職種のトリセツ
事務職
事務職に向いている人の特徴とは?仕事内容と転職時の注意点について解説
公開日:2023/07/06
事務職への転職を考えているけれど、自分が本当に事務職に向いているのかどうか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。ひとくちに事務職といっても種類はさまざまで、職場によって仕事内容も変わってきます。今回は、事務職の転職活動のサポート経験が豊富なdodaキャリアアドバイザーに聞いた、事務職の種類や仕事内容、事務職に向いている人の特徴、寄せられることが多いお悩みなどについて解説します。これから事務職への転職を考えている方や、別のジャンルの事務をやってみたいと思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
事務職の種類と仕事内容
事務職は基本的に書類の作成や整理など、業務を円滑に進めるために必要なことを内勤で行うポジションです。特別な資格を要求されることはありませんが、職種によってはPCや簿記、英語などのスキルを求められることもあります。はじめに、事務職にどんな種類があるのかを見ていきましょう。
一般事務
一般事務の主な仕事は、オフィス内での電話・来客応対、書類作成、データ入力、ファイリングといった作業です。「事務職」といえば、一般事務の仕事内容を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。書類作成やデータ入力などの業務にあたり、WordやExcelの基本的なPCスキルが求められます。
営業事務
営業事務はその名のとおり、営業職をサポートする業務を行います。商品やサービスを売るためには見積書や発注書、請求書などの書類が必要です。こういった書類の作成や発送はもちろんのこと、商品自体の在庫や発送の管理、お客さまからの電話応対やスケジュール調整なども行います。時には商談のプレゼンテーション資料の作成を手伝うこともあるでしょう。
経理事務
経理は決算が専門分野です。経理事務は、その業務がスムーズに進むよう、日々の現金の出納、伝票の仕分けや処理、帳簿の作成、経費の精算などのサポートを行う仕事です。書類を作成、チェック、整理するほか、「月次補助」や「月次・四半期・年次決算」といったより大きな金額を扱うような場合は、簿記や法人税法など、会計や法律に関する専門的なスキルが求められることもあります。
総務事務
社内の規則整備やファシリティの管理、福利厚生制度の管理、社内プロジェクトの推進などが主な仕事です。さらに、文房具やPCなどの備品、設備の管理をはじめ、イベントの運営や冠婚葬祭の対応なども行う場合があるでしょう。規模の小さな会社では、人事事務や労務事務と兼務する場合もあります。
医療事務
病院やクリニックで働くのが医療事務です。仕事内容は担当部門によってさまざまですが、具体的には、医療費の計算から患者への対応、受付業務、書類の整理などがあるでしょう。そのほか、病院によっては、医師たちの行う事務作業のサポート、電話応対、会計業務、カルテ整理などを行うこともあります。さらに、近年は顧客満足の向上のため、受付など患者応対の場面でのコミュニケーション能力も求められています。
事務職についてさらに詳しく知りたい方へ『あの職種とはどんな仕事?doda職種図鑑』
事務職に向いている人にはどんな特徴がある?
