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女性管理職のエピソードから導き出す「変えていく力」への近道 女性管理職のエピソードから導き出す「変えていく力」への近道

めまぐるしく変化する経営環境のもと、企業をはじめ職場や人もまた、絶え間なく変わっていくことが求められています。そんな中、管理職として、身近な人や職場、ビジネスを変え続けている女性たちがいます。彼女たちが変えてきたもの、そして、彼女たちに影響を与えてきたものとは何なのか。今回は、「対顧客」「組織・職場運営」「人材マネジメント」「自分の価値観」の4つの観点で、それぞれのエピソードをひも解き、「変えていく力」を発揮するためのヒントを見出します。

※この記事は2015年3月に発行した株式会社パーソル総合研究所の機関紙・別冊『HITO』でまとめた記事をWoman Careerが再編集しました。
※所属や肩書きは取材当時のものです。

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掲載日:2015年11月16日

株式会社丸紅  女性管理職 ―考えることが仕事の始まり。時代の変化に合わせて、これからの商社をつくる人材に育てたい 株式会社丸紅  女性管理職 ―考えることが仕事の始まり。時代の変化に合わせて、これからの商社をつくる人材に育てたい

許斐 理恵(41歳)
丸紅株式会社
人事部ダイバーシティ・マネジメント課長

※所属や肩書きは取材当時のものです

丸紅株式会社の産業プラント部、ソリューション事業部、社内向けITインフラを担当する情報企画部、アメリカのSOX法を先取りして導入する内部統制システム整備プロジェクトへの参加、そして現在の人事部ダイバーシティ・マネジメント課長と、多種多様な部署で活躍してきた許斐さん。ジャンルの違う仕事でチャレンジを続けられた秘けつは「この仕事は誰のため、何のために必要なのか」という問いから始める、許斐さん流の方法論にありました。

丸紅株式会社

1858年創業。日本を代表する総合商社の一つとして、食料、繊維、資材、紙パルプ、化学品、エネルギー、金属、機械、金融、物流、情報関連、開発建設などの分野において、輸出入および国内取引、事業投資、資源開発などを展開する。

5回の異動で培った変化への対応力
「疑問を持つこと」が仕事のスタート

私の経歴は少し変わっているかもしれません。1998年に丸紅に入社して現在に至りますが、入社時には産業プラント部に配属され、ソリューション事業部、情報企画部、リスクマネジメント部(内部統制システム整備プロジェクト)を経験してきました。そして出産後の復職と同時に配属されたのが、現在の人事部です。商社は一つの分野を専門としてキャリアを重ねる人が多いので、これだけさまざまな部署に異動するのは珍しいと思います。異動のたびに専門的な知識も経験もない状況になるため、新しい仕事にどう向き合うかが毎回課題でした。

これまでの異動先を振り返ると、二つのパターンがありました。一つ目は自分を含め、知識や経験のないメンバーで新しい仕事を始めなければいけない状況です。入社6年目に参加した、内部統制システム整備プロジェクトは、日本には前例もなければ知識を持った人も少なく、プロジェクトメンバーとゼロから取り組みました。この時に心がけたのは、とにかく発言を多くするということ。ゼロから何かを生み出すためには発想の種類も数も必要なので、意見を出し合って方向性を見いだすのが重要だからです。

二つ目はプロフェッショナルなメンバーの中に、自分だけが素人として飛び込む状況。ソリューション事業部と情報企画部に配属された時には、自分にITの知識がほぼない中で、商社のトレードビジネスにITを活用するための企画や、社内システムの更新を手がけました。この時は、まずは学ぶことに集中しましたが、何も知らないというのは強みでもあるので、当たり前に進行している業務に対して、「なぜだろう」と新鮮な疑問を持つことを意識しました。「なぜこのプロセスが必要なのか」「なぜここに人員が必要なのか」と声を挙げたことがきっかけで、業務プロセスの見直しにつながったこともありました。

多くの異動をしましたが、これらの経験を通して変化への対応力が培われ、それぞれの場面での振る舞い方も身につきました。今では、異動があっても動じることなく、業務に向き合えるようになりましたね。どの部署に配属され、どの分野の仕事をするとしても、本質を見失わずに方向性を定めるためには「この仕事が誰のため、何のために必要なのか」を突き詰めることが不可欠です。それが仕事のスタートになっていくことには変わりません。

女性社員の声を聞くことで明らかになった
育児と仕事の両立に感じているプレッシャー

今、課長を務める人事部ダイバーシティ・マネジメント課は、多様な「個」の活躍を組織の競争力の源泉とするために、さまざまな施策を企画・展開する組織です。09年に設立され、現在は女性総合職とシニア人材の活躍推進を主なテーマとしています。13年には女性社員へのアンケートとインタビュー調査を実施しました。「ワーク・ライフ・バランスを会社が支援する必要性とは」「女性社員たちが本当に会社に求めているのはどんなこと」という疑問があったからです。女性社員と直接話してみると、女性社員と会社の間にある認識のずれに気づきました。当社は入社から8年間を人材育成期間としており、十分なキャリアを身につけてから管理職を目指すという仕組みになっています。しかし女性社員はその前後に経験するかもしれない出産や育児を見据えて、どのようにキャリアを積むべきかを早い時期から考えていました。

私は07年、入社10年目の時に育児休業を取得したのですが、当時は女性社員が今ほど多くなく、ダイバーシティという考え方も社会的に広く認識されていませんでした。しかし、これから結婚や出産を考えている女性社員たちは「復職後のために早くキャリアの価値を高めておかなければ」「どのタイミングで出産し、どんな働き方をしていこうか」と、若いうちから仕事と育児の両立について考え、悩んでいます。早い時期から将来に対して漠然とした不安を感じている女性社員が多いことに驚きましたね。会社に貢献することは大切ですが、出産によって生じるブランクを個人だけの問題として片付けるわけにはいかない。彼女たちの不安を会社が理解して、互いに解消することが必要だと考えています。構造的な問題を解決しながら、ダイバーシティを進めていかなければなりません。

自らの業務でも効率化を実践
時代の変化に合わせてダイバーシティに取り組む

育児と仕事を両立するためには、いかに無駄なく時間を使うかが勝負だと思っているので、普段の業務ではスピードを常に意識しています。管理職としては、メンバーの業務状況の把握や、優先順位を見極めていくこと、そしてメンバーが行き詰っているような時はボトルネックを一緒に解消する必要があります。「金棚」と称して毎週金曜日に課のメンバーと10分ほどの面談の時間を設け、「業務の棚卸し」をすることに取り組んだ時期もありました。これは他社でやっているという記事を読んでさっそく導入してみた試みです。一対一でコミュニケーションを図ることで、お互いの仕事の癖も理解できますし、一緒に棚卸しを繰り返すと、メンバー自身が仕事の優先順位をつけられるようになり、より円滑に業務が進むようになりました。

実際に人をマネジメントするのはそれぞれが所属する部署なので、人事としては、現場で人が育つような仕組みを作らなければなりません。そのため、「何かあった時」に頼りになる人事部でありたいと思っています。人事施策というのは、過去の成功体験を基に語られることが多いのですが、成功体験をなぞるだけでは課題を見誤ってしまいます。私自身も女性社員へのアンケートを通して気づかされたように、時代の変化の中で社員の考え方や取り巻く環境も変化します。人事には、冷静に現状を把握して、正しい情報をインプットし続ける責任があると考えています。今の社員の価値観を理解した上でダイバーシティを進め、育児や介護など、さまざまな状況の中で頑張ろうとしている社員が成果を出せるよう、経営側と社員の間をつなぐことができる存在でありたいですね。

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