#074
2020.11.02
Q.頑張っているのに昇進できない。
同期は出世しているのにどうして?
なんで私だけ評価されないの?
昇進している人と私の違いって何?
同期が出世する中、同じように頑張っていても自分だけ役職がつかず、モヤモヤしていませんか? dodaキャリアアドバイザーの柏木あずさが、昇進できない原因や昇進するために押さえておくべきポイントを解説します。
そもそも、昇進することがキャリアとして本当に正しいのか
柏木は、前提として「本当に昇進したいのか?」を自分に問うことが重要だと話します。昇進できないことで悩むというより、実態は「年収と労働が割に合わない」「正しく評価されていない」ことに不満を持っているケースが多いのだとか。その上で、柏木は次のように指摘します。
dodaキャリアアドバイザー
柏木あずさ(以下、柏木)
働き方が多様化している昨今、昇進がすべてではありません。マネジメントが得意な人は昇進しやすいかもしれませんが、専門職の人はその専門スキルや技術を極めるのが自分に合っているケースもあります。いずれにせよ、自分らしく働くことが何より大事なのではないでしょうか。
周囲が昇進という分かりやすいキャリアを築いていくと、つい焦ったり不安に駆られたりして自分と比べてしまいがちですが、キャリアの積み上げ方は人それぞれ。自分に合ったキャリアとは何か、まずはそれを考えることが大事なようです。
昇進したくてもできない原因は?
先述の通り、本当に昇進したいのか自問自答した結果、本気で昇進したいと思ったなら、まずするべきなのは昇進できない原因を探ること。柏木は次の3つが代表的な原因だと指摘します。
昇進できない原因①:努力の方向性が間違っているから
英会話スクールや資格取得など社外活動にいそしんで、仕事ではない時間外労働に対しての評価を求めているケース。いくら仕事のためになると思った上での活動だとしても、会社が求めていることに対しての努力ではない場合、なかなか評価につながりません。
昇進できない原因②:プロセスを重視しすぎて、成果を上げられていないから
時間をかけたことや努力したこと自体に満足している可能性が。仕事のためになればと頑張ることはとても素晴らしい心意気ですが、最終的に成果を上げられていないと評価にはつながりにくいのが現実です。
昇進できない原因③:受け身の姿勢で仕事をしているから
仕事をきちんとこなしていても、受け身の姿勢でいるとなかなか昇進にはつながりません。受け身のスタンスによる弊害は、実は多岐にわたります。
柏木
たとえば、受け身でいるとタテ・ヨコのコミュニケーションが十分に取れていない可能性があります。積極的にコミュニケーションを取れないと、社内外で信頼関係を築くのが難しいだけでなく、仮に昇進しても他部署との連携や部下とのやりとりに不安を覚えてしまいます。
さらに、受け身でいると社内外の人間関係に影響して昇進できないだけでなく、昇進したいことすら伝わらない可能性もあると、柏木は指摘します。
柏木
上司の指示に忠実なだけで昇進できるとは限りません。上司が自分の頑張りを見てくれているはず、組織が自分にチャンスを与えてくれるはずなど、受け身の思考は捨てましょう。本当に昇進したい意思があるなら、自分がどうありたいかを上司に伝えてみてはいかがでしょうか。
昇進したいなら自ら上司にアピールすることが重要なようです。とはいえ、自分の意思やこれまでの実績を伝えるのはなかなかハードルが高いもの。どのように伝えるべきなのでしょうか。
柏木
上司に昇進への意欲を伝えるタイミングとしては、評価面談がベストでしょう。評価面談の際に、上司とゴール設定をするのです。ゴールが昇進なら、そのために何をするかを上司と決めます。たとえば、『私は昇進したいと思っています。そのために、この半期こういうことに取り組みたいと思います』と約束し、次の評価面談の際にその約束が果たされているか振り返ります。
評価面談の際に昇進したい意思を伝え、そのためにするべきことを上司と設定することで、上司も昇進を視野に入れて評価してくれるようになるようです。
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昇進するためには? 管理職の人がジャッジするポイント