書類の作成や整理、データ入力など細かい作業がメインとなる事務職ですが、どのような人に向いているのでしょうか。ここでは、事務職に向いている人の特徴について、業務の特性もふまえ解説していきます。
地道な作業が苦にならない
事務職は細かい数字の入力や計算をしたり、大量の資料を整理したりと、地道でコツコツと行う作業が多く発生します。多岐にわたる資料作成やデータ入力など、長時間の作業をすることもあるので、そういったことが苦にならない人に向いています。
期日を守って仕事をミスなくていねいにこなす
基本的にはオフィス内で業務がスムーズに進むようにサポートをするのが事務職の主な業務です。ほかの社員の仕事が円滑に進められるよう、時には先回りして対応することもあります。もちろん、合間に電話や受け付けの対応などもしなければいけません。そのため、業務のスケジュールをきちんと管理することや、ミスなく仕事を進めていく処理能力、最後まで仕事をやり抜く責任感も求められます。縁の下の力持ちとして働くことにやりがいを感じられる人にこそ向いているでしょう。
臨機応変に柔軟な対応ができる
ルーティンワーク以外にも、突発的に発生する仕事に対して臨機応変に対応しなければならない場面があります。たとえば営業事務や貿易事務などは、社外の顧客との折衝が発生する場合もあるので、より柔軟性が求められるでしょう。場合によっては営業に代わって納期調整などを求められることもあるため、そういったスケジュール調整もうまく対応する必要があります。
人のサポートやこまめな気遣いが得意
事務の種類にもよりますが、社内のほかの部署の社員と接する機会も多いので、周囲へのこまめな気配りが求められます。たとえば営業事務の場合、営業担当者によって、どこまでを自分の受け持ち範囲にしたいかといった志向性が異なることもあります。そのため、一人ひとりに合ったこまめな気遣いができると評価にもつながるでしょう。
感情のコントロールが上手
前述のとおり、ほかの部署の社員と接する機会もあるため、機嫌の良し悪しが顔に出てしまうと、周囲の人が仕事を頼みづらい雰囲気になってしまいます。事務作業とコミュニケーションの両立を上手にできる人に向いているでしょう。
事務職は誰にでもできるというイメージを持たれることもありますが、このように求められる能力も多く、実際は向き・不向きのある仕事です。
dodaのキャリアアドバイザーに寄せられることが多い事務職のお悩み
女性を中心に人気の職種ではありますが、事務職ならではの不安や不満を持つ人も多いようです。ここでは、事務職にはどんな悩みがついてまわるのか、dodaのキャリアアドバイザーに寄せられるお悩みについて聞いてみました。
今回は、事務職全般を得意分野とし、キャリアのアドバイス・求人紹介を担当するdodaキャリアアドバイザーの浅田菜美が、寄せられるお悩みの例をご紹介します。
お悩み1:社内外の人とのコミュニケーションを取る機会が多く、人間関係に悩む
社内の人とのやり取りはもちろん密に発生しますが、職種によっては、納期の調整など社外の人との折衝が発生することもあります。
お悩み2:地道な作業が多く、仕事が退屈
事務職は、データ入力をするなど、PCでの作業が多い職種です。
浅田
毎日、長時間同じような作業をしていると退屈に感じてしまう、飽きてしまうという人にはつらく感じてしまう場合もあるようです。
お悩み3:収入が上がりにくい
事務職はそもそも年収の上がり幅がそこまで高くないのが現状です。
浅田
頭打ちになってしまっていたり、先輩の年収をみてもあまり高い年収は望めないと感じたりしたときに、転職を考える人が多いようです。
お悩み4:担当以外の業務を振られることに抵抗がある
業務のサポートをするという事務職の特性上、部署や同僚の業務状況によっては、自分の担当以外の業務も引き受けることもあります。
浅田
いろいろな人のサポート業務をするためマルチタスクが必要となる場面も多く、決められた1つの作業に没頭したい人は苦痛に思ってしまうこともあるようです。
お悩み5:成果が数値で見えないのでやりがいが持てない
事務職はサポート業務がメインです。そのため、分かりやすくプラスの評価を得る機会は少なくなります。
浅田
プラスの評価を得る機会が少ないだけでなく、与えられた仕事はミスなくやって当たり前という世界なので、少しのミスでマイナスの評価がついてしまうこともあり、やりがいを感じにくいという人もいるようです。
お悩み6:明確なスキルが身についている実感が持ちにくい
事務職は、サポート業務が中心のため、自ら考えて業務を推進していくような機会は少なくなります。そのため、自分にスキルが身についているか不安に感じる方もいるようです。
浅田
自分から主体的に物事を進めたい、オンリーワンな仕事がしたいという人は、事務職以外の職種への転職にチャレンジするケースも少なくありません。
事務職への転職を考える際の注意点
ここまで、dodaのキャリアアドバイザーへ寄せられる事務職ならではのお悩みについて見てきましたが、あわせて事務職への転職を考える際に留意しておきたい点についても解説します。
競争倍率が高い
doda転職求人倍率レポートによると、2023年3月時点での全体の有効倍率は2.25倍、対して事務職の有効求人倍率は0.35倍と、全体と比較するとかなり低くなっています。
浅田
求人数に対しての転職の希望者数が多い状況のため、企業側が人材を選べる立場にあります。さらに、ほとんどの場合1名採用であり、ほかの応募者というライバルの存在も大きくなります。正社員を目指す場合は、なるべく数多くの求人に応募し、その企業が優先して見てくれる自分のスキルや経験をアピールしていく必要があります。事務職としての経験が少ないという人は、雇用形態にこだわらず、経験を積むことから始めるのもよいでしょう。
業務の範囲が幅広い場合がある
大企業だと業務が細分化されていることもありますが、中小企業では、「一般事務」といっても、人事・総務・経理などの事務系の業務を兼務していることがあります。
浅田
事前に業務範囲について詳しく確認しておくとよいでしょう。
未経験で事務職に転職できる?
