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総務に向いていないと感じる原因は? 対処法やスキルを活かせる職種を紹介
公開日:2025/09/25
「人のサポートをするのが好き」「裏方として組織を支えたい」などの思いから、総務職を志す方は少なくありません。社員全体が働きやすい環境を整える「縁の下の力持ち」として注目される一方で、いざ働いてみると「自分に向いていないかも…」と感じてしまう方もいるでしょう。
今回は、総務職から別の職種への転職支援経験が豊富なdodaのキャリアアドバイザーに行った取材に基づき、総務に向いていないと感じる主な理由や対処法、総務での経験を活かせる転職先などについて詳しく解説します。
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総務に向いていないと感じる原因

サポート役が好きだと思って始めた総務の仕事でも、自分に合っていないかもと違和感を抱く方はいるでしょう。
業務内容が多岐にわたる総務は、会社の方針や体制によってもその実態が大きく異なるため、想像とのギャップを感じやすい職種でもあります。
ここでは、総務の仕事に対して「向いていないかも」と感じてしまう主な原因について、解説します。
社内外のさまざまな人と関わることにストレスを感じるから
総務の仕事は、他部署や取引先などとの調整役を担うことが多く、日常的に社内外のさまざまな人と関わる機会があります。時には、書類の提出を催促したり、遅延に対応したりと、相手のペースに振り回される場面も少なくありません。
そうしたやりとりにストレスを感じやすい方にとっては、精神的な負担が積み重なり、「自分には向いていないかも」と感じるきっかけになることがあります。
幅広い業務を担当するよりも一つの領域で専門性を高めたいから
総務は幅広い業務を担当するため、「何でも屋」のように感じる方もいるかもしれません。実際、経理や人事、法務などのように特定の分野に特化してスキルを深める機会が限られてしまうこともあるようです。
そのため、「これができる」という明確な専門性を持ちにくく、「自分の強みが分からない」と悩むケースも見られます。
特に、キャリアの方向性を定めたい方にとっては、将来への不安や迷いにつながることもあるでしょう。
伊藤
何でもできるけど、何が得意か分からないと悩む方が多くいます。業務の幅が広すぎて、逆に「深く極めたい」というタイプの方にとっては物足りなく感じられるかもしれません。
マルチタスクが苦手だから
総務の現場では、複数の業務を同時に進めるマルチタスクが求められる場面が多くあります。突発的な依頼が差し込みで発生することもあるため、優先順位の見極めや臨機応変な対応が欠かせません。
そうした状況に苦手意識がある方は、業務のたびにストレスを感じ、「向いていないのでは」と思うようになることもあります。
伊藤
総務の業務はルーティンと突発対応の連続です。マルチタスクが得意な方には向いていますが、段取りどおりに一つずつ進めたいというタイプだと疲れてしまうことがあるでしょう。
目に見える仕事の成果が欲しいから
営業職のように売り上げ目標や数字で評価される仕事とは異なり、総務の業務は「誰かのために動く」「職場環境を整える」といった、裏方的で数値化しにくいものが中心です。
そのため、自分の成果が見えにくく、「何をもって評価されるのか分からない」と感じることもあるでしょう。貢献している実感を得たい方にとっては、やりがいを感じづらくなる可能性があります。
伊藤
総務の仕事は、評価指標や貢献度があいまいになりがちです。実績として何を達成したかが見えづらいため、営業など数値で成果が出る職種にあこがれを感じる方もいます。
ルーティンワークよりも変化や刺激がある仕事をしたいから
総務の仕事は、決まった流れで進む業務が中心です。安定感はある一方で、日々新しい挑戦をしたり、変化を求めたりする方には、物足りなく感じることもあるでしょう。
企画や改善など、よりクリエイティブな業務を望む方にはミスマッチとなる場合もあります。
伊藤
総務にも突発的な対応が求められることはありますが、基本的には「決まった業務をていねいにこなす」スタイルです。変化や刺激を求める方には、やりがいを感じにくいかもしれません。
