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事務職
一般事務とはどんな仕事?やりがいやよくある悩みを分かりやすく解説
公開日:2024/11/28
「一般事務」は、女性に人気の職種のひとつです。しかし、具体的にどのような業務を行うのかイメージしにくいという人もいるでしょう。そこで、一般事務の仕事内容や1日の業務の流れなどについて、分かりやすく解説します。また、一般事務のやりがいやよくある悩みについても紹介するので、一般事務への転職に興味がある人はぜひ参考にしてください。
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一般事務とは、「庶務」と呼ばれることもある職種で、書類作成やファイリング、データ入力など、幅広い業務を行います。
基本的には、業務を通じてほかの社員をサポートするのがメインとなる仕事です。
ただし、一般事務の仕事内容は、働く会社や部署によって異なります。一般事務の求人に応募する際は、求人情報に記載された仕事内容をよく確認したほうがよいでしょう。
一般事務の主な仕事内容
一般事務の仕事はさまざまですが、代表的なものとしては以下のようなものがあります。
主な仕事 | 内容 |
---|---|
書類作成 | Word、Excel、PowerPointなどで、さまざまな文書を作成する。定型フォーマットへの入力が中心だが、情報を取りまとめて新たな文書を作成することもある |
ファイリング | 作成・印刷した書類を適切に分類し、必要時にすぐ取り出せるよう管理する。紙の書類はバインダーにとじ、電子ファイルはフォルダで体系的に整理する |
データ入力 | 売上データや商品の在庫、顧客情報など、さまざまなデータの入力を行う |
伝票処理 | 請求書や領収書など、金銭のやり取りに関わる伝票の確認・整理を行う |
電話対応 | オフィスにかかってきた電話の取り次ぎを行う。担当者が不在の際には、相手の用件を聞き、担当者への伝言メモを作成することもある |
郵便物の発送・仕分け | 社内外とのやり取りで発生する郵便物を発送する。また、届いた郵便物は適切に仕分けし、担当部署・担当者に届ける |
備品管理・発注 | 事務用品の在庫管理と発注を行う。コピー機やプリンターなどの設備に不具合があった場合は、メンテナンスを依頼する |
来客対応 | オフィスを訪れるお客さまへの応対を行う。具体的には、会議室への案内やお茶出しなどが挙げられる |
一般事務とほかの事務職との違い
いわゆる「事務職」には、一般事務以外に営業事務、経理事務、総務事務、医療事務といった「専門事務」と呼ばれる事務職があります。
これらは、事務作業を行うという点では一般事務と共通していますが、担当する業務の分野が大きく異なります。
一般事務は、部署に関係なく幅広い分野の業務を担当するのが特徴です。
書類作成やファイリング、データ入力など、どんな部署でも必要とされる事務作業を中心に行うため、専門的な知識を求められることは多くありません。
一方、専門事務は、所属する部門や部署に特化した業務を行うのが特徴です。
このように、専門事務ではその分野特有の知識やスキルを必要とされることが多く、この点が一般事務との大きな違いと言えるでしょう。
一般事務以外の事務職について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。様々な分野の事務職について解説しています。
一般事務の平均年収
一般事務を含む事務職と女性全体の平均年収を比較すると、以下のようになります。
平均年収 | |
---|---|
女性全体 | 356万円 |
事務/アシスタント系 | 343万円 |
一般事務 | 345万円 |
dodaが平均年収について調査(平均年収ランキング2023年版)したところ、女性全体の平均年収が356万円であったのに対し、一般事務の平均年収は345万円でした。
一般事務の平均年収が女性全体よりも低くなっている理由としては、一般事務が未経験でも比較的チャレンジしやすい職種であるため、経験年数の浅い人が多いことが影響していると考えられます。
なお、貿易事務、営業事務なども含む事務/アシスタント系全体の平均年収が343万円であることから、一般事務の平均年収は事務職の中では平均的だと言えるでしょう。
より詳しく事務職の年収について知りたい方は、以下の記事をぜひ参考にしてください。事務職の種類別の平均年収ランキングを紹介しています。
