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接客業に向いてない…と感じたらどうすべき?原因と対処法を解説
更新日:2024/11/28
飲食店のホールスタッフやホテルの受付、美容師などに代表される接客業は「人の役に立てる」「感謝される」などの魅力的な面が多い職業です。しかし、接客業の仕事をしている人の中には、「自分は接客業に向いてない…」と自身の適性に疑問を持ちながら働いている人もいるでしょう。そこで本記事では、接客業に向いていないと感じた場合の対処法を紹介します。接客業から異職種に転職できるのかも解説しているので、ぜひ参考にしてください。
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接客業は多くの人と出会え、さまざまな価値観に触れ合える魅力的な職業です。しかし一方で、「自分は接客業に向いてない」と感じる人もいます。
そこで、まずは「接客業に向いてない」と感じてしまう原因について見ていきましょう。ここでは、代表的なものを4つ紹介します。
不特定多数の人と関わることがあまり好きではないから
接客業は、ほぼ決まった人とのやりとりしか発生しないという状況は少なく、不特定多数の人と関わるのが一般的です。
中には常連もいるかもしれませんが、お客さまのほとんどが初対面であるため、初対面の人ともスムーズに会話できるコミュニケーション能力が求められます。
さらにお客さまと接する時間は短時間であることが多いため、その短い間にお客さまの要望を引き出し、最適な提案・対応をしなければなりません。
そのため、引っ込み思案な人や初対面の人とコミュニケーションを取るのが苦手、緊張するという人の中には、「接客業に向いてないかも」と思ってしまう人もいるでしょう。
自分のことを気が利かないタイプだと思っているから
接客業では、お客さまの要望を聞き出し、最適な提案・対応をすることが求められます。
会話から分かる部分はもちろん、お客さまが心の中で思っていることまで推測して動くことで、本当のニーズを満たし、リピート利用や顧客化につながります。
また、商品や備品の減り具合などもチェックして、お客さまに不便が生じないよう補充しておくといった広い視野も必要です。
こうした気が利く/利かないは、性格による部分もありますが“慣れ”の要素も大きいため、経験を積んでいくうちにできるようになっていく可能性が十分あります。
しかし、特に接客業を始めたばかりの人だと、「そんな気遣いできない」「だから自分は接客業に向いてない」と思ってしまうことがあるでしょう。
臨機応変な対応が苦手だから
接客業では、接客マニュアルが用意されていることがあり、新人のうちはそのマニュアルに沿って接客するよう教育される会社もあります。
しかし、実際にお客さまを相手にした接客では、マニュアル外の対応を求められることも。しかも、その対応次第でお客さまの満足度が大きく変わることもあるでしょう。
一方で、満足度向上のためとはいえ、際限なくお客さまの要望に応えるわけにもいきません。
マニュアルから逸脱したとしても会社として利益を損なわない行動を取ることが求められるため、臨機応変な対応が苦手な人にとっては、「接客業は向いてない」と感じてしまうこともあるでしょう。
就業前のイメージと実際の仕事内容が違うから
対面で接客する飲食店のスタッフや声で案内するコールセンターのスタッフなど、接客業とひと言で言ってもさまざまな業種・職種があります。
そうした中で就業前のイメージと、実際の仕事内容や業務で求められるスキルが違ったことにより、「接客業に向いてない」と落ち込む人もいます。
例えば「コールセンターであれば対面でない分、接客業感が薄いので自分にもできるだろう」と思って就業したものの、声だけを頼りにお客さまの要望や感情を読み取らなければいけないことに高いハードルを感じ、挫折してしまうというケースもあります。
こうしたことは実際に就業してみないと分からない部分もある一方で、ある程度は職業研究や企業研究で分かるため、事前の情報収集が重要です。
接客業に向いてないと悩んでいる場合は、自分自身を知るためのヒントとして、下のボタンから「キャリアタイプ診断」を試してみませんか。
