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2021.03.29
Q.コロナ禍だけど転職したい…
女性が見るべき転職先のポイントや決め方が知りたい!
先行きが不透明だけど、
こんな世の中でも転職できるのかな?
新型コロナウイルス感染拡大で、社会全体が大きな影響を受けています。今の会社で働き続けられるのか不安を覚えても、このタイミングでの転職に迷いを感じている人も多いのでは?
本記事は、新型コロナウイルスの蔓延により、働き方や仕事観が変化するなかで生じるモヤモヤを取り上げる「with コロナ時代の女性のはたらく特集」のひとつ。
今回はコロナ禍における女性の転職について、dodaキャリアアドバイザーの柏木あずさがアドバイスします。
コロナ禍における女性の転職先の決め方の変化
女性が転職を検討する際、従来は妊娠や出産後も働きやすいかどうかなどのライフイベントに関することを重要視している人が多かったと思います。
ところがコロナ禍では、上記に加え、転職する際に見るべきポイントが増えたのではないでしょうか。
柏木によると、コロナ禍によって次のような転職相談が増えたといいます。
dodaキャリアアドバイザー
柏木あずさ(以下、柏木)
未知のウイルスの蔓延で、働き方が大きく変わり、多くの人が不安を抱えるようになりました。
その結果、「安定した企業に転職したい」という理由で相談される方が増えたように感じています。ですが、自分のキャリアプランを描き、次のステップを考えた先にあるのが転職。
不安だからという理由のみで転職すると後悔する可能性があるかもしれません。
たとえコロナによる不安を理由に転職しても、終身雇用制度の崩壊やITの進化による急速なビジネス変動が起こりうる、先行き不透明な時代です。
一生安泰な働き方はないと考えたほうがいいのでしょうか。
柏木
このコロナ禍で転職を検討する人は、大きく2つのタイプに分かれます。
ひとつは、 転職先に安定した経営基盤や企業規模の大きさを求める"会社に安定を期待するタイプ"。もうひとつは、 リモートワークや副業など、スキルアップにつながる人事制度や環境を重要視する"自ら動くことで安定を築くタイプ"です。
前者のように考える気持ちもよく分かりますが、先行き不透明な時代には後者のスタンスでいることが合っているように思います。
ひとつの会社に依存するのではなく、 キャリアのポートフォリオを増やすことを意識して転職を検討したほうが、結果的に安泰なのかもしれません。
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どんな会社にすればいいの?コロナ禍における転職先選びのポイント
不透明な時代だからこそ、全面的に会社に依存することは避けたほうがいいことは分かりました。では、具体的にどのようなポイントを押さえて転職先を検討したらいいのでしょうか。
柏木
コロナがきっかけで転職を考えるとき、どうしても"伸びている業界"から転職先を選ぶ人は多いのですが、その点だけで選ぼうとすると自分に合っているかどうかが二の次になってしまうため、入社後にミスマッチを起こしてしまうかもしれません。
まずは、自分が仕事で成長していきたいのか、仕事よりプライベートを重視したいのか、どちらのスタンスなのかを見失わないようにしましょう。
転職先を決める優先順位としてまずは自分が働くことに対して何を一番に求めているのかを考えるのが大切なようです。
柏木
さらに、スキルが身につくかどうか、次のキャリアにつながっていく業務内容かどうかというのは大事なポイント。
たとえばAIでも代替可能といわれている業務などは、これからの時代、おすすめしづらいです。人じゃなくてもできる仕事はAIに取って代わられることが予想されます。
不透明な時代だからこそ、中長期的にみてスキルや経験を積める仕事であるかどうかで選ぶことが大切なようです。
こんな時代だから手に職をつけたいけど…女性の専門職、未経験者でも就けるのか知りたい!
コロナ禍でも伸びている業界は?
