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女性のモヤモヤを解消する100問100答

#082

2021.04.05

Q.人生100年時代だからこそ“健康”が大事!…
だけど今の働き方で大丈夫なのかな?

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元気に働き続けたい!
そのために何をすればいいの?

“人生100年時代”といわれる現在、やりがいのある仕事や働きやすい職場を探すのと同様に、元気に働き続けられる方法を考えることはとても大切です。とくに女性は、妊娠・出産を考える場合、正しい医療情報をもとに自分の体と向き合う必要があります。

「人生100年時代の女性の働く 特集」である本記事は、ヘルスリテラシーを高めて健康で働き続けるための方法を紹介。企業や行政機関で産業医を務める堤多可弘先生にアドバイスしていただきました。

働くうえで見落としがちな大切なこと

キャリアアップややりがい、待遇、働きやすさなど、仕事に求めるものは人によって異なります。

とくに体力のある若いうちは、多少無理をしてもがんばって働いてしまいがち。目の前の仕事に追われ、自分の体について考えるのは二の次になってしまうかもしれませんが、これからも元気に働き続けるために「健康でいること」はとても重要です。

堤多可弘

堤多可弘先生(以下、堤先生)

たとえば、糖尿病や高血圧、動脈硬化などの生活習慣病は、長年の生活習慣の積み重ねから発症することが多いため、今のうちから意識する必要があります。また多くの女性の悩みの種である緊張型頭痛も実は習慣から悪化しやすいものの一つ。運動する習慣をつけたり、冷え対策をしたりすることで、改善できます。

中長期的に働き続けるためにはもちろん、短期的にパフォーマンスを向上するためにも、若いうちから健康維持に取り組むことが大切です。

健康診断だけじゃ見抜けない!? 女性がかかりやすい病気

年齢によって体に起こる変化やリスクが異なります。今回は働き盛りの20代後半~30代前半の女性がかかりやすい疾患を挙げてもらいました。

  • ・頭痛(緊張型頭痛、偏頭痛)
  • ・子宮内膜症
  • ・子宮筋腫
  • ・子宮頸がん
  • ・乳がん
  • ・うつ、不安障害
  • ・PMS/PMDD

この中でもとくに、月経に関するトラブルが多いといいます。

堤多可弘

堤先生

メンタルクリニックを受診された方によくよく話を聞いてみると、月経周期の乱れや月経痛やPMSがひどくなるなどの症状を抱えているケースが多いです。コロナ禍では、とくに増えている印象を受けます。

月経痛やPMSに悩まされている女性のなかには、医療機関を受診せずに我慢している人も少なくないといいます。

堤多可弘

堤先生

「生理痛や生理前の不調は仕方のないもの」と最初からあきらめてしまっている人もいます。痛みや不調を我慢せずに、産業医に相談するか婦人科を受診してほしいですね。

日常生活に支障をきたすほどの月経痛の場合は、「月経困難症」の可能性もあるそう。かかりつけの産婦人科を決めておくと、月経時のちょっとした不調も相談しやすくなります。

さらに40代~50代になると、更年期障害や生活習慣病、子宮体がん、乳がん、大腸がん、胃がん、肺がんなどの疾患が現れる可能性も。そうした事態に備えて、将来を見据えた働き方にシフトする必要があります。そのためには、ヘルスリテラシーを高めることも重要です。

健康で働き続けるために重要な「ヘルスリテラシー」の高め方

そもそも、ヘルスリテラシーとは、「健康や医療に関する情報を効果的に活用できる能力」を指します。多角的にアプローチする方法を堤先生に教えてもらいました。

ヘルスリテラシーの高め方①:正しい医療情報を見分けられるようになろう

ネットで気軽にアクセスできる医療情報には、必ずしも正しい情報だけが掲載されているわけではありません。正しい情報を入手するためにはどうすればいいのでしょうか。

堤多可弘

堤先生

まずは、厚生労働省や研究機関などの公的機関が発信する情報をチェックしましょう。情報にたくさん触れて、ヘルスリテラシーを養うことが大切です。たとえ“医師監修”とあっても一サイトに掲載された情報をうのみにせず、複数の専門家の意見を確認します。何度かチェックしているうちに、「あの先生はこう言っていたけど、ほとんどの先生は違う意見を言っている」と違和感に気づけるはずですよ。

最近は、医師がSNSで活発に医療情報を発信しています。専門分野について発信している医師をSNSで何人かフォローしておくと、チェックしやすくなりそうです。

ヘルスリテラシーの高め方②:定期検診を受けよう

病気の早期発見につながる定期検診や健康診断も大切です。また、受診以外にも大事なポイントが。

堤多可弘

堤先生

定期検診や健康診断の結果に記載されたコメントを見て分からないことがあれば、かかりつけ医や産業医などに聞いてみましょう。

そのほかにも、健康に働き続けるためには、日ごろの食生活も大きく影響します。食べることが楽しみや気分転換になっていればいいのですが、そうでない場合は注意が必要です。

堤多可弘

堤先生

極端な食事制限や暴飲暴食も生活習慣病につながりかねません。とくにコロナ禍はストレスがたまりやすく、甘いものや辛いもの、ジャンクフードを食べすぎるなど嗜好の変化が現れやすくなっています。