事務職の平均年収はどのくらい? 年代・種類別の比較や年収アップのコツも紹介
また、自分が年収が低いと感じた人は、以下のボタンから「年収査定」をお試しください。これまでの経歴と転職者186万人のデータをもとに、あなたの適正な年収を算出します。
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より具体的に一般事務の仕事をイメージできるよう、1日の仕事の流れをご紹介します。以下のスケジュールはあくまで一例ですが、参考にしてみてください。
一口に一般事務と言っても、午前や午後にどのような業務を行うのかは、業種や時期などによって異なります。しかし、基本的には毎日同じリズムで働くことが多いでしょう。
午後は対外的な業務が中心となることが多いため、午前よりも忙しくなる傾向にあります。
しかし、与えられた仕事を定時までに終わらせるというスタイルであり、繁忙期や急なトラブルがない限り、遅くまで残業するようなことはありません。
一般事務の仕事のやりがい
一般事務の仕事は、会社のさまざまな部署の業務をサポートする役割を担っており、多くのやりがいがあります。具体的には以下のとおりです。
- ほかの担当者の業務遂行に貢献できる
- 周りの人から感謝してもらえる
- 工夫次第で業務を効率化できる
- 幅広い業務を担当する中でスキルを身につけられる
一般事務はほかの担当者の業務遂行に貢献できる業務であり、周りの人を助けているという実感がやりがいにつながります。
また、定型業務が多い中で、工夫次第で効率化を図れます。どのようにしたら時短できるのかを考え、実行に移し、実際に業務を効率化できたときには大きな達成感を得られるでしょう。
幅広い業務を経験する中で、ビジネスマナーや基本的なパソコンスキルなど、さまざまなスキルを身につけられる点も一般事務の魅力のひとつです。
自分自身の成長を実感できるため、モチベーションアップにつながります。
船尾
企業の規模によって、一般事務として携わる業務の範囲や内容は大きく異なります。事業規模の小さな企業では、より幅広い業務を担当することもあるでしょう。ほかの部署との連携を通じて、会社全体の動きを把握できる点も一般事務ならではのやりがいと言えるかもしれません。
一般事務に向いている人の特徴
一般事務の求人の中には、未経験の人でも応募できるものがあります。そのため、一般事務は誰にでもできる簡単な仕事というイメージを持つ人もいるかもしれません。
しかし、実際の一般事務の仕事では、多岐にわたる能力が求められます。誰にでもできる、誰にでも向いているというわけではありません。
転職してから後悔しないためにも、一般事務に向いている人の特徴について理解しておきましょう。以下に、一般事務に向いている人の特徴をまとめました。
- 地道な作業が苦にならない
- 期日を守って仕事をミスなくていねいにこなす
- 臨機応変に柔軟な対応ができる
- 人のサポートやこまめな気遣いが得意
一般事務は地道な作業が多いため、それらが苦にならず、期日までにしっかりと仕事をこなせる人が向いています。
ただし、突発的な仕事が発生することもあるため、柔軟に対応することも必要です。
また、他部署の社員とコミュニケーションを取る機会が多いため、コミュニケーション能力があり、こまめに気遣いのできる人も一般事務に向いていると言えます。
より詳しい解説は以下の記事で読めます。どのような人が一般事務に向いているのか知りたい人は、ぜひ参考にしてください。
事務職に向いている人の特徴とは?仕事内容と転職時の注意点について解説
また、自分が一般事務に向いているのかよくわからない人は、ぜひ以下の「キャリアタイプ診断」を受けてみましょう。
あなたの性格や気質、能力の傾向などが分かるので、一般事務の適性を判断する材料になるはずです。
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一般事務は、女性に人気の職種のひとつですが、一般事務ならではの悩みを抱えている人も少なくありません。
一般事務への転職に興味がある人は、入社後に思い悩むことがなくなるように事前に把握しておきましょう。
ルーティンワークが多い
一般事務では、基本的に毎日同じタイミングで同じことを繰り返します。仕事に慣れてくると、そういったルーティンワークが物足りなく感じる人もいるようです。
船尾
