#094
2021.08.30
Q.育児で時短勤務中。
制約はあるけどキャリアの選択肢を狭めたくない!
働ける時間は限られているし
できることは少ないかもしれない。
でも…キャリアをあきらめたくない!
出産・育児に伴う時短勤務期間は、頑張りたくても制約が伴うもの。とはいえ、子どもを産んだらキャリアをあきらめなければいけないのでしょうか。dodaキャリアアドバイザーの柏木あずさが、時短勤務でもキャリアの選択肢を狭めないためのコツをアドバイスします。
時短勤務ママの仕事におけるキャリアの悩み
フルタイムよりも時間的な制約があることから、「業務をこなさなくてはならない」「周りに迷惑をかけられない」という業務遂行に関する悩みがある一方で、「昇進したい」「評価されたい」「キャリアアップを目指したい」など自分自身の今後に関わるキャリアの悩みもあります。出産前と同じように働けないことへの焦りやもどかしさを感じ、キャリアが閉ざされてしまうような感覚になってしまうことが要因なのかもしれません。
柏木によると、時短勤務中の女性はキャリアと家庭のバランスで悩む方が多く、結果として自身の行く道に悩んでしまう方が多いようです。
dodaキャリアアドバイザー
柏木あずさ(以下、柏木)
時短でも仕事に打ち込みたいのか、家庭とのバランスをとりたいのかという答えを出すことそのものが難しいもの。明確に決められなくても、今後のキャリアが描けてくると、仕事にも家庭にもどういうスタンスで取り組めばいいかが見えてきます。
現段階では分からなくても大丈夫です。この先どうしたいかが見えやすくなり、結果として「キャリアの選択肢を広げる」ポイントを3つお伝えします。
自分でできることや職場でできること、家庭でできることの3つを軸に、今後のキャリアの選択肢を広げる種まきの仕方をご紹介します。
時短勤務でもキャリアの選択肢を広げる種まき①
「認知や行動を変える」
まずは自分でできることとして、「時短だからどうせできない」という認識を見直すことからはじめてみましょう。同じ業務に取り組んでいても、どう捉えているかの認識の違いで、結果に差がついてくるといいます。
柏木
時短だから仕事の量を減らしてもらっているとか、早めに帰らせてもらっているとかネガティブな気持ちで仕事に取り組むとミニマムな仕事しかできなくなってしまいます。
そもそも時短勤務に入る以前に一定の経験をしているはずなので、そこに自信を持ってください。時短勤務になると自己肯定感が下がる人が多いのですが、これまで得てきたものを活かして仕事に取り組めば、時短勤務でも十分に成果を上げることはできると思います。
長く時間をかければ良い仕事ができる、ではなく短時間で効率よく仕事をしていることをポジティブに捉えましょう。
時短勤務でもキャリアの選択肢を広げる種まき②
「上司に自分の意思や状況を伝えておく」
次に、職場でできることとして、上司に仕事への向き合い方を伝えておきましょう。実は上司も、時短勤務の女性がどういう状況か分からなくてマネジメントに困っていることもあるようです。
柏木
今は家庭優先なのか、それとももっと仕事ができるのか、自分の状況やキャパシティを伝えられる範囲で伝えておくといいと思います。例えば時短勤務でも新しいことに挑戦してみたいと思っているなら、それも伝えておきましょう。
上司もあなたがどういうスタンスで仕事に取り組みたいかが分かれば、仕事のチャンスをもらえるかもしれません。伝えておくとお互いのために良いと思いますよ。
新しい仕事がやりたいわけではなくても、「こういうことが得意なので、そのような業務があればお力添えできたら」と伝えておけば、得意とする分野で活躍できるチャンスが増えそうです。
時短勤務でもキャリアの選択肢を広げる種まき③
「パートナーと共通認識を持っておく」
最後に家庭でできることとして、パートナーとの共通認識を持っておくことが挙げられました。より仕事に力を入れていくのか、家庭とのバランスをとっていくのか、いずれにしても自分一人の人生ではないので、すり合わせることが大切です。
柏木
今後の家族のあり方について話し合いましょう。長い目で見たときに世帯としての収入はどれくらいあればいいのか、そのために誰がどれくらい稼いで、どれくらい家事をフォローするかなど、家庭内で共通認識を持っておくこと。
子どもが成人するまでの生活を考えたときに、将来設計と紐づけて家事の分担を考えておくといいと思います。
手が回らないときは、ベビーシッターやハウスキーパー、自治体のファミリーサポートの制度を利用するなど、自分の精神的・肉体的負担を減らすことも忘れずに。
仕事も家庭も100点満点を目指さなくていいんですよ。忙しいときはスーパーのお惣菜でもいい。べき論から自分を解放してください。第三者の助けや便利なツールを活用して、キャリアの実現を目指していきましょう。
ポジティブに取り組めば、時短勤務でもキャリアは開ける!
実は自身も時短勤務経験がある柏木。キャリアが止まってしまう恐れや、同僚に対する後ろめたさなどを感じたことがあるそうです。そんな柏木が大切にしていることは「ポジティブに仕事に取り組むこと」でした。
柏木
仕事を頑張ったら子どもにさみしい思いをさせてしまったとか、逆に帰宅したけど本当は仕事をもっとやりたかったとか、時短勤務だといろんな思いに揺れますよね。どちらにしてもモヤモヤしたまま子どもに接するのは良くありません。
だからこそ、自分がどういうスタンスで仕事をするか決めて、前向きに仕事へ向き合うことが、自分や家族や、ひいてはキャリアの実現にとっても大事なんです。前向きに取り組んでいたら視野が広がるので、「これしかできない」ではなく「こうすればできる」など、やれることや可能性に目がいくようになります。
そしてやりたいことが見つかったときに、どうすればいいのかもおのずと見えてくるはず。時短だからとあきらめる必要はなくて、自分次第でキャリアは開けます。先ほど挙げた3つを実践して、キャリアの選択肢を広げておきましょう。
まとめ
- 時短勤務中もキャリアの選択肢を狭めたくない人は…
-
・仕事に対する認識を見直し、これまでの経験から今の仕事がよりよくなるよう工夫する
・上司に自分の状況や意思を伝えておく
・パートナーと将来設計を含めたすり合わせをしておく
とアドバイスがありました。
時短勤務を理由にあきらめたり負い目を感じたりする必要はないので、自分らしいキャリアが描けるよう3つのアドバイスを実践してみてはいかがでしょうか。
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識者プロフィール
- 柏木あずさ
国家資格キャリアコンサルタント
米国CCE,Inc.認定GCDF-Japanキャリアカウンセラー - キャリアアドバイザーとしてインテリジェンス(現:パーソルキャリア)に入社後、10年以上にわたり営業・販売接客など顧客と接する部門での経験を持つ方の転職を幅広く支援。産休・育休を経て復帰してからは、女性の働き方はもちろん、キャリアとライフの双方の視点から転職活動を親身にサポートすることを心がけている。