#067
2024.04.09
Q.仕事が雑用ばかりで退屈。
もっと活躍して評価されるには?
誰でもできるような雑用
毎日同じことの繰り返し
もっとやりがいのある仕事がしたい…
任される仕事は雑用ばかり。やりがいを感じられないどころか、つまらないし、スキルアップも見込めない…。そんな気持ちを抱えながら職場で働いている人も少なくないのでは?
実際のところ、「女性だからってお茶くみやコピー取りをやらされる」(26歳・事務)という古いジェンダー観による慣習で雑用を頼まれる人もいる一方、「調整仕事ばかりで技術が身につかない」(32歳・エンジニア)といった専門職の成長の停滞を嘆く人もいるようです。
そんな現状を打破するべく、dodaキャリアアドバイザーの時田絵里奈が、仕事で雑用ばかり任されると感じている人にアドバイスをします。
雑用も重要な仕事の一つ
そもそも、誰でもできるような雑用ばかり任されることは、良くないことなのでしょうか。
dodaキャリアアドバイザー
時田絵里奈(以下、時田)
会社は自分がいなくても回るのが健全な状態です。雑用はもちろん、すべての仕事には代わりができる人がいなければなりません。ですから、誰でもできるような仕事をしていることを気に病む必要はないですし、もっと誇りに思ってください。
雑用と思っている作業があってこそ仕事が成り立っているので、どんな雑用でも重要な仕事だと考えてよいでしょう。
雑用を無意味なものと感じたり、ほかの仕事と切り分けて考えたりする必要はないようです。
職場の状況によってはやむを得ず雑用の担当が特定の人に偏ってしまうことはあります。
ただ、雑用の任され方があまりにも不平等だと感じる場合は、職場内のハラスメントを疑ってみてもいいかもしれません。
例えば、「女性は結婚や妊娠で辞めてしまうことが多いから、という理由で雑用ばかり命じられる」「明らかに自分だけが、長期にわたって雑用を押し付けられている」という場合は、ジェンダーハラスメントやパワーハラスメントに該当すると考えられます。
こうした状況に当てはまる人は、社内の相談窓口や社外の専門機関に一度相談してみることをおすすめします。
実は雑用自体が問題ではないケースも
時田
やりたいことが明確にあるわけではないけど、雑用は嫌という人もいるでしょう。なぜ嫌だと感じるのか、まずは自分で考えてみましょう。一つの例として実は雑用という業務が嫌なのではなく、雑用をしても誰からも評価されないのが嫌だということが考えられます。
もし、誰からも感謝されないことが原因なら、業務改善を訴えるより、まずはきちんとやってきたことの報告から始めてみるとよさそうです。
時田
長期的に見れば、あえて雑用をこなして信頼貯金をためるのも一つの手。工夫して効率化を図り完璧にこなしていけば、評価されるようになって別の仕事も回ってくる土台ができるでしょう。
とはいっても、やはり今の状況から早く抜け出したい、もっと雑用以外の仕事を任せてほしいと思う人は、次の3つの方法を試してみてください。
解決法①「雑用も含め仕事の内容を棚卸ししてみる」
雑用も含め仕事をする上で大切なのは、「目的を理解すること」。今、自分が取り組んでいる業務が、どんな目的に向けたものなのかを理解すると、納得感が生まれるようです。
時田
雑用も目的があって発生しています。雑用の目的が分からずにただこなしているだけだと、つまらない業務という認識から抜け出せません。まずは、どのような目的のためにこの仕事が発生しているのか、仕事の内容を棚卸ししてみるとよいでしょう。
業務を細かく把握することで、何が嫌で、何をやりたいと思っているのかも見えてくるそう。
また、ルーティンだと感じている業務も、角度を変えてみれば、まだまだやれることはたくさんあることに気づくでしょう。
時田
例えば資料作成一つ取っても、『この資料を用いたプレゼンで数百万規模のお金が動くことになるんだ』と思えれば、大きなやりがいを感じることができると思います。資料作成のその先を想像してみるだけで、その大切さに気づくはずです。
そして、明快で説得力のある資料作成をしようと思えれば、いろいろ工夫すべきことが分かってくるのではないでしょうか。
