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事務職に就きたい!未経験から目指すときの転職のポイントは?

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公開日:2024/12/10

事務職といえば人気が高く、未経験ではなかなか採用されにくいイメージを持つ人もいるでしょう。でも、最初は誰でも未経験のはずですよね。

今回は未経験から正社員の事務職へ転職するための基本知識や、事務職求人を取り巻く状況、未経験からチャンスをつかむポイントなどについて、キャリアアドバイザーの解説も交えながら紹介します。

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「事務職」の仕事とは?

基本は応対や書類回りなど

一口に事務職といっても、企業や就業形態によって大きく異なります。そのため、この記事では、正社員の事務職として働く場合をメインにご紹介していきます。

まず、事務職が担当する仕事の範囲はとても広く、業界・業種はもちろん、企業によっても千差万別です。

その中で、どんな事務職であっても担当することが多い基本的な仕事には、会社に対する「電話・来客への応対」、請求書や発注書などさまざまな「書類作成」、紙や画像などから文字や数値を読み取り条件に沿ってPCで入力していく「データ入力」、書類を条件どおりに整理し所定のファイルにつづっていく「ファイリング」などがあります。

配属部署によっても仕事が変わる

いわゆる事業会社では、事務職は営業・経理・総務・人事などの部署に配属されるのが一般的です。

営業であれば得意先からの受注書を作成するなどの営業事務、経理であれば給与計算などの経理事務、総務であれば社内文書作成など会社全体のサポートを行う総務事務、人事であれば労務、給与、福利厚生などに関わる人事事務といった具合に、同じ事務職でも配属先によってその仕事内容は違ってきます。

なお、病院などでは「事務部」として事務専任の部署を設けている場合もありますが、こうした部署では医療事務や病院職員の人事事務など、その業種・組織特有の事務の仕事をすることになります。

専門性の高い特殊な事務職も

ほかにも、材料や素材、商品などの輸出入に関わる「貿易事務」、病院や医院などの医療現場で事務処理を担当する「医療事務」、金融機関で書類のチェックや整理、入金管理などを行う「金融事務」、特許に関する事務業務全般を行う「特許事務」など専門性の高い特殊な事務職もあります。

こういった職種は、採用にあたってもそれぞれの分野に応じた高度な資格やスキルが重視されます。

事務職の平均年収は343万円

正社員の年収データを調査した、dodaの「平均年収ランキング」(2023年版)によると、事務/アシスタント系の平均年収は343万円となっており、ビジネスパーソン全体の平均年収の414万円よりやや低めになっています。

また、事務/アシスタント系の年代別の平均年収は、20代の313万円から徐々に上がり、50代で417万円となっています。

「年齢を重ねていった場合の年収の上がり幅」は決して大きいほうではありませんが、年収分布では約2割の層が年収400万円以上となっており、経験やスキルによって平均以上の収入を得ている人もいることが分かります。

事務職は未経験だとハードルが高い?

転職希望者は多いが求人は少ない

ここからは事務職全般の転職支援を得意とするdodaキャリアアドバイザーの伊藤恭子が、未経験から事務職への転職について解説します。

伊藤によると、事務職への転職希望者はかなり多く、その大半が女性だといいます。また、転職希望者が多い一方で、事務職の方は1社に長く勤めることが多く、退職者が少ない傾向があります。これらのことから、事務職は1人当たりの求人数があまり多くないことが分かります。

実際、dodaの「転職求人倍率レポート」を見ても、全体の転職求人倍率(※)が2.75倍なのに対し、事務・アシスタントは0.51倍と、明らかに低くなっています。
※転職求人倍率は中途採用の求人数÷転職希望者数で算出されるため、倍率が低いほど転職希望者1人当たりに対する求人数が少ない。この記事では2024年10月のデータを記載。

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dodaキャリアアドバイザー
伊藤 恭子(以下、伊藤)

こうした事情から、事務職は求人1件当たりの応募者数がかなり多くなるので、まず書類選考が狭き門になってしまうなど、選考通過の難度が高くなっています。

DX推進で仕事内容に変化も

近年、企業では働き方改革に対応するためDX(デジタルトランスフォーメーション)が推進されています。

事務業務でもDXは盛んに取り入れられており、紙の書類を廃止して電子化に踏み切ったり、PCで行っている作業を自動化できるRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を利用し、単純な入力作業や計算などを自動化することで効率化を図ったりしている企業も増えつつあります。

