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Vol.15会社情報(IR・財務)の読み方入門講座

EBITDAとは? 会社のどんなことが分かるの?

今回はEBITDAについて解説します。上場企業の決算説明資料を見ていると「EBITDA」という用語をしばしば見かけます。グローバル企業の決算書ではEBITDAが使用されています。企業を評価する指標のひとつですので、ぜひ知っておきましょう。

この記事を要約すると…

  • EBITDAとは営業利益や経常利益と並んで、企業を評価する指標
  • EBITDAとは「営業利益+減価償却費」
  • EBITDAはグローバル企業の業績や多国間の業績を比較・分析する際に用いる
  • EBITDAから企業の収益力(本業でもうける力)が分かる

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1.EBITDAとは?

EBITDAの読み方は「イービットディーエー」「イービッタ」「エビーダ」などさまざまです。特に決まった読み方があるわけではないようです。営業利益経常利益と並んで、企業を評価する指標のひとつです。とくに営業拠点を日本以外におく企業や、グローバル企業の評価をする際にEBITDAは欠かせません。

では、EBITDAを分解して意味を見ていきましょう。

Earnings, Before, Interest, Taxes Depreciation, Amortizationのそれぞれの頭文字をとり、EBITDAと表現しています。直訳すると次のとおりです。
・Earnings Before Interest Taxes=利払い前・税引利益、金利・税金
・Depreciation=土地や建物など有形固定資産の減価償却費
・Amortization=のれんやソフトウェアなど無形固定資産の減価償却費

EBITDAとは利払い前・税引き前利益、減価償却の総和で求められる利益のことで、計算式は次のとおりです。

1.税引前期利益+法人税+支払利息+減価償却費

2.経常利益+支払利息+減価償却費

3.営業利益+減価償却費

このようにいくつか計算式がありますが、3つめの 「営業利益+減価償却費」と理解して構いません。

ここで、復習となりますが、営業利益や当期純利益は、損益計算書(P/L)に含まれています。
減価償却費」は、工場や社用車などの「設備投資」を経費として数年間に分割して計上するものでした。
損益計算書の中で「減価償却費」は、売上原価と販管費(販売費および一般管理費)にそれぞれ含まれています(なお、損益計算書の中に減価償却費という項目はありません)。

ここまでの説明を図にするとこのようになります。

EBITDA

計算式は、いくつかありますが、図で示しているように「営業利益+減価償却費」の部分がEBITDAに当たります。
さらに、理解しやすく示したのが下図です。

EBITDAの図

2.EBITDAのメリット

なぜEBITDAが使われるようになったのでしょうか。

グローバル企業の収益力を比較できるから

EBITDAはグローバル企業の業績や多国間、同業他社間の業績を比較・分析する際に用いられる指標です。企業の収益力を見るだけであれば、当期純利益を指標にすればよいですが、当期純利益は税金、支払利息、減価償却費が差し引かれています。

グローバル視点で企業分析する際に、国によって金利水準、税率、減価償却方法などが違うことから、当期純利益は異なる国の企業、多国間などの比較・分析には向いていません。

その点、EBITDAは各国の税制や税率、金利水準などの影響を最小限に抑えられるため、企業の収益力(本業のもうけ)を測る指標として活用されます。

減価償却の多寡の影響を受けず、中長期的な視点での企業価値評価ができる

企業の収益力(本業のもうけ)と聞いて、営業利益で比較してはダメなのかと考える人がいるかもしれません。営業利益は、売り上げから売上原価と販管費を引いたものですが、この2つには減価償却費が含まれていることを先ほど説明しました。

たとえば、通信事業や建築企業などの、大規模な設備投資が必要な業種は、先行投資として巨額の費用が必要になります。このような業種では、大規模な設備投資をしたあとの数年間は、減価償却費も多額に計上される傾向があります。すると、減価償却費の金額が大きい年は営業利益が減り、逆に年数が経って減価償却費の金額が小さくなると営業利益が増える、という仕組みになっています。

つまり、営業利益で比較をすると、減価償却費の多い年か、少ない年かに影響を受けてしまうのです。

EBITDAは、減価償却費を含んでいるのでそこでの利益の増減は発生せず、実質的な利益を算出できます。これにより、中長期的な視点で企業価値を評価することが可能になります。

3.EBITDAの注意点

次にEBITDAで企業の経営状態を分析するときに注意すべき点について解説します。

過剰な設備投資による損失をマイナス要因として取り込むことができない

EBITDAは「営業利益減価償却費」で計算され、減価償却費は工場を新設するなどの「設備投資」を数年間に分割して経費として計上するものでした。つまり、ここでの「減価償却費」は「将来利益を生み出す未来の利益」と解釈することができます。

しかし、現実には「設備投資」には利益を生み出すために行ったが、結果的には過剰な設備投資となり、損失となるものもあります。EBITDAでは、これを認識することができません。

過剰な設備投資をすると、一般的に、売り上げに対する減価償却費の比率が大きくなります。投資が数年後、必ずしも価値を生むとは限らない点がEBITDAの問題点とされています。

また、企業は単発的な設備投資を行うのではなく、継続的に多額の設備投資を行います。EBITDAでは、過剰な設備投資によって減価償却費が膨らみ企業の収益力(本業でもうける力)が大幅に下がっているにもかかわらず、減価償却費が差し引きされないので、指標上では安定的な成長をしているように見せることができます。この点についても、著名な投資家であるウォーレン・バフェット氏もEBITDAの過信には警鐘を鳴らしています。

まとめ

EBITDAは、企業を評価する指標のひとつで、計算式はいくつかありますが、「営業利益減価償却費」が一般的です。グローバル企業の収益力を比較できる、中長期的な視点での企業価値評価が可能といったメリットがある一方で、過剰な設備投資による損失をマイナス要因として取り込むことができないというデメリットもあります。企業の数値を見るときには、EBITDAだけでなく、ほかの利益指標も見て総合的に判断することが大切です。

執筆者:馬渕 磨理子
フィスコ 企業リサーチレポーター
京都大学公共政策大学院修了。日本テクニカルアナリスト。
医療法人でトレーダーとして資産運用に携わり、現在はフィスコで活動。同時に日本クラウドキャピタルでもマーケティングに従事。プレジデントやSPA!など多数執筆。
Twitter https://twitter.com/marikomabuchi
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