#014
2019.7.15
Q.専業主婦は“無職”なのかな?
働く女性はどう思っているの?
#働く女性の声
専業主婦も「家事労働」をこなす「働く女性」?
「#働く女性の声」から、当事者の声と世間の認知を探ってみました。
専業主婦と働く女性は対立構造ではない
保険料の納付義務がない第3号被保険者にあたる“専業主婦”。厚生年金や共済組合に加入している第2号被保険者(夫)に扶養されている配偶者なら、自身が納付しなくても年金はきちんともらえます。
このことに対し、納付義務がある第1号被保険者や第2号被保険者にあたる“働く女性”と、“専業主婦”の対立構造を恣意的に生み出し、女性の分断を誘発するようなネット記事が出回りました。
その結果、Twitterを中心に多くの意見が飛び交い、双方の本音があらわに。ですがそこには対立構造とは真逆の意見が集まり、専業主婦の“見えない労働”に関して多くの女性がリスペクトを持っていることが分かりました。
望んで専業主婦になった人、専業主婦を選択するほかなかった人、専業主婦願望があるけど働いている人…事情はそれぞれある中でそれぞれが懸命に生きていることを、いま一度理解する必要があるのかもしれません。
「#働く女性の声」「#無職の専業主婦」のハッシュタグから、当事者の声と世間の認知を探ってみます。
「#働く女性の声」「#無職の専業主婦」に集まる女性の本音とは
まずは専業主婦の声から見ていきます。
「産休や育休制度がないから仕事を辞めました。ですが、仕事をしていないと認可保育園にも預けることができません。夫は仕事柄帰宅が遅いため、家のことはすべて私。体が弱い義母もいて、ワンオペ育児と家事、介護のトリプルコンボで日々めまぐるしいです」
本人の意思とは裏腹に、専業主婦になった人も多い模様。そして、なかなかシビアな現実を抱えているケースもあるようです。これに対し、働く女性はどのように思っているのでしょうか。
「会社員は休憩時間もあるし休日だってある。だけど、お子さんがいる専業主婦って365日無休で、給料だって出ない。専業主婦の中には大変な環境で働いている人もいる。専業主婦の家庭内労働を決して当たり前だと思ってはいけないと思います」
「私は職業・会社員、専業主婦の方は職業・専業主婦で、単に業種が違う。働く場所が会社であるか、自宅であるかの違いだけです。専業主婦の方はフルタイムハウスワークを日々こなしていますよね。だから私たちはみな等しく“働く女性”だと思っています」
「そもそも会社で働いているかどうかで女性を区分する必要はないと思っています。ぶっちゃけ手を抜いている会社員だっているし、猫の手も借りたい専業主婦だっている。肩書で判断するのではなく、何をもって働いているというのかが重要なのでは」
すべての女性がみな“働く女性”なのだという意見が多く見られました。専業主婦の年金問題をきっかけに、女性同士の分断どころか、かえって女性たちの団結力やリスペクトが強まったように思えます。
無償労働である家事、もしお金に換算するならいくらになる?
実際のところ、専業主婦の家事・育児などの無償労働は、お金に換算するといくらになるのでしょうか?
内閣府の最新調査「無償労働の貨幣評価」(平成30年12月)によると、専業主婦の家事の年間活動時間は2,100時間、年収にすると304万5千円に相当するのだそう。
一方、doda「女性の平均年収ランキング」によると、正社員として就業する20代女性の平均年収が319万円、30代女性が382万円でした。これらのデータからみても、専業主婦の“見えない労働”は、市場を介した経済取引はないものの、家族を支える立派な労働であると言えそうです。
まとめ
- #働く女性の声、#無職の専業主婦、その本音と実態は…
-
・ 立場が違うだけで、みな同じ“労働者”であるという女性の声が多数
・ 専業主婦の家事の年間活動時間は2,100時間、年収304万5千円に相当する
ということが分かりました。
社会との関わり方や働く場所、内容が違うだけで、会社で働く女性も専業主婦も労働者。お互いにねぎらいの気持ちがあることが垣間見られた今回の年金問題ですが、これを機に“働くとは何か”について考えてみるといいのかもしれません。
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<参考>
・内閣府経済社会総合研究所 「無償労働の貨幣評価」(平成30年12月) 無償労働の貨幣評価に用いた基礎統計と推計結果
「バリバリ働いていた会社員でしたが、夫の転勤や出産が重なり、仕事を辞めていったん専業主婦になりました。キャリアの中断は正直つらいです。どちらも経験している私から言わせてもらうと、“無職の専業主婦”と“働く女性”は同一人物なのではないでしょうか。それに、どんな女性もどちらにもなる可能性はありますから」