事務職の仕事内容も、これまで手作業だった事務業務に代わってRPAの操作を行うなど、DX推進に伴って変化していくかもしれません。

限られた正社員採用枠、やはり経験者が有利に

このとおり、少ない求人数に多くの応募者が集まり、仕事内容の変化にも柔軟に対応することが求められ…といった状況の中で、事務職未経験の転職希望者を採用しようというケースは多くはありません。即戦力となることが期待できる事務職経験者が有利な傾向にあることは間違いないでしょう。

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伊藤

もし、未経験でもできる仕事内容であれば、正社員採用ではなく派遣社員を選択する企業も少なくありません。あえて正社員を採用する場合、事務職のリーダーになれるような経験やスキル、非常に高いPCスキル、与えられた仕事だけでなく業務改善などを提案できる主体性といった『経験者のほうが有利になりやすい要素』を求められる可能性は高いですね。

事務職はなぜそんなに人気があるの?

では、なぜ事務職は人気が高いのでしょうか。人によって魅力に感じる部分は異なりますが、多くの人は以下のようなメリットを感じて事務職を希望しています。

事務職のメリット

1.時間的な負担が少ない

事務職の仕事はある程度ルーティンワークになっている部分もあり、イレギュラーな業務が発生しづらいので、スケジュール管理がしやすいといわれます。そのため残業があまり発生せず、ワーク・ライフ・バランスを取りやすい面があります。

2.体力的な負担がかかりにくい

販売職などの「立ち仕事」は体力的な負担が大きいと感じる人も少なくありません。一方、事務職はデスクワークが基本なので比較的体力面での負担が少なく、長期的に働きやすいとされています。

3.精神的なプレッシャーが少ない

社外の人とやりとりをすることはあっても、事務職には営業や販売のようなノルマや目標はありません。それだけに、成績によるプレッシャーなどを感じずに働ける面もメリットです。

一方で、事務職として働く中でデメリットに感じやすい部分もあるようです。下記の記事で紹介していますので、確認してみてください。

事務職に向いている人の特徴とは?仕事内容と転職時の注意点について解説

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事務職に求められるスキルは?

事務職として働く場合、どのようなスキルを持っていることが求められるのでしょうか。ここでは必要とされるスキルをいくつかご紹介します。

オフィスソフトなどのPCスキル

書類作成やデータ入力など、事務業務の多くを占めるのがPCを使った作業です。同じ「未経験」であっても、一般的なマイクロソフトのofficeソフトを一通り使うことができる方と、キーボード入力すらおぼつかない方では、まるで評価が分かれます。

特に、Excelなどの表計算ソフトは営業・経理・総務・人事を問わずほぼ必須とされていますから、どの程度扱えるかは採用にあたって重視されやすいようです。

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伊藤

例えば『PCスキル中級』を求めている企業の場合、『ExcelでVLOOKUPやピボットテーブルが操作できる』といった程度のスキルを想定されているケースが多いと感じます。MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)などの資格もスキルの目安にはなるかと思います。ただ、実際に作業をした経験のほうが重視されるため、資格と実務経験の両方をしっかりアピールできるようにしましょう。

コミュニケーション能力

取引先や自社商品・サービスのユーザーなど、社外の方とのコミュニケーションとなる「電話・来客への応対」も事務職の主な仕事のひとつです。

また、一見単独作業のように思える「書類作成」や「データ入力」などでも、社内の依頼者や担当者と作業内容を確認したり、不明点が出てきた場合は問い合わせたりといったコミュニケーションが発生します。

業務に直接関係しなくても、コミュニケーションを通じて前向きな姿勢を感じられる人とは、ぜひ一緒に働きたいと思うものです。

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どういった種類の事務を担当するかにもよりますが、一般的に事務職は社内での調整・橋渡しなどの役割を担うことも多くあります。そのため、円滑な意思疎通や正確な伝達ができるコミュニケーション能力はポイントになってきます。

事務職に活かせる経験

事務職の実務経験があると有利になりやすいということは先にもお伝えしましたが、例えば事務職は未経験でも、コールセンタースタッフなどの経験がある方なら、電話応対のていねいさといった面で大いに期待できます。

こういった経験、特に実務での経験は、未経験で事務職を目指す方は特に大事にしたいところです。

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例えば内勤営業の経験がある方なら、業務の一部として事務処理などの経験があったり、コミュニケーション能力にたけていたりといったことが評価されて、未経験でもチャンスが巡ってきやすいでしょう。

未経験で事務職へ転職するコツは?