いくら昇進の意思を伝え、そのための行動をとっていても、残念ながら昇進が確約されるわけではありません。実際にどのような素養を持った人が昇進するのか、柏木は次のように話します。
柏木
管理職に求められることの一つとしてあげられのは、視座が高いこと。具体的には、成功体験を体系化して周囲に伝えていけるような“再現性が高い人”が昇進しているようです。そのような人は、見ている幅が広く、ビジネスの観点でものを考えていますよね。
たしかに属人的なやり方だと組織で共有することができません。自分の視点だけでなく、会社全体を考えて行動できる人が昇進するようです。
柏木
逆を言えば、管理職で組織全体のビジネスの流れを見ていない人は少ないでしょう。たとえば、お客さんの立場に立った提案はできても、どれくらいの費用対効果なのか、利益を追求しているのか、そういった観点がないとビジネスは成立しませんよね。視座が高い人はそういう観点で行動できます。
それでも昇進できないなら、転職も検討してみよう
そもそも、会社の業績が悪くて昇進できるタイミングが合わない、または評価されても反映されないような斜陽産業にいるなど、自助努力ではどうにもならない外的要因で昇進できないことも。そのような場合は転職を検討するタイミング。柏木は次のようにアドバイスします。
柏木
まず、外的要因で転職を検討しているのであれば、外的要因が及ばない業界を選びましょう。具体的には、社会情勢の変化に対応できているかを見て、将来性や伸び幅があるかどうかを判断してください。たとえば、これだけリモートワークが進んでいて、インターネットがフル活用されている状況を見たら、そういう業界で選んでみるのも一つの手かもしれませんね。
まずは時流を捉えて業界の動向を追うことが重要なようです。
業界以外にも、ベンチャーと大手企業、どちらを選んだほうが昇進のチャンスがあるのか、違いはあるのでしょうか。
柏木
成長産業のスタートアップは新しい組織が拡大していくフェーズなので、マネジャーを増やしていることが多いです。また、人事制度の運用が柔軟なので、個人の責任範囲が広く、実績を作りやすいため、昇進するチャンスも多いでしょう。
一方で、昔からの会社でも新規事業に積極的に取り組んでいる企業も多いです。いずれにしても、伸びている業界に入れば昇進できるチャンスが多いということになります。
それと同時に考えるべきなのは、「これまで身につけたポータブルスキルを活かすことができる環境であるかどうか」だと柏木は話します。
柏木
昇進を目的として転職を検討しているのに、未経験の職種に挑戦するとなると、ゼロベースからになってしまいます。目的を昇進にするなら、これまでやってきたことを活かせるところに転職するべきでしょう。
自分の目的がはっきりしない方は、キャリアアドバイザーとのカウンセリングで言語化してみると軸を定めやすくなるのでおすすめです。
まとめ
- 昇進できなくてモヤモヤしている人は…
-
・昇進だけがキャリア形成ではない。自分らしく働くことが何より大事。
・努力の方向性が間違っていないか、受け身になっていないか、昇進できない原因を探る。
・外的要因で昇進できない場合は、転職を検討してみよう。
というアドバイスがありました。
そもそも、個々のキャリアによって選択肢は変わってくるので、昇進だけが正解ではありません。自分らしく働くことがどういうことなのか、迷ったらキャリアアドバイザーに相談してみるといいかもしれません。
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識者プロフィール
- 柏木あずさ
国家資格キャリアコンサルタント
米国CCE,Inc.認定GCDF-Japanキャリアカウンセラー - キャリアアドバイザーとしてインテリジェンス(現:パーソルキャリア)に入社後、10年以上にわたり営業・販売接客など顧客と接する部門での経験を持つ方の転職を幅広く支援。産休・育休を経て復帰してからは、女性の働き方はもちろん、キャリアとライフの双方の視点から転職活動を親身にサポートすることを心がけている。
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