ルーティンワークがどの程度あるかは企業の風土などで異なります。企業によっては、一般事務であってもルーティンワークばかりではないところもあるため、さまざまな求人を見てみるとよいでしょう。ルーティンワークの少ない企業の場合、幅広い仕事をマルチタスクでやらせてもらえることもあります。
実績や努力が見えにくい
一般事務の仕事の成果は数値化しにくいため、たくさん仕事をこなしても、それが評価に直結せず悩む人もいます。
また、主に社内のサポートが業務の中心であり、「やってくれて当たり前」と思われがちです。そのような周囲の認識に、もどかしさを感じる人も少なくありません。
船尾
一般事務の場合、実績や努力で評価されにくいのが実状です。実績や収入を重視するのであれば、成果と収入が連動する職種のほうが向いているかもしれません。ただし、それも企業次第です。中には、一般事務でも実績や努力をしっかり評価してくれるところもあります。実績や努力が評価されるかどうかは求人票だけでは読み解くことが難しいため、実際に面接を受けて採用担当者に聞いてみましょう。
給料が上がりづらい
一般事務の仕事は、会社の利益に直接的には貢献しないので、仕事の評価が給料に反映されにくい傾向にあります。
そのため、ほかの職種に比べ、なかなか収入が増えないことに悩む人もいます。
船尾
企業によっては、一般事務でも給料が比較的高いところもあります。とはいえ、そもそも平均年収が低めの職種なので、100万円単位で一気に年収を上げることは簡単ではないでしょう。例えば、現在の年収が250万円の人が350万〜400万円の仕事を希望する場合には、特別なスキル(ビジネス英語、リーダー・マネジメントの経験など)を身につけるか、ほかの職種を検討したほうがよいかもしれません。
一般事務で身につくスキル
一般事務を通して身につく代表的なスキルは、以下のとおりです。
- PCスキル
- コミュニケーションスキル
- ビジネスマナー
- 企業の業務フローを理解する力
- タイムマネジメントスキル
一般事務はPCを使用して業務を行うため、基本的なPCスキルが身につきます。
また、他部署とも連携しながら仕事をすることから、コミュニケーションスキルやビジネスマナー、業務フローを理解する力も身につくでしょう。
一般事務は、データ入力や書類作成など、多岐にわたる業務を決められた時間や期日までに終わらせなければなりません。
効率的に業務を進める必要があり、タイムマネジメントスキルも磨かれます。
こうした基本的なスキルを身につけておくと、ほかの職種への転職もしやすくなります。一般事務として働く際には、これらのスキルを意識して身につけるとよいでしょう。
船尾
一般事務でPCスキルやコミュニケーションスキル、ビジネスマナーなどを身につけられれば、営業事務や管理部門の事務などほかの事務職への異動・転職も可能です。ほかにも、これまで転職支援をしてきた人の中には、スキルを身につけて事務の管理職や、派遣の事務職員をまとめるスーパーバイザーに転職した人もいます。
一般事務のキャリアアップ方法
一般事務の人のキャリアの積み上げ方には、主に2つの道があります。
1つ目は、マネジメントスキルを身につけて管理職になる道です。
ただし、事務職に管理職のポジションがある会社は多くないため、その道を目指すのであれば転職が必要になることもあります。
2つ目は、専門知識を習得して人事・経理・マーケティングなどの専門事務になる道です。
専門事務ではその分野の専門知識が求められるため、関係する資格などを取得する必要が出てくることもあります。
船尾
一般事務は幅広い業務を行うため、専門性を身につけてキャリアアップするというよりも、マネジメントスキルを磨いて人をまとめるポジションにつくことが多い印象です。
転職でキャリアアップを目指すのであれば、管理職への転職、専門事務への転職を問わず、自分の経験を棚卸しし、応募する企業の仕事内容を深く理解することが重要です。また、TOEIC、プログラミング、簿記、MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)、秘書検定などの資格を取得しておくと、応募の際に有利になることがあります。ただし、資格取得だけで採用されるわけではなく、応募資格を満たすというイメージが近いです。
キャリアップについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。キャリアアップの具体的方法について解説しています。
未経験でも一般事務に転職できる?
