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女性管理職のエピソードから導き出す「変えていく力」への近道 女性管理職のエピソードから導き出す「変えていく力」への近道

めまぐるしく変化する経営環境のもと、企業をはじめ職場や人もまた、絶え間なく変わっていくことが求められています。そんな中、管理職として、身近な人や職場、ビジネスを変え続けている女性たちがいます。彼女たちが変えてきたもの、そして、彼女たちに影響を与えてきたものとは何なのか。今回は、「対顧客」「組織・職場運営」「人材マネジメント」「自分の価値観」の4つの観点で、それぞれのエピソードをひも解き、「変えていく力」を発揮するためのヒントを見出します。

※この記事は2015年3月に発行した株式会社パーソル総合研究所の機関紙・別冊『HITO』でまとめた記事をWoman Careerが再編集しました。
※所属や肩書きは取材当時のものです。

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掲載日:2015年8月3日

株式会社アバント 女性管理職 ―必要なのは「自己効力感」 株式会社アバント 女性管理職 ―必要なのは「自己効力感」

藤井 久仁子(47歳)
株式会社アバント
執行役員 グループ人事担当 兼 グループ人事部長

※所属や肩書きは取材当時のものです

新卒で大阪のロイヤルホテルに入社した藤井さん。最初に配属を命じられたのが本社人事部で、そこから現在に至るまでの人事のキャリアがスタートしました。その後、数社で広報業務や人事を経験してきましたが、どの職場でもいきいきと輝き続けている秘訣は“自己効力感”だと語る藤井さんに、詳しくお話を伺いました。

株式会社アバント

業界シェアナンバーワン(※)の連結会計パッケージソフトの開発やコンサルティングサービス事業会社などを擁する企業グループの持株親会社。「プロフェッショナルサービスの大衆化」をミッションに、グループ会社の経営戦略の策定・管理を担う。※出展:富士キメラ総研ソフトウェアビジネス新市場

人事部のキャリアの中で得た「経営者視点」から見えてきたもの

1991年、新卒で大阪のロイヤルホテルに入社しました。もともとホテル経営や新規出店計画に興味があり、その希望を1年間の研修(ジョブローテーション)後の面談で話した結果、なぜか人事部配属に。ここから、現在に至るまでの人事のキャリアがはじまりました。

配属当初は、採用と人材育成を担当していましたが、2年半ほど経った時点で、労務企画という労務や人事制度を担当するチームへ異動になり、労働組合との交渉、人事異動発令、就業規則の改定など、企業の核となる部分に携わりました。人事で6年が過ぎたころ、「人事部の経験しかない人事パーソンは説得力がない」と感じ、社内公募制度で広報室へ異動。その後、広報という仕事に魅力を感じつつも、もともと事業の立ち上げに興味があった私に、一つの転機が訪れます。

社会人10年目を迎えるころ、関西でUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)立ち上げのニュースが話題となっており、これほどのビッグビジネスに関われるチャンスはまたとないと思い、転職に踏み切りました。USJオープン前の人事担当ということで、開業時に正社員1,000名人、アルバイト6,500人という体制を築くため、膨大な人数の採用・育成を担当しました。またUSJでは、入社して半年で主任に、その後も1年ごとに課長代理と課長を担当し、人材育成はもちろん新たな人事改革案への着手など、幅広く貴重な経験をさせてもらいました。その後、東京に移り、MTIにて初代人事部長に着任、そして現在の職場に至ります。

これまで20年以上人事の仕事に携わってきて感じたのは、「人材を育成する」ということだけでなく、人事部は経営者視点で物事を捉えていく必要があるということです。「自分が社長ならどうするか」「"自分事"として考える」という意識を、自分自身のみならず、ほかのメンバーとも共有するよう心掛けています。このような視点が持てるようになった背景には、20代のころから人事部長や役員、副社長ら経営陣と食事をしたり話をしたりする機会が多く、生の経営に関する話に触れられたことが大きかったと思います。もともとホテル経営に興味があったので、上の立場の方と話すことには抵抗がなかったため、結果的にこういった機会をたくさんいただけたのだと思います。