「向いていないと感じる理由がはっきりしない…」と悩んでいる方は、「キャリアタイプ診断」を試してみるのも一つの方法です。
自分に合った働き方や、性格や気質の傾向などが分かるため、今後のキャリアを考える上でのヒントが見つかるでしょう。
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キャリアタイプ診断を受けてみる(無料)総務に向いていないと感じるときの対処法

「このまま続けていていいのかな」と不安を感じることがあっても、それがすぐに転職を決断すべきサインとは限りません。総務職ならではの悩みは多くの方が経験するものであり、ちょっとした工夫や行動で解決につながるケースもあるでしょう。
ここでは、総務に向いていないと感じたときに実践できる対処法について、解説します。
なぜ総務に向いていないと感じるのか自己分析をする
「向いていない」と感じたときこそ、立ち止まって自分の気持ちをていねいに掘り下げてみることが大切です。
どの業務にストレスを感じているのか、なぜ、やりがいを持てないのかを言語化することで、現職にとどまるべきか、別の道を選ぶべきかの判断がしやすくなります。
漠然とした不満を抱えているままでは、転職しても、また同じ悩みを抱える可能性があるでしょう。
伊藤
「専門性がない」「誰でもできる仕事かも」と感じている方でも、日々の業務を振り返ると、実は意外な強みが見つかることがあります。まずは自分の業務内容や得意・不得意を整理することが第一歩です。
自分の業務内容や得意・不得意の整理の方法は、以下の記事で詳しく解説しています。
総務に向いていないと感じる要素の捉え方を変えてみる
「向いていない」と感じる要因の中には、見方を変えることで強みに転換できるものもあります。
例えば、「マルチタスクが苦手」は「一つひとつをていねいにこなせる力がある」と捉えることができるでしょう。正確さや細やかさが求められる場面では、大きな強みになります。
このように、ネガティブに見える要素の中に、自分らしさや今後の活かし方のヒントが隠れているかもしれません。
伊藤
実際に自分に合わないと感じていた方でも、業務の中で気づかないうちに身につけていたスキルを活かして新しい道に進んだケースがあります。視点を変えることで、「向いていない」が「自分の強み」に変わることもあるんです。
信頼できる上司や同僚に相談する
一人で悩みを抱えていると、考えが堂々巡りになりがちです。「自分だけがうまくいっていないのでは…」と落ち込む前に、信頼できる上司や同僚に悩みを打ち明けてみましょう。
意外にも同じような不安を抱えていたり、自分では気づいていなかった強みを教えてくれたりすることがあります。
社内での働き方を調整できる可能性もあるため、まずは相談してみることが現状打破のきっかけになります。
伊藤
転職を考える前に、上司や先輩に「こういう仕事に挑戦してみたい」と相談してみる方も多くいます。相談を通して、自分のスキルや強みを再認識できたという声もあります。
誰に相談したらよいか分からない…という方は以下の記事も参考にしてみてください。
キャリアアドバイザーに相談してみる
「自分に何が向いているのか分からない」「このまま総務を続けるべきか迷っている」といった漠然とした不安があるなら、転職のプロであるキャリアアドバイザーに相談してみるのも一つの方法です。
第三者の視点から今の仕事の棚卸しをすることで、自分では気づけなかったスキルや強みが見えてくることもあるでしょう。
転職ありきではなく、現職にとどまる選択も含めて一緒に考えてくれます。
伊藤
総務に向いていないのではと悩む方がdodaエージェントサービスに登録されることはよくあります。不安を抱えたままにせず、キャリアの方向性を整理する場として活用していただければと思います。
総務に向いていないのではとお悩みの方は、「dodaエージェントサービス」で転職のプロに相談してみましょう。
相談の流れや仕組みについてまずは詳しく知りたいという方は、以下の記事で解説しています。
まずは相談するだけでも大丈夫!
エージェントサービスに登録する(無料)総務から未経験の職種に転職できる?