一般事務の求人の中には「未経験可」と明記されたものもあるので、事務職の中では比較的未経験の人が就きやすい職種と言えるでしょう。
ただし、一般事務は経験者からも人気が高いため、競争率が高くなる傾向にあります。
そのため、派遣社員や契約社員として一般事務の経験を積み、そのあと正社員として転職するというステップを踏む人もいます。
船尾
一般事務は事務職の中でも未経験で挑戦しやすい職種ではありますが、必ず採用されるというわけではありません。事務系の求人のほとんどは欠員補充のための1名採用となっており、倍率が高くなるからです。
さらに、離職した人材と同じようなスキルを持つ人を求めて求人を出す企業が多く、経験者と比べられた場合には採用されないこともあります。
売り上げが伸びている会社であれば、欠員補充ではなく増員目的で求人を出すこともあるので、未経験から正社員の一般事務を目指すのであれば、そういった会社に応募するのもひとつの手です。
一般事務への転職を成功させるコツ
一般事務への転職を目指すのであれば、以下の点を意識して転職活動を進めましょう。
-
転職の目的をはっきりさせる
転職の目的をはっきりさせることは、自分に合った企業や職場を見つける上で非常に重要です。なぜ転職したいのか、どのような仕事をしたいのかを明確にしておくことで、面接での質問にも具体的かつ説得力のある答えを用意できます。
-
自分の強みを理解する
自分の強みを理解することは、アピールポイントを明確にするために欠かせません。一般事務に求められるスキルや経験を持っていることを示せれば、採用担当者に自分の価値を効果的に伝えられるでしょう。
-
自己分析に合わせた企業選びを行う
自己分析で明らかになった自分の強みや目指すキャリアに合致する企業を選ぶことが重要です。単に一般事務の求人があるからといって応募するのではなく、企業の業種、規模、職場環境などを十分に考慮し、自分に合った企業に応募しましょう。
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条件に優先順位をつける
転職には、給与、勤務地、働き方など、さまざまな条件が伴います。しかし、すべての条件を完璧に満たす企業を見つけることは容易ではありません。そのため、自分にとって最も重要な条件を優先的に考慮し、満足度の高い転職を実現することが大切です。
船尾
未経験の人が一般事務として採用されるためには、しっかりと面接対策を行うことが重要です。面接で上手に自分をアピールするスキルは、実際に面接を受けて経験を積むことで身につけられます。いろいろな企業の面接を受け、慣れていきましょう。
また、書類選考の通過率を上げるためには、PCスキルなどの保有スキルを記載することが効果的です。たとえ資格を持っていなくても、スキルを習得するために勉強していることを伝えれば、採用担当者に前向きな印象を与えることができます。
未経験で一般事務への転職を目指す場合、経験者と比べると、不利な立場にあることは確かです。
転職活動を少しでも有利に進めたいのであれば、関連する資格を取得することをおすすめします。
詳しくは以下の記事をご覧ください。おすすめの資格を5つ紹介しています。
まとめ
今回は、女性に人気の職種である「一般事務」についてご紹介しました。
事務職の中では、未経験でも比較的チャレンジしやすい職種です。ただし、経験者との競争もあるため、一般事務として採用されるには準備と対策が欠かせません。
自分の強みを十分に理解し、採用担当者にしっかりとアピールすることが重要です。
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回答したキャリアアドバイザーはこちら
船尾 隆(ふなお・たかし)
【経歴】
入社以来、事務・企画管理・販売サービス職のキャリアアドバイザーとして従事。これまでに300人以上、若手から社会人歴の長い人まで、幅広い年齢層の人の転職活動をサポートしている。
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船尾 隆(以下、船尾)
一般事務は営業職などと比べて残業の少ない職種ではありますが、かといってまったくないわけでもありません。例えば、月末や期末は、日常業務とは別にデータの集計や報告などを行う必要があり忙しくなります。そのため、月に10〜20時間程度の残業はあると思ったほうがよいでしょう。
実際、一般事務の求人が500件あるとすると、月20時間以内の残業を条件にして絞り込んだ場合、求人数は半分程度まで減少します。残業がまったくないという求人は100件以下になるでしょう。残業がまったくないイメージで転職すると、入社後にギャップを感じてしまうかもしれません。