また、雑用が特定の担当者に依存しないように、いつでもほかの人が業務を引き継げるようにするためのマニュアルを作成しておくことも有効だそうです。
解決法②「上司に仕事内容を相談してみる」
自分がどうしたいか、やりたいことが明確にあるのなら、社内転職など現職の中で実現できる道はないか情報収集してみましょう。その上で、実現できそうなのであれば、上司に相談してみるといいそうです。
時田
黙々と雑用をこなしているだけだと、『雑用を苦だとは思っていない』『今の業務内容を任せていて問題ない』と認識されて、そのまま同じ業務ばかり任され続けてしまう可能性もあります。
言わないと伝わらないので、まずは上司に伝えてみましょう。
伝え方にもコツがあります。単純に「雑用は嫌です」とやりたくないことや不満を伝えるのではなく、やりたいことを伝えるのが重要なのだとか。
さらには査定のタイミングで報告できるようにやってきたことを記録し、それもあわせて伝えると説得力が増します。実績をもって前向きに伝えれば、相手に与える印象も、その後の協力体制も変わってきそうです。
解決法③「転職も選択肢の一つとして検討してみる」
現職でやりたいことがかなわないなら、転職を検討してみるのも選択肢の一つです。
転職先でも同じことの繰り返しにならないよう、自分に合った職場かどうか見分けるためのチェックポイントを教えてもらいました。
自分に合う職場を見分けるポイント
① 採用ポジションの組織構成
② 期待されている役割・メイン業務
時田
まず、仕事を選ぶ際に①をできる範囲で事前に確認してみましょう。役職者の男女比率、組織の年齢構成や人員構成などを知ることで、性別や年齢、ライフステージにかかわらずフラットに仕事の機会が提供されているか参考にできるでしょう。
また②では、『そもそもサポート業務や調整業務をメインにお任せしたかった』というケースもあるので、求められている役割をしっかりと求人情報で確認するだけでも、お互いのミスマッチが防ぎやすくなるでしょう。
このようなポイントを押さえた上で、面接の場で知りたいことをうまく質問して確認できるように、事前に対策をしておきましょう。確認の仕方のコツは次のとおりです。
面接で聞きたいことを確認するコツ
時田
まずは意欲的に働きたいという目的や意思を前面に出しましょう。自分の考えを伝えないと、入社してもチャンスは与えてもらえませんから。
そして、どんな立場に置かれた人でも活躍できる会社であることを確認するには、枕ことばが重要。『やらせていただくからには盛り上げたいと思っている』などと前置きした上で、性別や年齢を問わず、平等に機会が与えられているか確認してみてください。
転職活動をスムーズに進めるには
転職を考え始めたきっかけが「雑用ばかりの仕事から脱したい」であったとしても、ネガティブな動機だけでは転職活動はなかなかうまくいきません。
将来のキャリアプランを明確にし、自己分析や情報収集を十分に行った上で計画的に進めていくことが大切です。
現職を続けながら転職活動をするなら、プロのサポートを受けて自分に合った求人を効率よく探すことのできる、転職エージェントサービスの利用がおすすめです。
手続きの代行やキャリア相談も無料で利用できるので、転職を考えている方はぜひ活用してみてください。
まとめ
- 仕事が雑用ばかりで退屈。もっと活躍して評価されるには…
-
・雑用も次のフェーズへステップアップするための重要な仕事と認識する
・業務内容を棚卸ししてみる
・上司に相談してみる
・それでもダメなら転職を検討してみる
まずは現職でできることを探してみて、今よりもっと成長したいと思ったのなら転職を検討してみるといいのかもしれませんね。
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識者プロフィール
- 時田絵里奈
dodaキャリアアドバイザー - IT業界の職種を中心に幅広く転職サポート経験があり、これまで2,000人以上のキャリアカウンセリングの実績を持つ。2016年に長男を出産。働き方を変えたい、ワーク・ライフ・バランスを改善したい女性の転職サポートに強みを持つ。