「総務からまったく別の仕事に挑戦したいけど、本当に実現できるの?」という不安を抱える方も多いのではないでしょうか。
結論から言えば、総務から未経験職種への転職は十分に可能です。具体的な職種については次の章で詳しく解説します。
ただし、転職を考える際には、まずは自分が何を変えたいのかを整理することが大切です。
仕事内容なのか、働き方なのか、職場環境なのか――その軸が明確になることで、同じ職種内でのステップアップか、未経験職種へのチャレンジかなど、選ぶべき方向性も見えてきます。
また、実際にどんな求人があるのかを見てみることで、「自分が本当にやりたいこと」や「理想の働き方」のヒントが見えてくるかもしれません。
dodaには、未経験歓迎の求人も多数掲載されています。まずは気軽にチェックしてみてください。
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総務の経験やスキルを活かせる職種

総務職で得た社内調整力、事務処理能力、コミュニケーション力などのスキルは、業種や職種を問わず多くのフィールドで応用ができます。 経験を棚卸ししながら、自分に合った分野を見つけることが大切です。
「どんな仕事が自分に合っているのか分からない」という方は、自分の性格や志向性を客観的に把握することから始めてみるのもおすすめです。
自己分析の具体的な方法については以下の記事で詳しく解説しています。
伊藤
例えば、備品管理や社内調整の経験は、営業事務やカスタマーサポートにも通じるでしょう。労務や経理に関連した経験・知識があれば、その方向に専門性を深めていく道もあります。
ほかにも、総務での経験やスキルを活かせる具体的な職種としては、人事などの管理部門職のほか、不動産管理、社内SE(情シス)、コンサルティング職などが挙げられるでしょう。
また、今の会社では挑戦できなかった専門領域に、職種を変えずに他社でチャレンジするという「総務から総務への転職」も、十分なスキルアップにつながります。
例えば、これまで備品管理や庶務中心だった方が、株主総会やファシリティマネジメント、BCP(事業継続計画)など、より専門性の高い業務を担当する企業に転職するという道もあるでしょう。
もし今の仕事で悩みがあって、適職探しのヒントを見つけたいという方は、「キャリアタイプ診断」で自分に合った仕事スタイルを探してみるのもよいでしょう。
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キャリアタイプ診断を受ける(無料)総務から他の職種に転職するときのポイントと注意点

総務職での経験を活かしながら、異なる職種へとキャリアの幅を広げる方もいますが、業務内容や求められるスキルが大きく変わる転職には、事前の準備や心構えが欠かせません。
選考を有利に進めるための工夫や、気を付けたい点を押さえておくことで、転職成功の可能性も高まります。
総務から他職種へ転職する際に知っておきたいポイントと注意点について、dodaのキャリアアドバイザーに聞きました。
転職の目的をはっきりさせる
「今の仕事がなんとなく合わない」という理由だけで転職活動を始めると、自分に合わない仕事を繰り返して選んでしまう可能性もあります。
大切なのは、「何を変えたいのか」「どんな働き方を目指したいのか」といった目的を明確にすることです。
仕事内容、働き方、評価制度、人間関係など、自分が何にモヤモヤしているのかを整理することで、次に選ぶべき道がクリアになります。
伊藤
「やりたいことが分からない」というご相談も多いのですが、逆に「やりたくないこと」を洗い出すだけでも、 方向性が見えてくることがあります。目的がはっきりしている方のほうが、面接でも説得力を持って話せる傾向があります。
転職の目的の整理の仕方は、次の記事でも詳しく解説しています。
自分の強みを理解する
未経験の職種への転職では、「これまでの経験がどう活かせるか」をアピールすることがカギになります。
そのためにはまず、自分の強みや得意なことを明確にしておくことが大切です。例えば、総務での調整力や事務処理能力、周囲への気配りといった力は、業界や職種を問わず重宝されるスキルです。
これらを言語化できるように準備しておくことで、自己PRや志望動機にも説得力が生まれます。
伊藤
総務の経験を書類作成や備品管理といった業務の一部だけで終わらせず、どんな姿勢で仕事に取り組んでいたかまで掘り下げると、自分の強みが見えてきます。
そこに気づけるかどうかが転職成功の分かれ道といえるでしょう。
自分の強みが分からないという方は、以下の記事も参考にしてみてください。
その職種に必要な知識や資格の取得も有効
特に、未経験の職種に転職する場合は、志望動機だけでなく、「その職種に向けた行動」を示すことも大切です。資格の勉強を始めたり、スクールに通ったりすることは、本気度や適性をアピールする一つの材料になるでしょう。
経理やITエンジニアなど、専門知識が求められる職種では、事前準備が選考通過の後押しになることもあります。
とはいえ、どんな資格を目指すべきか、そもそも資格が必要かどうかは、人によっても異なります。
迷ったときはキャリアアドバイザーに相談してみるのもおすすめです。
迷ったらキャリアアドバイザーに
相談してみよう!