現在のアバントの社長は、社員のために会社がある、社員の成長機会につなげるために企業は成長する、という考えの持ち主です。この企業理念と社員の価値観をすり合わせながら、あくまでもお客さま志向のもとで会社全体を成長させるため、採用方法から育成、評価の仕組みなど、あらゆる面で経営戦略と方向性を合わせながら整備しているところです。

ひとりひとりが、いきいきと働ける環境にするために意識していること

「自分は役に立っていると実感し自信を持ってもらう」こと、これが"自己効力感"を醸成し、社員がいきいきと働く原動力になると私は考えています。

そのためにはまず、ともに働くメンバーに対する感謝の念を常に持ち、みんながいるから私も管理職として働けるということを忘れないことが重要です。自分は人に感謝されている、存在を認識されていると実感するための最たるものが、感謝の言葉や日々のコミュニケーションだと思うので、メンバーに対しても「ありがとう」や日々の挨拶を互いに意識するよう話していますね。強要するのではなく、それらの言動が必要だと感じてもらい、自発的に行うように促しています。そして一人ひとりの行動をまずは肯定し承認する、たとえば100%のうち50%しかできていない場合でも、まずはできている50%を認めるように意識しています。

また、単に上から下へ仕事を命ずるのではなく、社員それぞれが「なぜこの仕事をするのか?」と問うこと、経営者的感覚を意識することは非常に重要だと思います。会社や所属している部署のミッションと、いま着手している仕事がつながることで、自分が会社に貢献できていると実感できる。その充足感が結果的に、いきいきと働けることにつながるのではないかと思います。

個人個人の適性能力や可能性を引き出すことも、上司として重要な任務ですので、まずはコミュニケーションの総量を増やし、相手のキャリア観の理解に努めること。そして「どういうことをやりたい?」という希望を聞きながらも、仕事の意義や目的を本人が自ら考えて気づくことが大切です。相手が気づいていない場合は、人事の存在意義なども伝えつつ、自分が今やるべきこと、どうすれば会社に貢献できるかなどを考えてもらいます。自分で考えたことだからこそ、個人は納得して仕事に取り組み、いきいきと仕事ができるようになるのだと思っています。

そして相手のことをより深く理解するために、普段から少しでもコミュニケーションを取るよう、心掛けています。たとえば私の席は、メンバーたちの真ん中に位置しています。いわゆる「お誕生日席」よりも、誰もが話しかけやすいですし、こちらも常に皆がやっていることを把握できます。些細な点ですが、そんなところからも相互理解がはかれるよう努めています。

女性がもっと社会で活躍していくために、
自然に女性が溶け込めるような風土を作っていきたい

これから女性の管理職の割合が増えていくため、そして女性がさらに社会進出していくためには、やはり諸々の制度や環境が整うことが重要だとは思いますが、社会や企業が変わってくれば…という受け身の姿勢ではなく、自分自身で変えていくことを意識しなければと常に感じています。女性でもしっかり働ける、成果が出せるという事例が増え、周りに認識してもらうことで、地道ですが、会社や社会全体が少しずつ変わっていくのではないかと思うのです。まずは、目の前の仕事に、男女関係なく一生懸命取り組む。そんな当たり前のことを、きっちりとこなしていくことが大切なのではないでしょうか。

それから、やはりまだまだ男性が圧倒的に多いビジネス社会に女性が飛び込んでいくためには、「感情的で気分屋」というような女性のマイナスイメージを変えていく必要があると考えます。女性の特性を理解した上で、逆にコントロールしていくこと。女性が感情的に怒ると「やっぱり女性だから」などという目で見られがちなので、そう見られることを意識し、より気をつけて行動するようにしています。男性社会の中で、女性が「異質な存在」ではなく、自然に溶け込んでいけるような環境作り、受け入れてもらえる風土を女性自身が作っていくことが、これからの課題でもありますね。

今後の展望としては、やはり私自身も「さらに会社の役に立ちたい」、ひいては「世の中の役に立ちたい」と考えています。そのことが、自分自身をいきいきとさせてくれると思いますので。具体的には、仕事以外でもNPOの活動に参加したり、大学主催のキャリア関連勉強会などに携わったりしています。より広い世界に触れて知的好奇心を高め、それを本業へ持ち帰ることで、私自身も"自己効力感"を高められるよう意識しています。そしてまたこれらの経験を、長いスパンで社会に還元していければ、と思っています。

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