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未経験で経理に転職は難しい? 役立つスキルや資格、転職成功のポイント!
公開日:2023/11/30
経理の仕事に興味はあっても、「未経験だと難しいのかな…」と、不安に感じている方も多いのではないでしょうか。しかし、未経験でもしっかり対策を講じれば、経理への転職は不可能ではありません。今回は、転職支援の実績が豊富なdodaのキャリアアドバイザーに聞いた、未経験でも経理に向いている人の特徴、経理への転職時に有利になる資格やスキルなど、未経験での転職成功に欠かせないポイントを解説します。
未経験で経理に転職するのは難しいって本当?
経理は未経験での転職が難しいといわれることがありますが、それはある程度事実です。なぜなら、即戦力を求められることが多く、専門知識が必要になったりするからです。
だからといって、未経験者がまったく採用されないわけではありません。企業側が求めるスキルを把握し、必要な資格を取得したり、面接でのアピール方法を工夫したりするなどしっかりと対策すれば、未経験でも転職できる可能性が高まります。
そこで、より詳しい話を経理職全般の転職支援実績が豊富なdodaキャリアアドバイザーの藤岡洋美に聞きました。
未経験で経理に転職するのが難しい理由
未経験者が経理に転職しにくい理由はすでに述べましたが、もう少し詳しく見ていきましょう。
即戦力が求められている
経理では即戦力となる実務経験者が求められています。
業務内容が専門的
実務経験に加えて、簿記の知識や会計ソフトの入力など、専門的な知識が必要になるのも経理の特徴です。
藤岡
会計システムの仕訳入力や簿記の知識は最低限必要なスキルです。一般事務の経験があり、なおかつExcelやWordが使えたとしても、それ以上に会社が使用している会計システムを扱えるかどうかが重視されます。
未経験での転職についてもっと知りたい方は、ぜひ以下の記事を読んでみてください。きっと参考になりますよ。 Q.未経験でも挑戦するか、経験を活かすべきか悩んでいます。
経理の仕事内容は?
経理というと、「お金の計算をする部署」というイメージがありますが、実は会社の規模によって業務内容が多岐にわたります。
経理の目的は、会社のお金の動きを把握し、会社の活動を数字で表すこと。バックオフィスなので華やかなイメージを持つことは少ないかもしれませんが、会社の経営判断を左右する重要な部署です。
それでは、経理の主な仕事内容を詳しく解説します。ただし、下記の分類はあくまで一例です。会社の規模や体制によっては異なる場合があるので注意しましょう。
財務会計
財務会計は、会社の経済状況や財務状況を報告することが目的です。会計ソフトへの仕訳入力、伝票起票、売掛金・買掛金管理、小口現金管理、経費精算、支払管理、固定資産管理、債権債務などがベーシックな日次業務にあたります。そのほか、月次決算や四半期決算、中間決算、年次決算などさまざまな区切りで会計処理を行います。
財務
財務は、今現在、会社にあるお金を管理する仕事です。財務会計と名前は似ていますが、取り扱う内容は異なります。主な業務内容としては、資金管理、資金繰り表作成、資金調達、財務分析、財務戦略、銀行に預けているお金に関する銀行折衝などです。
管理会計
管理会計は、経営企画につながる業務です。会計の数字を分析し、会社の課題や将来の計画策定を検討します。主な内容としては、中期経営計画、予実管理、財務分析、原価計算(主にメーカーで発生)などがあります。
税務
税務とは、その名のとおり会社が国に納付すべき税金を計算し、申告する仕事です。会社のお金の流れを把握し、決算書を作成した後で、国に納税します。税務の主な業務内容としては、納税申告書の作成、上記それぞれの会計と税務会計とのずれの調整などです。
なお、経理の仕事については、以下の記事でも詳しく解説しています。 経理/財務/税務/会計とはどんな職種?仕事内容/給料/転職事情を解説【doda職種図鑑】
経理の平均年収は?
- 全職種の平均年収
- 403万円
- 経理の平均年収(全体)
- 507万円
- 経理の平均年収(男女別)
- 女性439万円男性553万円
- 経理の平均年収(年代別)
- 20代 387万円30代 495万円40代 590万円50代~ 684万円
次に経理の平均年収を見ていきましょう。dodaの2022年版「平均年収ランキング」(正社員のみ)によると、経理の平均年収は507万円で、全職種の平均年収(403万円)よりも100万円以上高い水準となっています。
年代別の平均年収を見ると、20代は全職種の平均年収よりも低いものの、キャリアを積んだ30代以降になると大幅な年収アップが見込めるようです。
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未経験でも経理に向いている人の特徴は?