ここまで、事務職に転職を考える場合の注意点を見てきましたが、実際に未経験から転職できるものなのでしょうか。
浅田
未経験でも事務職することはできますが、人気が高い職種のため決して簡単とは言えません。LOOKUP、ピボットテーブル、IF関数といったExcelの中級レベル程度のスキルを持っていることが前提となるため、PCを使ったことがない職種から事務職へ転職をする場合は特に大変かもしれません。しかし、未経験であってもあきらめず、前述したようなPCスキルを習得するなど、入念に準備や対策をして応募に臨めば企業側の印象にも残り、選考通過率があがるでしょう。
事務職への転職を成功させるためには何をすべき?
ここからは、事務職へ転職したい場合に、企業へ十分なアピールをするためにどのような準備をすればよいのか見ていきましょう。
事務職へ活かせる自分のスキルや経歴をまとめる
まずは企業が何を重視しているかを見極めておきましょう。未経験者でも経験者でも、企業側はPCスキルについて見ていることがほとんどです。自分はどの程度のことができるのか実績を振り返り、中級レベルのスキルが身についているか確認しておくことが必要です。さらに、PCスキルのほかにも、今までの職務経験から事務職で活かせる自分ならではのスキルを洗い出して、強みを見つけておきましょう。
また、スキルだけではなく、性格や行動基準、向いている企業風土など、自己分析を進めることも大切です。dodaの「自己PR診断」は、16問の設問に答えるだけで、自己PRに役立つ特別なスキルやアピールできる経験について発見できるツールです。履歴書や職務経歴書を書く前に、一度チェックしてみましょう。
転職エージェントを活用する
転職エージェントのサービスでは、求人紹介はもちろんのこと、応募書類や面接対策のサポートなども受けられます。やみくもに探すよりも、転職のプロにサポートしてもらうことで、自分では考えてもいなかった業界への転職など、新たな選択肢に出会える可能性もあります。転職が初めてで何から始めたらよいか分からない、という方はもちろん、さらにキャリアアップを目指したいという方も、一度キャリアアドバイザーに相談してみてはいかがでしょうか。
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まとめ
事務職は書類の作成や整理、データ入力などの細かい業務がメインとなる、社内の仕事がスムーズに進むようサポートする「縁の下の力持ち」のようなポジションです。転職を考えている場合、自分が事務職のどんな点を魅力的に感じるのか、どんなスキルを活かせるのかなどを改めて考えてみましょう。
回答したキャリアアドバイザーはこちら
浅田 菜美(あさだ・なみ)
【経歴】
新卒で教育系の企業に入社し、個人向けの営業などを経験した後パーソルキャリア株式会社に入社。事務職全般を得意分野とし、キャリアのアドバイス・求人紹介を担当しております。dodaでは、転職を希望される方のお話を伺った上で、適切なアドバイスをさせていただき、転職活動の伴走者としてサポートをさせていただきます。ぜひ一度ご相談ください。
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dodaキャリアアドバイザー
浅田菜美(以下、浅田)
募集要項にはそのような記載がなくても、いつの間にか業務範囲に入っていて精神的に疲れる、というお悩みを聞くことがありますね。