前職の経験が活かせる分野を狙う

先ほどのコールセンター経験者のような例であれば「電話や来客が特に多い業種に応募する」、内勤営業の経験者であれば「営業事務を中心に応募する」といったように、前職の経験が活かせる分野の事務職を狙うようにしてみましょう。

事務職は未経験でもこれまでの経験を買われる可能性が期待できます。選考の際にも、こうした経験をしっかりアピールしておきましょう。

ただし、あくまで事務職については未経験ですから「これから事務について学ぶ」意欲を見せることも忘れないようにしたいところです。

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例えば正社員の事務職を受ける際にDXの実績をアピールする場合、DXツールを操作した経験はプラスになります。さらにもう一歩踏み込んで、『ツール導入に携わって業務改善を推進した」「導入にあたり業務フローを見直して効率化を図った』といった経験があると、企業によっては大きなアピールになると思います。

仕事に活かせる専門的な資格を取る

一般事務や営業事務で簿記の資格を求められるということはそれほどありませんが、経理や財務のアシスタントを兼ねた事務職の場合、簿記資格は立派なアピールポイントになります。

また貿易事務のアシスタントや外資系企業の事務職であれば、ビジネス英語の資格やスキルがあることが求められます。

このように、事務職の中でもある程度分野を絞って、関連性の高い資格取得や勉強に励むと、将来のスキルアップにもつながります。

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事務職として働きたい分野に合った資格を持っていると当然有利ですし、取得のために勉強しているだけでもポジティブに評価してもらえます。将来専門的な事務職を目指したいと考えているのであれば、早いうちに勉強を始めておくのがおすすめです。

別の業態や正社員以外も視野に入れる

未経験での転職が難しいと感じた場合、最初から「事業会社の正社員の事務職」ばかりを狙うのではなく、別の業態や正社員以外の雇用形態で「まず事務職の経験を積み、経験者になってから再挑戦する」のもよいでしょう。

例えば、事務業務はアウトソーシング(業務委託)も盛んな分野ですから、まずはアウトソーシングの会社に入社して業務委託で別の企業に常駐し、事務の実務経験を積んでいくといった方法もあります。

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伊藤

未経験で事務職を目指す場合、『まずは派遣や業務委託で事務職としての実務経験を積んでから、転職で事業会社の正社員事務職へ』というキャリアコースを選ぶ方は少なくありません。ほかにもさまざまな希望のかなえ方をご提案できますから、ぜひ私たちキャリアアドバイザーに相談してみてください。

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事務職以外で希望をかなえられる可能性も

場合によっては、事務職以外の職種でも働く上での希望をかなえられる可能性があります。まずは、なぜ事務職に就きたいのかを思い返してみましょう。

例えば「体力的に今よりも楽な仕事をしたい」のであれば、在宅勤務ができるほかの仕事も視野に入ってくるでしょう。「残業が少ない職場で、私服で働きたい」のであれば、コールセンターなどのお仕事も条件に合うかもしれません。

事務職であること自体にこだわらず、一度自分がかなえたいことは何かを整理してみると、転職の可能性が広がるでしょう。

もし、自分一人では考えを整理するのが難しいと感じたら、dodaのキャリアアドバイザーに相談してみてください。これまでの経験の棚卸しや、キャリアプランの作成などのお手伝いをいたします。

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伊藤 恭子イラスト

伊藤 恭子(いとう・きょうこ)

【経歴】
金融業界からの転職で2018年にパーソルキャリア株式会社に入社し、キャリアアドバイザーとして機械・電気のエンジニア、建設業界の技術職の方の転職サポートに従事。現在では主に事務職の方を担当。一緒にキャリアプランを描き、それに向けた支援ができるよう取り組んでいる。

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