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女性のモヤモヤを解消する100問100答

#086

2021.06.28

Q.幸せな働き方って何?
方程式があるなら教えて!

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仕事は仕事と割り切るより、
仕事中もハッピーでいたいな…

プライベートで幸せを追求するだけではなく、仕事でもやりがいや楽しさを感じたいもの。女性が働きながら幸せを実感するには、どうしたらいいのでしょうか。

「はたらく人の幸福学」を慶應義塾大学前野研究室とともに研究しているパーソル総合研究所の井上亮太郎主任研究員に、働く女性の幸せの高め方についてアドバイスしてもらいました。

働く幸せの定義って? “7つの幸せ因子”に注目

具体的に“幸せに働く”とはどういうことを指すのでしょうか。井上さんによると、働く人の幸せの定義は7つの因子から構成されているといいます。

ただし、ここで注意しておきたいのが、幸せと不幸せはそれぞれ独立した因子を持っているということ。つまり、幸せと不幸せは共存するのです。幸せだからといって不幸せの因子がクリアになるわけではなく、幸せの因子、不幸せの因子それぞれにアプローチが必要だといいます。

ここでは、働く幸せの7つの因子を見ていきます。

パーソル総合研究所 主任研究員 井上 亮太郎

パーソル総合研究所
井上 亮太郎さん(以下、井上さん)

働く人の幸せを高めるには①自己成長(新たな学び)、②リフレッシュ(ほっと一息)、③チームワーク(ともに歩む)、④他者承認(見てもらえてる)、⑤他者貢献(誰かのため)、⑥自己裁量(マイペース)、⑦役割認識(自分ゴト)の7つの因子が関係しています。

パーソル総合研究所 主任研究員 井上 亮太郎

パーソル総合研究所
井上 亮太郎さん(以下、井上さん)

この中で特に女性が重視する因子は、英気を養えていたり、私生活が安定していたりすることを指す「リフレッシュ(ほっと一息)因子」と、仕事上で仲間とのつながりを感じられている「チームワーク(ともに歩む)因子」という傾向にあることが分かりました。※1

働く女性の幸せに直結しやすい因子はどれ?

働く女性の多くは、働いて幸せを実感するためにもリフレッシュとチームワークを重視している事ことが分かりました。

ところが、井上さんが調査をさらに進めると、女性が考える“働く幸せ実感”と、実際に最も幸せを高める因子は別にあることが分かったそうです。

パーソル総合研究所 主任研究員 井上 亮太郎

井上さん

実は幸せに影響する因子は、リフレッシュやチームワークより、自己成長(新たな学び)や他者貢献(誰かのため)などの影響が大きいことが確認されています。※2

つまり、向上心や成長意欲を持ち、周囲の人に貢献できる仕事に主体的に取り組む姿勢が、働く幸せに直結しやすいのです。

女性の多くが注目または自覚をしていない因子にこそ、幸せに働くためのヒントが隠されていたようです。

自分が認識している“幸せに働くために必要な因子”以外にも目を向け、自己成長や他者貢献を筆頭にバランスよく7つの因子を高めていくことで、幸せに働くことが実現できそうです。

まずは自分の働く幸せの傾向を知るために、診断を受けてみましょう。
>はたらく人の幸せ/不幸せ診断

働き方やライフステージの変化で働く幸せも高められる

働く人の幸せを構成する7つの因子をバランスよく高めようと思っても、自分が置かれている環境や立場によっては高めづらいことも。実際のところ、働き方やライフステージの違いによって、女性はどのように幸せを実感しているのでしょうか。それぞれのケースを見ていきます。

新型コロナの影響で働く女性の幸せ実感が減少。幸せを高めるには?

新型コロナの影響で多くの企業がリモートワークを導入。それにより働き方にも変化が生じたため、幸せの実感も下がったのではないでしょうか。

パーソル総合研究所 主任研究員 井上 亮太郎

井上さん

このコロナ禍で3~4割ほどの就業者がリモートワークを経験されていますが、男性に比べて女性は、働く幸せ因子が高まりづらい傾向にありました。※3

基本的には、出社日、リモートワーク日ともに、仕事関連および雑談のやりとり量が多いほうが、はたらく幸せ実感が高い傾向にあります。

リモートワークだと、必然的にコミュニケーション量も減少するため、女性が自覚的に重要視している“チームワーク”の因子による連帯感を得にくいことから、働く幸せを実感しにくいのかもしれません。

パーソル総合研究所 主任研究員 井上 亮太郎

井上さん

コロナ禍でも働く幸せを実感するために具体的にどうしたら良いかをお伝えします。たとえば上司や先輩に次に習得すべき知識やスキルのアドバイスを求めたり、業務連絡だけではなく感謝の気持ちを伝えてみたり、自ら積極的に関わりを持つことを意識するといいでしょう。

また、あなたが管理職なのであれば、メンバーが気負わず自己開示できるような職場風土を醸成することに努めたり、メンバーと向き合う対話機会をつくったりするなどの対策が検討できるかと思います。

リアルでもオンラインでも、協力して働くことや雑談をすることなどのコミュニケーションを積極的にとることが、働く幸せを高めることにつながるようです。

受け身ではなく主体的に関わろうとすることが、コロナ禍でも幸せに働くコツなのかもしれません。

出世、結婚、出産…働く女性の幸せ実感にある変化

はたらく幸せ・はたらく不幸せをそれぞれどの程度実感しているか調査したところ、特徴的な5つの群に分類することができました。そこから見えてきたのは、コロナ禍などの環境要因だけでなく、結婚や出産などライフステージの変化によって働く幸せにも変化が生じるということです。

