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Progress -女性活用の先駆社- Progress -女性活用の先駆社-

男女雇用機会均等法が施行されて約30年。さまざまな制度の整備などによって、女性活用が推進されてはきたが、本当の意味での活用はまだまだ進んでいない。そして今あらためてその必要性が叫ばれている。そのような中、先駆者的に女性活用を進めてきた企業がある。それらの企業はこれまで、どのような課題にぶつかり、それをどのように乗り越えてきたのか。また今後、どう前進していくのか。先駆“社”をレポートする。

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掲載日:2013年8月26日

Progress story #01
日産自動車株式会社

(写真左)

林 恵理子 氏 人事本部 日本人事企画部 人事企画グループ 主担

大学を卒業後、新卒で入社。国内マーケティングセールス部門にて、マス媒体のマーケティングやCRM(Customer Relationship Management)などを担当。その後、ダイバーシティを推進する部署を経て、2012年4月より現職。

(写真右)

内山 悟 氏 人事本部 日本人事企画部 人事企画グループ 主管 認定Vエキスパート

2004年に中途入社、組織開発部、V-up改善支援チームなど等でコストやプロセスの最適化に関する社内コンサルタントとして、経営課題の解決に取り組む。2013年4月より現職。※V-up:日産の社内課題解決プログラム。日産の経営計画達成に大きく貢献をしているマネジメントツール。

変わらなければならない必然性
そして根づいた「多様性を受け入れるカルチャー」

カルチャーとして浸透したダイバーシティ

女性活用DATA

女性管理職比率
6.7%(部長級以上は4%
育児休職
2歳到達後の4月末まで
就業時間短縮制度
小学6年生まで(1日当たり3時間)

日産のダイバーシティ推進の分岐点は、1999年ルノーとのアライアンスだ。経営危機を脱するための提携は文化をも変えた。林氏は「大きなカルチャーギャップを前に、性別、国籍やさまざまな違いを受け入れ“個”を大切にする必然性に直面しました。ですので、ごく自然に文化として広がり始めました。正直、それ以前はダイバーシティの発想はありませんでした。女性が採用されていたのは英語を使う一部のポジションだけでしたし、キャリアアップへは抵抗感を感じる社員もいました」と当時を振り返る。

2004年には専門部署として「ダイバーシティディベロップメントオフィス」を立ち上げ、取り組みは一気に加速。行動指針「Nissan Way」の第1項には「異なった意見・考え方を受け入れる多様性」を掲げ、評価項目へ採用。社員への一層の浸透を図った。2013年までの10年足らずの間に成果は確実に表れている。1.6%だった女性管理職比率は、2012年4月には6.7%と約4倍に。これは従業員5,000人以上の日本企業の平均2.9%を大きく上回る。

また、女性社員が主体となって開発したセレナ(2010年)や新型ノート(2012年)も誕生し、それぞれ「2年連続ミニバン販売台数第1位」「2013年カーオブザイヤー受賞」と確かな実績へつながった。内山氏は「自動車の購入決定者の約6割が女性であり、クルマづくりにおいては女性の視点も重要なのです。カルチャーとしてダイバーシティが広がったことが今の成果につながっています」と成功の要因を語る。

男性と同じレベルの仕事を与えているか

NISSAN WAY

ジェンダーダイバーシティの施策で特徴的なのは、女性社員を部下に持つ管理職を対象にした「キャリアアドバイザー」だ。女性のキャリア形成のためには、本人の意識はもちろん、彼女たちの上司の意識改革が重要という考えから生まれた取り組みで、管理職がキャリアアドバイザーと面談をする。そこでは、女性社員のキャリア形成のために「今、何がないか」「それを補うために、どんな仕事を与えるべきか」そして「十分な機会が与えられているか」という点がチェックされる。

内山氏は「数が増えているとは言っても、女性社員はまだマイノリティです。また活躍の機会の面でも、まだ平等とは言えないと認識しています。だからこそ、そのチャンスが男性と同じになるまでは、女性をとりまく環境へ働きかけが必要なのです」と語る。ただし「目的はあくまで、性別に関係なく、成果を出す人を増やすこと」。与えられたチャンスをものにできるかは本人次第で、成果は、男性も女性も同じ基準で評価される。

2016年には女性管理職の比率を10%に引き上げる目標を掲げている。林氏は今後の取り組みについて「ジェンダーダイバーシティの促進を開始した当初は、成功体験の乏しさやロールモデルの不在によって、女性は仕事に自信を持つことができず、チャンスがあっても、積極的に手を挙げる女性は、多かったとは言えません。しかし最近では、『もしやらせてもらえるなら』『挑戦させてもらえるなら』と声を出す女性は増えてきています。私たちは、その意思を大事にして、それが実現できる環境を整えていくことが重要と考えています」と語っている。

COMPANY DATA

企業名
日産自動車株式会社
設立
1933(昭和8)年
事業内容
自動車、船舶の製造、販売および関連事業
従業員
23,605名(単独ベース)、160,530名(連結ベース)
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