なかには、おなかがすいていないのに手持無沙汰で食べてしまうケースも。手持ち無沙汰なときは、握ってストレス解消ができる“にぎにぎボール”のようなグッズを活用すると、気が紛れますよ。

また、適度な運動や30分程度の散歩も気分転換にいいとのこと。散歩の場合は、毎日違うコースを歩くと新たな発想が生まれやすく、仕事においてもメリットがあるそうです。

ヘルスリテラシーの高め方③:自分の黄色信号を知ろう

生活面の見直しや上司への相談など、不調を感じたときにできる方法はいくつかあります。しかし、「対処法を選べるのは、自分で自分をコントロールできる状態にあることが前提です」と堤先生はいいます。

堤多可弘

堤先生

限界ラインを超えると視野が狭まってしまい、本来あるはずの改善策が見えなくなってしまいます。そうなる前の段階で対処しましょう。

日々の生活の中で、疲れやストレスがたまると、“ドカ食い”をしたり、月経に異常が出たり、眠れなくなったりするなどの変化が現れると思います。まずは、“自分の黄色信号=調子が悪いときのサイン”を知り、ブレーキをかけられるようにしましょう。

黄色信号を感知したら、軽い運動をする、上司や産業医に相談するなど、不調のレベルに合わせた対処法を選択してください。

さらには、仕事もプライベートも含めたスケジューリングと両軸で行うと、より効果的なのだとか。

堤多可弘

堤先生

習いごとや休日の予定なども仕事と一緒にすべて同じ予定表に入れましょう。黄色信号を感じたときにこのスケジュールを見返すことにより、「自分は土曜日に休まないと調子が悪くなる」などの不調になりやすいポイントに気づけます。そうすれば、「土曜日はスマホの通知を切っておく」など、取るべき対策も分かりますよね。

不調の傾向を知り、限界ラインが来る前に対策を練る。“自分の取扱説明書”をつくるようなイメージで取り組んでみましょう。

不健康な環境にいる人はどうしたらいい?

今の働き方を見直して不健康だと感じたのなら、働き方を改善しましょう。そのとき、上司に相談するポイントはあるのでしょうか。

堤多可弘

堤先生

上司に相談するべき不健康な状態とは、プライベートの予定が常に仕事で侵食されてしまっているときです。あなたのキャパを超えた仕事量が発生しているため、業務量や仕事のスケジューリングの見直しについて、上司に相談しましょう。効率的な働き方やスケジュールの組み方については、上司のほうがよく知っているはず。“教わらない手はない”です。

「仕事が終わらないから休日返上で働く」のような無理をしていては、心身ともに疲弊してしまいます。元気に働き続けるためには、しっかり休む時間も必要です。

堤多可弘

堤先生

働いている人間がストレスを感じるポイントは、大きく分けて「業務の量と質」「環境」「人間関係」「プライベート」の4つです。この足し算の結果として、心身の不調が現れています。眠れない、“ドカ食い”をしてしまうなどの“食う・寝る・遊ぶ”がおびやかされるときや、頭痛や月経異常などの体の不調を感じたときには、産業医に相談しましょう。

このような不健康な働き方がまかり通っている職場に勤めている人の中には、自分の努力だけでは職場の体質や悪しき慣習を変えられないこともあるでしょう。そのようなときはどう対処したらいいのでしょうか。

堤多可弘

堤先生

働き方の見直しや“黄色信号を知る”など、あらゆる方法を試しても改善されない場合は、転職を考えるタイミングだと判断していいでしょう。

自分にかかる負荷が重くなりすぎてしまったときには、キャリアアドバイザーに転職の相談をしてみるのも一案です。

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まとめ

“人生100年時代”だからこそ、元気で働き続けるためには?

女性は月経に不調が現れやすいので、月経に異常を感じたら産婦人科を受診する

公的機関が発信する情報や複数の医師の意見をチェックし、正しい情報を見極める目を養う

自分の黄色信号を知り、早めに対処する

仕事とプライベートをすべて同じ予定表に入れ、働き方のバランスや不調の傾向を把握する

長い人生、無理して働き続けて体調を崩さないためには、心身の不調に早めに気づき、対処することが大切です。情報の精査や“自分の取扱説明書づくり”など、さまざまなアプローチから自分にかかる負荷を軽くしていきましょう。

(参考)
・厚生労働省研究班監修「女性の健康推進室 ヘルスケアラボ

Profile

識者プロフィール

堤多可弘

堤多可弘(つつみ・たかひろ)
精神科医、産業医。弘前大学医学部卒業後、東京女子医科大学精神科で助教、非常勤講師を歴任。現在はVISION PARTNERメンタルクリニック四谷の副院長と、健康経営コンサルティング企業である株式会社Appdateの取締役を務めるとともに、首都圏および青森県の企業や行政機関の産業医を10カ所以上担当。ブログや著作、研修などを通じて、メンタルヘルスや健康経営、産業保健の情報発信も行っている。共著に『企業はメンタルヘルスとどう向き合うか―経営戦略としての産業医』(祥伝社新書)。
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