35歳女性の転職事情〜データで見るリアル〜
掲載日:2017年5月22日
35歳を過ぎると、プライベートと仕事のバランスを取りながら働いている女性、仕事における自分の得意領域が明確になってキャリアにアクセルを踏む女性など、ワークもライフも多様性が増してくるのではないでしょうか。一方、転職成功者の年齢調査でご紹介している通り、女性の転職年齢も年々上がってきていて、2016年10月〜2017年3月にdodaで転職した女性を年齢別に見ると、4人に1人が35歳以上という結果でした。ここではdodaで転職をした35歳の女性にフォーカスし、職種や年収といったデータとともに転職後に選んだ職種など、35歳の転職のリアルをご紹介します。
35歳で転職した女性ってこんな人
2016年10月〜2017年3月にdodaのエージェントサービスを利用して転職した35歳の女性のデータによると、転職前の職種で最も割合が高かったのが「事務・アシスタント系」で28%を占めました。続いて「企画・管理系」が22%、「IT系エンジニア」が14%と続きました。就業状況を見ると、仕事をしながら転職活動をしていた人が69%。転職回数は、1回が32%、2回が24%で、平均では1.9回でした。
35歳で転職をした女性の転職前の年収は平均447.6万円。割合を見ると400万円台が29%で最も多く、次に300万円台が27%、500万円台が18%という結果でした。
35歳の働く女性のデータいろいろ
2016年6月にビジネスパーソン15,000人に調査したデータのうち35歳の女性の結果を抽出したところ、1カ月の残業時間は平均9.8時間。冬のボーナスは36.5万円、夏のボーナスは33.7万円という結果でした。
35歳の女性が転職後に選んでいる職種は?
転職後の平均年収
512.8万円
- 「企画・管理系」に
転職した人の前の職種
1位企画・管理系(24%)
35歳で転職した女性の転職前の職種で22%を占めている「企画・管理系」。転職後に選んでいる職種としては24%で最も多い割合でした。
人事、経理、総務、経営企画、マーケティングなど多くの専門分野に分かれる「企画・管理系」ですが、dodaのキャリアカウンセリングでは、自分の専門分野の中でさらにスキルを磨いたり、経験を積んだりできる環境を求める人が「企画・管理系」を希望する傾向があります。実際にこの職種に転職した35歳女性の転職前の職種を見ると、約80%が同じ「企画・管理系」。16%を占める「事務・アシスタント系」の方も、「経理事務⇒経理」「人事アシスタント⇒労務」のように、ある専門領域のアシスタントから同じ領域の「企画・管理系」職種へ転職しているケースがほとんどでした。
35歳の女性の転職事例では、マネジメント経験も期待されるように。各分野のエキスパートを目指すか、リーダーやマネジャーを目指すか、企業から求められるキャリアの方向性も大きく2つに分かれる傾向があります。
「企画・管理系」の求人数も2016年度は前年度の1.4倍以上に増えている状況もあり、35歳前後の女性では時短で働くワーキングマザーの転職事例も増えています。また、IT業界の一部の新興企業では、経理・人事・マーケティングなどの経験者に対するニーズが高く、転職を通じて年収アップしているケースも少なくありません。
転職後の平均年収
387.2万円
- 「事務・アシスタント系」に
転職した人の前の職種
2位事務・アシスタント系(20%)
35歳で転職した女性の転職前の職種で最も多かった「事務・アシスタント系」ですが、転職後の職種でも20%で2番目に多い割合でした。育児などのプライベートとの両立がしやすいイメージを持つ人が多く、35歳でdodaを通じて転職した女性のおよそ30%がこの職種を希望していました(エージェントサービス登録時に希望職種として選択)。
ただ、実際にこの職種に転職した35歳女性の転職前の職種を見ると、94%が同じ「事務・アシスタント系」。「販売・サービス系」からの転職事例も「受付」職への転職などで、これまでの経験やスキルを活かして転職している方が目立ちます。
転職後に選んでいる「事務・アシスタント系」職種をより細かく見ると、「貿易事務」や「人事アシスタント」といった専門領域の「事務・アシスタント系」が半数以上でした。35歳前後になると、この職種でも専門性や経験が企業から求められるようになることが分かります。事務の基本スキルに加えて専門知識やスキルなど、アピールできることを準備しておくと良いでしょう。
転職後の平均年収
441.2万円
- 「営業系」に
転職した人の前の職種
3位営業系(10%)
35歳で転職した女性の転職前の職種では7%だった「営業系」ですが、転職後には10%と3番目に多い割合に。「営業系」に転職した35歳の女性の75%が「企画・管理系」「販売・サービス系」からのキャリアチェンジを果たしていました。
「営業系」は職種別の有効求人倍率を見て分かるとおり、他の職種と比較して求人が多い職種。2016年度は前年度のおよそ1.4倍でした。このような企業の採用ニーズの高まりから、フレックス勤務など柔軟な働き方を取り入れている営業系求人が増えており、結婚・出産などのライフイベントを経た35歳前後の女性の転職事例も増えています。また、勤務時間ではなく、売上という実績が評価されることが多いのも、時短で働くワーキングマザーが魅力と感じている点です。「事務・アシスタント系」や「販売・サービス系」の職種と比較すると、平均年収も高い結果になっています。
さらに、金融や不動産、医療系などの特定の領域に特化した営業スキル、またはマネジメント経験や広い社外人脈があると企業から評価され、転職で年収アップするケースも。営業実績に加えて自分にしかないアピールポイントを見つけておくと、転職の幅が広がるでしょう。