仕事に対してのスタンスや身につけたいスキルが明確になったら、このタイミングで"伸びている業界"や気になる業界をチェックしましょう。
コロナという逆境の中でもビジネス市場が好調な業界の一つとして挙げられたのは…
- ・EC系
- ・物流系
柏木
もともとネットショッピングは我々の生活に浸透していましたが、コロナによる巣ごもり生活で、購買方法の比率が急速にネットに傾き、オンラインサービスへの需要がより高まりました。ビジネスモデルそのものが長期的に伸び続けていると思います。オンラインのサブスクリプションサービス事業を展開している企業も好調です。
また、EC関連のビジネスが伸びるにつれて、実際にお客様先へ商品をお届けする必要が発生するため、同時に物流サービスも伸びています。
需要が安定しており、あまり時代に左右されない業界は…
- ・インフラに関する業界
- ・ライフラインに関する業界
- ・医療業界
柏木
生活する上で欠かせない水道や電気、ガスなどのライフライン、そして生命維持に関わる医療業界、最近だとメンタルヘルスなどもそうですね。
コロナだから伸びているというわけではなく、いつの時代も人が生きていく上で必要不可欠な業界なので、コロナ禍でも需要が比較的安定しているといえるでしょう。
それぞれの業界の求人数や採用ニーズについてより詳しく知りたい場合は、求人倍率をチェックするのがいいそう。
次に、職種においても、今後需要が高まっていきそうな注目すべきものはあるのでしょうか。
柏木
「インサイドセールス」は今、注目したい職種ですね。
どういった職種かというと、営業活動の効率化や商談の成約率向上のために、電話やメール、Web会議システムを使って、見込み顧客に遠隔から営業活動を行うお仕事です。内勤営業と呼んでいる会社もあります。
インサイドセールスは、従来型のフィールドセールス(外勤営業)と異なり、対面での商談スタイルを取らないので、コロナ禍でも影響を受けにくいのが特徴です。このインサイドセールスを採用する企業が今後も増えていく可能性が高いです。
それにコロナが収束した後でも、インサイドセールスなら場所を問わず商談ができるので、ライフイベントをきっかけに柔軟な働き方を希望する女性にとって挑戦しやすい職種だと思いますよ。
また、医療機器のインサイドセールスなど、伸びている業界や安定している業界に、注目の職種を掛け合わせて転職先を考えてみるのも◎。このコロナ禍で接点が増えたサービスや商材に目を向けてみるのもいいかもしれません。
どういう人が求められている?withコロナ時代に必要なスキル
コロナ禍では、どのようなスキルを持っている人が企業から求められているのでしょうか。
柏木
業界ごとに求められるスキルは当然異なりますが、どの業界も共通しているのは、即戦力として活躍できるスキルを持っている経験者優遇の状況がしばらく続きそう、ということです。
そのため、未経験者のゼロスタートだとなかなか厳しいのが現状です。自分のスキルをリセットして新たに取り組むような業界や職種ではなく、"自分がこれまで培ったキャリアやスキルが活かせるかどうか"を重要視しましょう。
これまで働いてきたなかで確実に何かしらのスキルを身につけているはず。ですが、スキルと聞くと、何か特別で専門的な能力のように思えてしまいます。
スキルとは具体的にどのようなものを指すのでしょうか?
スキルの一例
- ・マルチタスク力がある
- ・顧客との関係構築力がある
- ・膨大なデータの処理が得意
- ・業務改善を得意としている
柏木
上記のようなものを"スキル"と言っていいと思います。"会社に貢献できる自分の長所"とも言い換えられそうです。
そして、コロナをきっかけに、対面ではなくオンラインでやり取りする機会が増えた会社では、主体性やコミュニケーション力を必要とするスキルがより求められている印象があります。
もし転職を検討しているなら、自分の長所を洗い出し、その長所が活きる場所を探すといいでしょう。
たとえばマルチタスクをこなすのが得意な人が、単純な入力作業やルーティン作業などひとつの業務に特化した会社に転職しても、なかなかスキルを発揮することはできません。
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自分のスキルがどの業界や職種で活きるのか分からない人は、一度キャリアアドバイザーに相談してみることをおすすめします。
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柏木
コロナをはじめ、いつ何が起きるか分からないことをみなさん実感されているかと思います。
転職する際は、働きやすい会社を選ぶという発想から、何があっても臨機応変に働けるようにスキルを積める会社を選ぶといいかもしれません。
私たちキャリアアドバイザーがそのお手伝いをできればと思っています。
まとめ
- コロナ禍だけど転職したい女性が見るべきポイントは?
-
・まずは自分の仕事に対するポリシーやスタンスを明確化する
・会社に依存するのではなく、キャリアのポートフォリオを増やすことも検討する
・希望する業界や職種の中から、自分のスキルがより活きる場所を探す
これからの時代、"どこで働くか"だけでなく"どう働くか"が重要視されていきます。コロナで不安に思う人も、上記のポイントを押さえて転職先を見つけてみるといいのかもしれません。
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識者プロフィール
- 柏木あずさ
国家資格キャリアコンサルタント
米国CCE,Inc.認定GCDF-Japanキャリアカウンセラー - キャリアアドバイザーとしてインテリジェンス(現:パーソルキャリア)に入社後、10年以上にわたり営業・販売接客など顧客と接する部門での経験を持つ方の転職を幅広く支援。産休・育休を経て復帰してからは、女性の働き方はもちろん、キャリアとライフの双方の視点から転職活動を親身にサポートすることを心がけている。