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Vol.3会社情報(IR・財務)の読み方入門講座

時価総額って何?時価総額が上がっている会社は社員にいい会社?

転職を考える場合に、企業の価値や規模に注目するのも一つの方法です。転職先の企業の業界での順位や信頼度の目安であり、企業の業績を見る指標の一つとなるものに「時価総額」があります。ぜひチェックしてみてください。

この記事を要約すると…

  • 「時価総額」とは、現在の株価に発行済株式数をかけて求められる企業評価する上での重要指標です。
  • 時価総額が大きいほど、会社全体の価値が高いと評価されます。

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時価総額とは?

ニュースを見ていると、「この企業の時価総額は○億円~」といった表現をよく見かけます。この「時価総額」とは、現在の株価に発行済株式数をかけて求められる数値で、企業の価値や規模を評価する重要な指標のひとつです。転職活動では、業界分析する際に企業の時価総額もチェックすることで、より詳しくその企業の業界での位置や市場からの評価を知ることができます。

時価総額は、以下の計算式で求められます。

時価総額=株価×発行済株式数

市場株価は、投資家の需要によって日々変動します。株式を買いたい投資家が多ければ多いほど、株価は上がります。一方で、株式を売る投資家のほうが多いと、株価は下がります。

発行済株式数は日々変化するものではないですが、株価は市場からの評価ですので日々変化します。それに伴って時価総額も日々変化する数値になります。

そのため、時価総額は、会社の規模や経営状態の比較によく使われます。時価総額が大きいほど、会社全体の価値が高いと評価されます。株価が同じ価格でも発行済株式数が多い企業は時価総額が大きくなります。

例えばですが
1株100円の株式を1000株発行している企業と
 ▷1株100円×1000株=時価総額10万円

1株100円の株式を100株発行している企業
 ▷1株100円×100株=時価総額1万円

株式を多く発行している企業のほうが、時価総額が大きく、規模も大きいと考えます。企業自体の価値が高くなると、就活・転職活動をしている際に、将来の成長への期待が大きい会社だと判断する人が多くなり、有望な人材も集まりやすくなります。優秀な人材が多く集まることで、企業はより良い企業へと成長していくといった好循環サイクルが生まれます。

時価総額の重要性をお分かりいただいたところで、日本と世界の時価総額の大きい企業を見ていきましょう。

時価総額 日本の上場企業ランキング

2020年12月1日時点の時価総額上位企業は以下の通りです

順位 企業名 業種
1 トヨタ自動車 輸送用機器
2 ソフトバンクグループ 情報・通信業
3 キーエンス 電気機器
4 NTTドコモ 情報・通信業
5 ソニー 電気機器
6 NTT 情報・通信業
7 ファーストリテイリング 小売業
8 中外製薬 医薬品
9 日本電産 電気機器
10 任天堂 その他製品
11 第一三共 医薬品
12 信越化学工業 化学
13 リクルートホールディングス サービス業
14 KDDI 情報・通信業
15 ダイキン工業 機械
16 オリエンタルランド サービス業
17 武田薬品工業 医薬品
18 三菱UFJフィナンシャル・グループ 銀行業
19 ソフトバンク 情報・通信業
20 村田製作所 電気機器

時価総額 日本のスタートアップ企業ランキング

上場企業だけでなく、未上場企業であるスタートアップ企業にも上場企業の時価総額にあたる想定時価総額というものがあります。

アメリカ企業のFacebook、Twitterなど皆さんになじみのある世界を代表するような企業も、もともとはスタートアップ企業でした。日本はアメリカよりもスタートアップ企業が育つ環境が遅れていることに課題を感じており、現在、国を挙げて国内のスタートアップ企業が成長できる環境を整えることで、日本からユニコーン企業(未上場企業で企業価値評価額が10億ドル以上の企業)を誕生させようとしています。その流れを受けて、日本からもメルカリなどのユニコーン企業が少しずつ登場してきています。成長スピードの高いスタートアップ企業の時価総額ランキングもご紹介します。

2020年7月1日時点の想定時価総額ランキングでは、「スマートニュース」やタクシー配車アプリ「JapanTaxi」を展開するMobility Technologiesなどがランクインしています。

2020年7月1日時点の想定時価総額上位企業は以下の通りです

順位 企業名
1 Preferred Networks
2 クリーンプラネット
3 スマートニュース
4 TBM
5 リキッドグループ
6 TRIPLE-1
7 Spiber
8 Mobility Technologies
9 パネイル
10 Paidy
11 GVE
12 ティアフォー
13 FiNC Technologies
14 アストロスケールホールディングス
15 Global Mobility Service
16 ジェネシスヘルスケア
17 プレイド
18 ウェルスナビ
19 ZMP
20 エリーパワー

出典:STARTUP DB

時価総額 世界の企業ランキング

続いて、世界の時価総額ランキングを見てみましょう。アメリカと中国の企業が多くランクインしています。

2020年12月1日時点の時価総額上位企業は以下の通りです

順位 企業名 国名
1 アップル アメリカ
2 サウジアラムコ サウジアラビア
3 マイクロソフト アメリカ
4 アマゾン アメリカ
5 アルファベット アメリカ
6 フェイスブック アメリカ
7 アリババ 中国
8 テンセント 中国
9 テスラ アメリカ
10 バークシャー・ハサウェイ アメリカ
11 台湾積体電路製造(TSMC) 台湾
12 ウォルマート アメリカ
13 ビザ アメリカ
14 サムスン電子 韓国
15 ジョンソンエンドジョンソン アメリカ
16 JPモルガン・チェース アメリカ
17 P&G アメリカ
18 マスターカード アメリカ
19 エヌビディア アメリカ
20 貴州茅台酒 中国

まとめ

時価総額の大きい企業は、株式市場から高い評価を受けており、金融機関からの信用度も高くなり、資金調達もしやすくなります。潤沢な資金により、安定した給料を支払えることから、優秀な人材を獲得できますし、設備投資や事業拡大を進めることができます。ぜひ、転職先の企業の時価総額に注目して分析してみてください。

執筆者:馬渕 磨理子
フィスコ 企業リサーチレポーター
京都大学公共政策大学院修了。日本テクニカルアナリスト。
医療法人でトレーダーとして資産運用に携わり、現在はフィスコでアナリストとして活動。同時に日本クラウドキャピタルでもマーケティングに従事。プレジデントオンラインの執筆記事の半年間の累計は6000万PV超。
Twitter https://twitter.com/marikomabuchi
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