40歳女性の転職事情〜データで見るリアル〜
掲載日:2017年7月17日
「四十にして惑わず」の40歳。自分の生き方に迷いがなくなる年齢と言われていますが、実際に40歳女性の転職データや事例では、自分の得意領域や職種に“迷い”がなくなっている傾向が見られます。また、「35歳転職限界説」が崩れたと言われて久しい中、dodaエージェントサービスを利用して転職した40代の方は年々増加。2016年度下半期では全体の16%を占める状況 になってきています。ここでは、dodaで転職をした40歳女性の職種や年収といったデータとともに、転職後に就いた職種など40歳女性の転職事情をデータとともにご紹介します。
40歳で転職した女性ってこんな人
2016年4月〜2017年3月にdodaのエージェントサービスを利用して転職した40歳の女性のデータを抽出したところ、転職前の職種でもっとも割合が高かったのが「企画・管理系」で27%を占めました。続いて「事務・アシスタント系」が16%、「IT系エンジニア」が12%と続きました。就業状況を見ると、仕事をしながら転職活動をしていた人が82%。転職回数は平均2.5回で、2回がもっとも多く、33%を占めました。
40歳で転職をした女性の転職前の年収は平均503.5万円。500万円台が29%で最も多い割合でした。
40歳の働く女性のデータいろいろ
2016年6月にビジネスパーソン15,000人に調査したデータのうち40歳の女性の結果を抽出したところ、残業時間は月平均10.9時間。冬のボーナスは38.7万円、夏のボーナスは35.2万円という結果でした。
40歳の女性が転職後に選んでいる職種は?
転職後の平均年収
585.2万円
- 「企画・管理系」に
転職した人の前の職種
1位企画・管理系(25%)
40歳で転職した女性が転職後に選んでいる職種で圧倒的に多かったのは「企画・管理系」。より細かい職種を見ると、もっとも多かったのが「経理・財務」で27%。次に「商品企画・広告宣伝」といったマーケティング系が19%、そして「人事」17%、「経営企画」12%、「広報」9%と続きました。このような「企画・管理系」に転職した40歳の女性の転職前の職種を見ると、66%が同じ領域の「企画・管理系」でしたが、15%は「経理アシスタント」から「経理」など、同じ領域の「事務・アシスタント系」からのキャリアチェンジでした。ほかにも「ビジネスコンサルタント」から「経営企画」や、「社会保険労務士」から「人事」など、同じ領域の専門職から事業会社の「企画・管理系」へと転職している例も12%を占めました。このように40歳で「企画・管理系」に転職した女性の例を見ると、ほとんどが自分の得意とする専門領域を把握し、その能力を活かせる転職先を選んでいることが分かります。
「企画・管理系」の2016年度の求人数は、前年度の1.4倍以上に増えている状況もあり、40歳前後の女性では時短で働くワーキングマザーの転職事例も増えています。また、専門スキルや経験が評価ポイントになりやすい職種のため、年齢に応じた専門スキルや経験があれば、40歳前後の転職事例ではマネジメント経験がなくても転職している例も珍しくありません。
「企画・管理系」の転職後の平均年収の傾向を見ると、ほかの職種より年齢とともに上がり幅が増していく特徴もあります。例えば、27歳の転職後の平均年収は393.7万円でしたが、30歳では422.1万円、35歳では512.8万円で、40歳では585.2万円になっています。これは年齢とともに培った経験やスキルが企業から評価されているからこそといえます。自分の得意領域を把握し、これまで培った専門スキルや経験などがどのように活かせるかという視点で、次の仕事を見つけてみると良いでしょう。
転職後の平均年収
402.8万円
- 「事務・アシスタント系」に
転職した人の前の職種
2位事務・アシスタント系(13%)
40歳で転職した女性が転職後に選んだ職種として13%を占めた「事務・アシスタント系」。女性から圧倒的人気の職種で、20代〜30代ほど多くはありませんが、dodaを通じて転職した40歳女性のおよそ20%がこの職種を希望していました(エージェントサービス登録時に希望職種として選択)。
40歳で「事務・アシスタント系」に転職した女性の転職前の職種と見ると、91%が同じ「事務・アシスタント系」。ほかの「企画・管理系」からのキャリアチェンジも「人事」から「人事アシスタント」など、経験領域の「事務・アシスタント系」を選んでいました。
転職前の職種40歳の「事務・アシスタント系」での転職事例で特徴的なのは、25%程度が「秘書」であること。「秘書」は「一般事務」などと比べて、40代で転職している割合が目立ち、600万円以上という高年収で転職に成功している事例もありました。ほかにも、「貿易事務」や「金融事務」といった専門性が求められる「事務・アシスタント系」が45%を占めていて、一定の経験やスキルが求められる仕事は、年齢に応じた経験やスキルが評価のポイントとなっていそうです。
職種別に有効求人倍率を見ても分かるとおり、女性に人気が高い一方、企業としては採用人数が限られているため、競争率が高いのが「事務・アシスタント系」の特徴ですが、「秘書」や「金融事務」「人事アシスタント」など、得意とする専門領域があれば、転職の可能性が広がりそうです。
転職後の平均年収
495万円
- 「IT系エンジニア」に
転職した人の前の職種
3位IT系エンジニア(10%)
40歳で転職した女性が転職後に選んでいる職種で3番目に多かったのは「IT系エンジニア」。もともと女性割合の少ない職種ですが、40歳の転職成功者に絞ると10%の割合を占めていました。
転職前の職種「IT系エンジニア」は、2017年4月の職種別の有効求人倍率が7.82(全体2.56)となっていることからも分かるとおり、ほかの職種と比較して圧倒的に求人が多い職種。しかも企業の採用ニーズは高まる一方で、2016年度の求人数は前年度の約2倍に増加しています。そんな超売り手市場の状況もあり、40代の女性でも年齢に応じた専門スキルやマネジメント経験などがあれば、転職を実現していて、平均年収も「事務・アシスタント系」などと比較して高いのが特徴です。
IT系エンジニアといっても、「社内SE」「アプリケーションエンジニア」など、領域や職種が細かく分かれていますが、40歳女性の転職事例を見ると転職前と同じ領域や職種を選んでいる方がほとんど。これまでの経験を活かせる転職先を選んでいることが分かります。企業からも、この年齢層になると即戦力で、かつ現場を引っ張っていけるプロジェクトマネジャー的人材が求められるようになります。専門スキルに加えて、プロジェクトを牽引するマネジメント経験などがあると、より良い条件で転職先が見つけられるかもしれません。一方で、領域や専門スキルが細分化されている職種なので、これまでの自分の経験やスキルにマッチした求人が見つかるまで、あせらず転職活動を進めてみましょう。