以下で紹介するような人は、未経験でも経理に向いている傾向があります。しっかり対策をすれば、転職できる可能性が高まるでしょう。
数字に苦手意識を持っていない
経理は数字を取り扱う業務が多いため、数字に苦手意識のないことが大前提になります。
藤岡
経理職に就いている人の多くが、「数字がぴったり合ったときに達成感があります!」と言うんですよね。数字に対して苦手意識がなく、細かい計算を苦に感じない人は経理に向いているといえます。
数字で会社の動向を理解することに興味がある人
数字にかかわる仕事に携わったことがある人は、経理の仕事に興味を持ちやすいでしょう。
藤岡
例えば、過去に売り上げにかかわる仕事をしていた人が、「会社の状況が数字から読み取れることに面白さを感じた」「数字の分析をして会社の事業に貢献したい」という理由で経理に興味を持ったというケースもありました。そのほか、大学で経済を学んだ経歴があるなど、一見すると経理とは関係なくても、数字を通して物事を見ることに興味がある人は経理の仕事にも向いているかもしれません。
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未経験でも経理への転職を成功させるには?
それでは次に、未経験でも経理への転職を成功させるコツをご紹介します。
役立つ資格・スキルを習得しておく
会社の経営成績や財務状況を明らかにする技能の「簿記」や、入力作業時に必要になるExcelスキルを習得しておきましょう。
藤岡
未経験で経理に転職するのであれば、簿記2級の取得は必須です。まずは3級から始めて、基礎が身についたら2級にチャレンジするのがおすすめですよ。今はオンライン受験ができるので、人によっては申し込みから最短1ヵ月ほどでの取得も可能だと思います。また、Excelの中でも中級くらいのスキルといわれている、VLOOKUPやSUMIFなどの関数、ピボットテーブルが使いこなせるなら、これもアピールポイントになるでしょう。
経理を志望する具体的な理由を整理しておく
面接では、なぜ未経験の経理を志望するのか具体的な理由が求められます。
藤岡
経理にかぎった話ではありませんが、抽象的な説明は受け入れられにくいです。面接で志望理由を聞かれたときに、「なぜ未経験で経理になりたいのか」という具体的な理由を答えられるように準備しておきましょう。例えば新卒1~2年目で、希望していた経理職に配属されなかったという場合は、「実は新卒からずっと経理を目指していて…」とアピールするとよいでしょう。
ポータブルスキルもアピールする
ポータブルスキルとは、業種や職種が変わっても役立てられる職務遂行上のスキルのことです。
藤岡
経理では実務的なスキルのほうが優先度は高いのですが、実務以外のスキルを持っていることも大切です。どの仕事にもいえますが、経理の仕事でも人柄などが活きる場面があります。コミュニケーション力などの一般的なビジネススキルも+αでアピールできるとよいですね。
なお、ポータブルスキルの必要性と身につけ方については、以下の記事で詳しく解説しています。 ポータブルスキルの身につけ方が分からない
未経験で経理への転職を考える際の注意点
ここまで、未経験で経理に転職する場合のポイントについて紹介してきましたが、最後に未経験者が経理への転職を考える際に、主に仕事との向き合い方の点で留意しておきたいことがあります。
それは、数字と向き合うだけが経理の仕事ではない、ということです。経理は数字を取り扱うのが仕事ですが、人とのコミュニケーションが求められる仕事でもあります。
藤岡
例えば領収書の納期を守るように社員に催促するなど、会社によっては社員と交渉しながら業務を遂行しなければならないこともあります。上手に指示を出してコミュニケーションを取れるような対人スキルが経理にも求められるのです。
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未経験をスキルや知識でカバーしよう!
未経験で経理に転職するには、簿記の資格やExcelスキルなど、実務経験がない分企業側にアピールできる資格やスキルが必要になります。さらに、会社の活動をすべて数値化する綿密さや、会計・税務などの専門知識も必要になります。転職活動を機に新しいスキルや知識を身につけて、理想のキャリアに一歩近づきましょう。
また、未経験で経理に転職を考えている人には、dodaのキャリアアドバイザーに相談して情報収集しながら転職活動を進めるのもおすすめですよ。
dodaエージェントサービスでは、キャリアアドバイザーによる求人紹介や書類作成・面接のサポートなどを受けられます。プロの意見を取り入れることで、キャリアの選択肢がぐっと広がるかもしれません。まずはお気軽にご相談ください。
回答したキャリアアドバイザーはこちら
藤岡 洋美(ふじおか・ひろみ)
【経歴】
新卒で建設業界のサブコンへ入社し、設計・積算・施工管理・入札プレゼンを経験した後、人材紹介会社で医師のキャリアアドバイザーを経て、パーソルキャリア株式会社へ入社しました。入社後は一貫して、会計領域のキャリアアドバイザーとして、年間300人を超える方のカウンセリングを実施、転職活動のサポートを行っております。
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dodaキャリアアドバイザー
藤岡 洋美(以下、藤岡)
経理の仕事に有利な資格として「簿記」がありますが、実は転職市場では、簿記の資格を持っている方よりも経理の実務経験がある方のほうが有利とされています。経理の現場では会計システムへの仕訳入力など、テクニカルスキルが求められるので、実務経験が非常に重要なのです。資格があると有利ですが、それ以上に実務ができなければ難しい仕事といえるでしょう。