パーソル総合研究所 主任研究員 井上 亮太郎

井上さん

まず、男女問わず、「はたらくことを通じて、幸せを感じている」か「はたらくことを通じて、不幸せを感じている」かどうかを調査しました。その中で女性だけにフォーカスすると働く女性は「幸せ」かつ「不幸せではない」群が48%と女性全体の中で最も多く、男性の同じ群と比較しても分布が多い結果になりました。※4

パーソル総合研究所 主任研究員 井上 亮太郎

井上さん

さらに細かく見ていくと、フルタイムで働く正規雇用者についても、既婚・未婚で比較した場合、30代以降では既婚者のほうが未婚者よりある程度幸福度が高いまま推移していくことが分かりました。

また、同様に子どもの有無で比較した場合、50代前半までは子ありの女性のほうが幸福度が高く推移しますが、50代後半以降は子なしの女性の幸福度が高まり、同水準になります。※5

働く幸せ因子は、プライベートの変化にも相関性があるようです。また、役職によっても働く幸せ実感に変化があるといいます。

パーソル総合研究所 主任研究員 井上 亮太郎

井上さん

管理職の女性は、男性に比べて働く幸せを感じており、かつ不幸せを感じていない傾向が確認されました。

責任ある役職につき、現場で仲間と協働することにより、働く幸せ因子の役割認識や他者承認、チームワークなどを実感しやすいことがうかがえます。

パーソル総合研究所 主任研究員 井上 亮太郎

井上さん

基本的に私生活と職業生活は相互に影響し合うので、職業生活での幸せは家庭生活を良好にし、家庭生活での幸せは、仕事面でもポジティブに作用し、望ましいアクションにつながります。

また、過去には難しいとされていた家庭と仕事の両立や、女性管理職として働くことも、主観的幸福という面では良好な状態を保つことにつながると言えそうです。

幸せを実感しやすい業種や職種もアリ

環境やライフステージによって働く幸せの実感に違いが生じるだけでなく、業種や職種によっても違いがあるといいます。

パーソル総合研究所 主任研究員 井上 亮太郎

井上さん

業種別でいうと、自己成長(新たな学び)因子が強い「教育・学習支援業」や、役割認識(自分ゴト)因子が影響する「電気・ガス・熱供給・水道業」などが、働く幸せ実感が高い傾向にあります。※5

職種別に見ると、自己成長因子や他者貢献因子(誰かのため)を得られやすい「マーケティング・企画」「医療・福祉・教育関連」や、自己裁量因子(マイペース)が強い「商品開発・研究」が、働く幸せ実感が高いです。※6 ただし個々人のはたらく幸せには、業種や職種それ自体の性質だけでなく、各社の慣習や風土も影響していますのであわせて考えるべきことは言うまでもありません。

働く幸せを高める自助努力も必要ですが、会社ごとの慣習や風土を見極めた上で、自分が幸せを感じられそうな業種や職種に身を置くということも、一つの選択肢としてありそうです。

パーソル総合研究所 主任研究員 井上 亮太郎

井上さん

仕事への主体的なスタンスが働く幸せを実感する上では重要ですが、人は周りの環境から影響を受けるので、よりよい環境に身を置くことを意識するのは重要です。また、何が自分にとってよりよい環境なのかは人によって異なります。

一般的な意見に惑わされず、良い環境を自らが働きかけてつくり出すことを意識するとよいでしょう。

また、凝り固まった現状認識を別の角度から捉えなおしてみる機会をつくることなども有効です。これを“ジョブ・クラフティング”と言います。
もし、そのような環境が今の職場で得られないのであれば、転職を検討してみてもいいかもしれません。

その際には、一人で悩まずにキャリアアドバイザーへ相談してみてください。

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まとめ

働く幸せを実感するためには?

幸せ因子と不幸せ因子それぞれにアプローチする

幸せを構成する7つの因子をバランス良く高める

特に自己成長と他者貢献を意識してみる

リモート環境でも積極的にコミュニケーションをとるようにする

プライベートも幸せを実感できるように意識してみる

自分が働く幸せを感じられそうな業種、職種を検討してみる

というアドバイスをもらいました。

受け身の姿勢でいても働く幸せの実感は得づらいもの。自ら幸せをつかみ取るため、この記事を参考に行動してみてはいかがでしょうか。

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Profile

識者プロフィール

井上 亮太郎/顔写真

井上 亮太郎
パーソル総合研究所 主任研究員
大手総合建材メーカーで営業を経験後、経営統合に伴い統合先メーカーに出向し組織融合施策に参画。その後、組織文化・風土の違いに関心を抱き、学校法人産業能率大学に移り組織・人材開発のコンサルティング事業に従事。人や組織、社会が直面する複雑な諸問題をシステマティック&システミックに捉え、分析し、創造的に解決するための知見を深めたいと考え、2019年から現職。主な研究プロジェクトは「はたらく人の幸福学」(慶應義塾大学前野研究室と共同研究)。

<参考>
※1 ※2 【出典:パーソル総合研究所「はたらく人の幸せに関する調査【続報版】」2021】男女別 はたらく幸せ因子重視度/因子得点

※3 【出典:パーソル総合研究所「はたらく人の幸せに関する調査」2020】
男女別 テレワーク実施有無別 はたらく幸せ・不幸せ因子 

※4 【出典:パーソル総合研究所「はたらく人の幸せに関する調査」2020】
はたらく人の幸せ・不幸せの4タイプから女性の回答を集計

※5 ※6 【出典:パーソル総合研究所「はたらく人の幸せに関する調査」2020】
はたらく人の幸せ・不幸せの実態

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