなってしまうこともあるでしょう。そんなとき、リモートワークであればすぐに休めます。
ライフイベントと仕事との両立のためにリモートワークを検討している方には、以下の記事がおすすめです。仕事を続ける上での不安を解決するヒントになるかもしれませんよ。 働く女性が知っておきたい妊娠・出産・育児の制度
リモートワークのデメリットは?
リモートワークのデメリットについてもdodaのキャリアアドバイザーに聞きました。
上司や同僚に相談しづらい
対面であればサッと相談できることも、リモートワークでは離れている分相談しづらい場合があります。
瀬戸口
例えば、未経験の職種にチャレンジをしたものの、フルリモート勤務のためこまめに相談ができず、「キャッチアップができない」という声もあります。
仕事相手の気持ちが分かりにくい
メールやチャットツールでのやり取りが多くなるため、相手の感情が読み取れず気を揉んでしまうことがあります。
瀬戸口
クライアントや上司などがどう考えているのか、文章だけではニュアンスが伝わらず、どう返信するか悩むことも多いようです。
仕事とプライベートの切り替えが難しい
在宅勤務の場合、生活スペースと仕事場が同じになり、オンオフの切り替えが難しくなりがちです。
瀬戸口
人は場所を切り替えることで頭を切り替える、といわれています。在宅勤務をするなら、仕事部屋とリビングで部屋を分けたり、ワンルームの場合はカフェやコワーキングスペースなどを利用したりして場所を変えるのがおすすめです。ただし、会社によっては就業規則でリモートワークをできる場所が決められているので、その点は注意しましょう。
すでに仕事とプライベートの切り替えに悩んでいる方には以下の記事がおすすめです。メリハリある働き方を実現する参考になるかもしれませんよ。 仕事とプライベートを両立させる方法は? 働くうえで意識すべきポイントはありますか?
リモートワークが向いている人の特徴は?
どのような人がリモートワークに向いているのか、転職支援の経験が豊富なdodaのキャリアアドバイザーに聞いてみました。
一人きりでの作業が苦にならない
一人で黙々と仕事をするのが好きな人のほうが向いているようです。
瀬戸口
リモートワーク経験のある方から、一人で仕事をし続けることで「誰かとコミュニケーションをとりながら働けるほうが自分には向いていると気づいた」という声を聞くことがあります。リモートワークには一人きりの作業が苦にならない方が向いていると言えると思います。
自分から質問したり、助けを求めたりできる
何かあれば遠慮せずに質問でき、報連相(ホウレンソウ)を意識的にきちんとできる人もリモートワークに向いています。
瀬戸口
対面であれば相手の状況を見て「今よろしいですか?」と質問できますが、リモートワークでは勝手が異なります。自分から適時、助けを求められるかどうかは重要なポイントです。
自分がリモートワークに向いているのか、気になる方は以下の「オンライン仕事力診断」を受けてみましょう。
- オンラインとリアルでは求められる能力が違う…!自分の適性を調べてみよう
- 「オンライン仕事力診断」を受けてみる
リモートワークでよくあるお悩みとは?
リモートワークにはリモートワークならではの悩みがあります。そこで、dodaのキャリアアドバイザーに、リモートワークをしている人に起こりがちな悩みを教えてもらいました。
上司や同僚と積極的にコミュニケーションが取れない
リモートワークでは、出社のときよりもコミュニケーションを取りづらいと感じることがあります。
瀬戸口
リモートワークでは自然とテキストだけのコミュニケーションが増えますし、会話をしながらアウトプットの精度を高めていくというのも難しくなります。その結果、出社していた時よりもコミュニケーションが取りづらいと感じる人が一定数います。
自己管理ができない
リモートワークでは他人の目がないので、自己管理する力が求められます。
瀬戸口
リモートワーク経験のある方から「ついつい休憩時間を長く取ってしまう」「ずるずると残業をし続けてしまう」といった、時間や進捗の管理に苦労する声を聞くことがあります。リモートワークは一人で働くので、自分を律することができるかどうかが重要になります。
なお、リモートワークで起こりがちなコミュニケーションの悩みについては、こちらの記事で詳しく解説しているので参考にしてください。 Q.リモートワークで職場の人たちとうまくコミュニケーションが取れない…どうしたら?
リモートワーク可の求人に応募する際の注意点
最後に、「リモートワーク可」という求人に応募する際、気をつけておきたいポイントを紹介します。
リモートワークの頻度は要チェック
職種によってはフルリモートの求人は珍しく、週1〜2日は出社が義務づけられていることも多いようです。リモートワークの頻度は会社や組織ごとに異なるので、選考過程で確認しましょう。
入社後のフォロー体制の有無
リモートワークでは顔を合わせることが少ないからこそ、教育体制やコミュニケーションの充実ぶりが重要です。求人票に明記されていなければ、面接で確認するとよいでしょう。
リモートワークが廃止される可能性も
現在はリモートワークを実施している職種でも、世の中や企業の状況次第でリモートワークができなくなる可能性があります。念頭に置いておきましょう。
リモートワークか出社かを問わず、求人に応募する際に気をつけたいことが知りたい人は以下の記事をご覧ください。 Q. 自分に合った企業を探すには、どうすればよいでしょうか?
リモートワーク可の求人を見つけたら積極的に応募しよう
国全体のリモートワーク実施率は22.2%と少なく感じられますが、Webクリエイティブ職やコンサルタント、IT技術職などに絞り込めば、リモートワーク可の求人を効果的に探すことができます。そのほかにも、自身が希望する職種でリモートワーク可の求人を見つけた際には、チャンスだと考えて積極的に応募してみましょう。
「リモートワークに興味があるけれど、自分に向いているか分からない」など心配事がある人は、dodaエージェントサービスに登録して、キャリアアドバイザーに相談しながら転職活動を進めるのをおすすめします。
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瀬戸口 瑞恵(せとぐち・みずえ)
【経歴】
教育業界での営業職・マネジメント職、外資系企業での事務職を経て、2007年にパーソルキャリア株式会社に入社。入社以来、キャリアアドバイザーとして、個人のお客さまの転職を支援。管理部門職種の方を中心に幅広く担当。中長期的なキャリアプランの提案・個人の価値観に寄り添った求人提案を心がけている。プライベートでは2人の男児のママ。
※1 厚生労働省「テレワークとは」
※2 パーソル総合研究所「第8回・テレワークに関する調査/就業時マスク調査」
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dodaキャリアアドバイザー
瀬戸口 瑞恵(以下、瀬戸口)
朝の通勤時間がない分ゆっくり起きられたり、始業前に家事を済ませられたりと時間を有効活用できます。また、満員電車に揺られるストレスから解放されるのも魅力的に感じる人が多いようです。東京都内の会社に勤めながら電車通勤するのが難しい遠方に暮らす、という生活スタイルも実現しやすいでしょう。