#091
2021.08.02
Q.女性管理職は責任が増えるだけ?
メリット・デメリットが知りたい!
管理職の打診はうれしいけど、
今より大変になるのは避けたいな…
実際どうなの?
女性活躍推進法が施行されて5年以上。「会社では女性管理職が徐々に増えていて、私にも上司から打診があった。やりがいもありそうだけど、責任の重さも感じる。実際どんな人が向いてるんだろう?」と悩む人も多いようです。
ひとまず管理職になるメリットや適性について知っておきたいですよね。
管理部門の方を専門とするdodaキャリアアドバイザー組織の部長を務める松田智恵子に聞きました。
そもそもどんな仕事? どんな人に向いてる? 男性・女性で違いはある? 管理職の定義
管理職というと「部下をマネジメントする」「リーダー的役割」と認識している人も多そうですが、実際のところどのような役回りなのでしょうか。
dodaキャリアアドバイザー
松田智恵子(以下、松田)
管理職になるということは、事業側の人間になることです。
事業が前進するために自分はどう組織を牽引していくべきか、事業の全体像からブレイクダウンして考えていくことが管理職の役割。
もちろんメンバー育成などの役割も担っていますが、あくまでも組織全体を事業の目標に向けて前進させるためであって、育成することだけが管理職の役割ではありません。
管理職は人単位ではなく人を構成する組織全体の規模感の中で、目先の一課題ではなく、事業全体を見通して管理します。
管理職になると、視野を広げて物事を見る必要がありそうです。さらに決定権を持っているため、判断を迫られるシーンもあります。責任重大な役回りですが、松田によると「助けを求めることができる人は管理職に向いている」といいます。
松田
管理職に求められる職能や人柄として、責任感や向上心があることはもちろん、目的思考な人が重要視されています。
これはつまり、事業の中で自分が求められていることを理解していて、そのために何をすべきか判断できる人のことを指します。
ですから、目的遂行のために、時には交渉をしたり誰かに助けを求めたりする必要があります。その判断ができることこそが、管理職に求められるスキルの一つなのではないでしょうか。
管理職だからといって、誰にも頼らずすべての責任を抱え込み一人で仕事をする必要はなく、必要に応じて誰かに頼るなどの判断をすることができる人が向いているようです。とはいえ、判断を誤って責任を取らされる心配も拭えません。
松田
判断するのって勇気がいりますよね。責任を持って判断した上でうまくいかないこともあるかもしれませんが、そのときは次の打ち手を考えてまた判断し、行動する。その繰り返しで事業の目標に近づいていく。これが管理職の仕事です。
軌道修正することによって、失敗を失敗で終わらせないことができます。そう考えると、必要以上に不安や責任を感じることはないのかもしれません。
また、女性管理職が増えてきたとはいえ、まだ男性のほうが多いのが現状。男性のほうが向いているのでは…と気にする方もいるようです。しかし、松田は次のように話します。
松田
適性のある人が管理職になれるので、性別で向き不向きを語るのは違うと思いますよ。そして男女関係なく一律的ではない価値観を持った人が管理職につくことで、社内に多様性が生まれます。女性だから、男性だからということではなく、一人間としてあなただから打診されたのです。
管理職に就くメリット・デメリットは?
管理職の役割は分かりましたが、実際に管理職になるとどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか?
松田
前提として、役職はご褒美ではありません。あなたがこれまで責任を持って取り組んできたから次の責任を任されているのです。まずは損得を考えるより、管理職になっても引き続き実直に仕事に向き合えばいいと思いますよ。
その上で、分かりやすいメリットはお給料が上がること。お金は人生や行動の選択肢の幅を広げるので大切ですよね。でもそれよりも大きな管理職の醍醐味は、一人では成し遂げられないことをみんなでやらせてもらえること。
そしてプロジェクトを成功させた暁には、かけがえのない仲間と大きな自信を手に入れることができます。
管理職は仕事の規模感が大きい分、必然的に物事を高い視点で捉えることができるため、視座が高まり、新しい発見や柔軟な思考も身につきそうです。
松田
責任の重さをデメリットと感じる人もいるかもしれませんが、やって損することなんて一つもないと思いますよ。どんなことも糧にできるかどうかは自分次第。なかなか経験できない貴重なチャンスが与えられたのも、あなたの頑張りが評価された証拠。それを誇りに思って挑戦すれば、きっと新しい世界が開けますよ。
転職市場でも管理職経験者は転職先の選択肢が広がります。キャリアプランの選択肢の幅を持たせるためにも、管理職を経験しておくと良さそうです。
まとめ
- 女性管理職のメリット・デメリットが知りたい人は…
-
・管理職に男女は関係なく、事業前進のために組織を管理する役割。やりがいは十二分にある!
・広い視野と信頼できる仲間、大きな自信を手に入れられる!
・転職市場でも採用ニーズが高い!
というアドバイスがありました。
管理職への登用は自分にとってのメリット・デメリットだけで考えるような小さな話ではなく、より大きな視点で挑戦できる貴重な機会。挑戦してみる価値はありそうです。
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識者プロフィール
- 松田智恵子
dodaキャリアアドバイザー - これまで5,000人以上のキャリア支援に関わり、現在は、管理部門の方を専門とするキャリアアドバイザー組織の部長職も務める。女性の「キャリア」と「ライフ」に寄りそった「働き方提案」を得意とする。