Q. 女性の活躍推進っていうけど、
実際は負担ばかりで見返りが実感できない

女性活躍推進のメリットは出世やお金だけではないですよ。女性を管理職に登用することで女性にとって働きやすい環境を作ることができるのが最大のメリット。

出産・育児をサポートする福利厚生の充実や、時短勤務やリモートワークなどの勤務形態の多様化など、それらの「働きやすさ」も一緒に天秤に掛けて、いま一度報酬とのバランスを測ってみてください。

出産・育児のサポートもない、勤務形態も融通が利かない、それでいて報酬も見合わず、発言権もなく、役職という名の責任を押し付けられただけというならば、それは「ホワイト企業」というイメージが欲しいだけの“なんちゃって”ホワイト企業。

それならエラい人に直談判して環境改善するように努めるか、場合によっては転職も視野に入れたほうがいいのかもしれませんね。

企業が何かを応援するのは「プッシュすれば会社の利益になる」面があるからです。今回も女性の活躍を推進すれば、女性に残業させてキツい仕事を背負わせることもできます。ですから、女性にとっては「負担ばかり増えて、名ばかり管理職じゃん」と思わされる出来事も増えたはずです。

ですが、管理職をきちんとこなせば転職という選択肢も見えてきます。管理職経験者は、管理職として高い給与条件で転職しやすくなるからです。

その会社には早いとこ見切りをつけて、同じ負担でも正当な見返りがもらえる企業へ転職してみては？　内定が取れてから「他社からは○○万円でオファーをいただいているので……」と、自社にゆさぶりをかけて待遇改善を狙うのもいいでしょう。

キャリアに振り回されるのではなく、あなたがキャリアの主導権を握りましょう。

男女雇用機会均等法が施行されたのは1986年ですが、そう考えると女性の働く歴史はまだ30年くらいしかありません。

何事もそうですが、制度が先行して内容が伴うのは後。先人は苦労しますよね。例に漏れず女性活躍推進も形だけになってしまっている企業は少なくありません。

女性をどう扱ったらいいのか分かっていないこともあるかもしれません。なので、「私をこういうふうに使ってください」と自ら希望する役割や働き方を提案してみてください。経営者からは現場のことが見えづらいので、声を上げないと伝わらないものです。

それに、女性が働きやすい職場づくり＝誰にとっても働きやすい職場づくり、につながることで、会社としても貴重な存在になれると思いますよ。