伊藤
資格を持っていると、単に「やる気がある」と言うよりも説得力が出ます。アピールになるのはもちろんのこと、未経験転職のハードルを下げる上でも非常に有効です。実際、簿記やIT系の資格を取得してから転職に成功された方もいらっしゃいます。
自己分析をもとに応募企業を選ぶ
転職活動では、「なんとなく有名だから」「未経験歓迎だから」といった理由だけで応募先を決めてしまうと、再びミスマッチを感じてしまう可能性があります。
自己分析で見えてきた自分の強みや価値観に合った企業や職種を選ぶことが、長く満足して働ける転職につながります。
仕事内容はもちろん、社風や働き方、評価制度などもチェックすべきポイントです。
伊藤
自己分析をもとに企業を選ぶことで、選考時の志望動機にも一貫性が生まれます。
「なぜその会社なのか」を明確に語れるようになると、応募先企業にも好印象を与えやすくなります。
自分を活かせる仕事を見つけるためには、以下の記事も参考にしてみてください。
また、具体的な求人は以下のリンクからご覧いただけます。
自己分析の第一歩にもおすすめ!
転職タイプ診断を受ける(無料)総務から別の職種へ転職した人の例

総務から別の職種への転職は、未経験だからといって特別なことではありません。
ここでは、実際に転職を成功させた方の事例をご紹介します。自身の強みや経験をどう活かせるかを見極めた上での行動が、納得のいくキャリア選択につながっています。
■30代・女性 総務職から経理職に転職
前職では、総務部で備品管理やイベント運営などのほか、経理、事務関連業務を経験。業務を通じて経理職に興味を持つようになり、自ら簿記資格を取得。経理職への転職を目指す。
面接では、これまでの業務経験に加え、簿記資格取得の背景や熱意、今後のキャリアビジョンをしっかりと伝えることで、希望していた経理職への転職に成功。
■20代・女性 総務職から営業事務職への転職
前職では総務部で備品管理などを始め、採用・労務管理のサポートなど、幅広い業務に従事。これまでの経験を活かし、さらに専門性を身につけるため、転職を決意。経験してきた業務の一部が活かせる点などが評価され、営業事務への転職を実現。
伊藤
どちらの事例にも共通しているのは、「これまでの経験を活かしたい」という前向きな意思が、転職成功のカギになっている点です。
一人目の方は未経験職種への挑戦でしたが、しっかりと自己分析され、さらに資格取得などで具体的な行動に移したことが評価につながりました。
二人目の方は、総務での幅広い業務経験をもとに、専門性を高めたいという目的を明確にした上で応募先を選びました。
このように、たとえ異職種への転職であっても、自分の強みや目指す方向性を整理しアピールができれば、道が開く可能性が高まります。
今の仕事に悩みがあって、適職探しのヒントを見つけたいという方は、「転職タイプ診断」で自分に合った仕事スタイルを探してみましょう。
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転職タイプ診断を受ける(無料)まとめ
総務の仕事にやりがいを感じながらも、「自分には向いていないかも」「このままでいいのだろうか」と迷いを抱くことは珍しくありません。
そういった「総務に向いていないかも」という気持ちは、自身のキャリアを見直す大切なサインです。漠然とした不安を抱えたままにせず、まずはお気軽にdodaのキャリアアドバイザーにご相談ください。
「dodaの転職エージェント(dodaエージェントサービス)」は、オンライン・無料で利用できます。一緒にこれからの道を考えていきましょう。
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伊藤 笙汰(いとう・しょうた)
【経歴】
新卒で入社した会社で店舗運営全般や新店舗立ち上げ、改装業務など主に店舗に関わる業務に従事。その後、パーソルキャリア株式会社へ入社し、一貫してキャリアアドバイザーとしてバックオフィスの方々を中心に転職の支援をしている。中長期的なキャリアプランや、個人の価値観に寄り添った求人の提案を心がけている。
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dodaキャリアアドバイザー
伊藤 笙汰(以下、伊藤)
総務の仕事は書類提出などの締め切りを守らない人が多いという前提で、先回りして対応する必要があります。
相手の都合に合わせた対応が求められるため、他人に振り回されているような気持ちになる方もいるでしょう。