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キャリアタイプ診断を受ける(無料)接客業に向いてないと思ったときの対処法
接客業に向いてないと思った場合は、下記の対処法を試してみてください。
なぜ接客業に向いてないと感じるのか自己分析をする
接客業に向いてないと感じたら、まずはその原因を探りましょう。
「接客業そのものに苦手意識を感じているのか」または「職場環境や人間関係などの外的要因によって接客が向いてないと感じているのか」によって、対処法が大きく異なるからです。
そのため、前述の「向いてないと感じる原因」を参考にして自己分析を行ってみてください。
「向いてない」と感じる原因を探り当て、その原因が自力で変えられるものなのか、または自力ではどうにもならないものなのかまで深掘りしてみましょう。
接客業に向いてないと感じた原因をポジティブに変換する
自己分析した結果、「向いてない」と感じる原因が自力で変えられるものであった場合、その原因をポジティブな視点で見直してみましょう。
例として「気が利かないと思っている」場合で考えてみます。
「自分は気が利かない」と落ち込む場面に遭遇したら、似たようなケースに直面した場合の対応策を考える良い機会を得たと捉えてみてください。
それを繰り返していくことで、いつの間にか「気が利かない人」から「気が利く人」に変わることも可能です。
成長の過程でお客さまからの感謝の言葉や、同僚・先輩などから称賛される機会が増えれば、やりがいも出てきます。
このように「向いてない」とネガティブに捉えていることでも、ポジティブに変換できれば接客業を楽しいと思えるようになるでしょう。
周りの人に相談する
自分自身は接客業に向いてないと感じていても、周りから見たら向いていると思われているケースもあります。
例えば自分では気が利かないと思っていたとしても、同僚や上司、友人からは気遣い上手と思われているかもしれません。
そうした場合に「接客業に向いてない」と感じているのは、思い込みの可能性が高いといえます。
しかし、これを自分自身で気づくのは至難の業。
そのため、「接客業に向いてないかもしれない」と迷った場合は、一人で抱え込まずに同僚や上司、友人など周りの人に相談し、客観的な意見を聞いてみましょう。
どうしても無理なら転職を検討する
これまで紹介してきた対処法を試してみても「どうしても無理だ」と感じたり、そもそもの原因が自力では変えられないものであったりしたら、転職も視野に入れてみましょう。
接客業自体が無理なのであれば、自身の特性や能力・スキルを活かせそうなほかの職種へキャリアチェンジするのも一つの手です。
一方、現職の環境や人間関係、社内制度など自力で変えられない事柄に嫌気が差している場合は、接客業のまま別の会社に転職するという選択肢もあります。
転職によって環境を変えることで接客業を嫌いにならずに済むかもしれません。
榎本
接客業が向いてないと感じる理由を深掘りせずに転職してしまうと、また同じ不安を抱えてしまう可能性があります。深掘りして分かったその理由が、自分でコントロールできたり、一定期間が経過すれば改善したりするのか、またはどうにもならないのかを見極めた上で、どうにもならない場合は転職も考えてみてはいかがでしょうか。
転職すべきかどうか判断に悩む場合は、以下の記事をご覧ください。「転職するか判断するための4つの質問」がきっと役に立つはずです。
接客業から未経験の職種に転職できる?
ほかの職種へ転職するとしても、接客業から未経験の職種に転職できるのかどうか気になる人は多いと思います。
結論を先に言うと、接客業で得た経験やスキルをうまくアピールできれば、未経験の職種でも転職できる可能性はあります。
ただし、転職のタイミングによって求められるものが変わってくるので注意が必要です。
一般的に転職市場では、20代はポテンシャルを重視した採用が行われ、30代以降になると即戦力かどうかを重視した採用に切り替わっていきます。
そのため、20代は仕事の経験を交えながら熱意や意欲を、30代は接客業で得たスキルや経験を転職後も活かせることをアピールできれば、未経験の職種への転職がしやすくなるでしょう。
榎本
接客業は目に見える形のスキルや資格があるわけではないため、転職しづらいと思われがちです。しかし、自分では気づいていないだけで、何かしらの経験やスキルを身につけているはず。それらを棚卸しし、うまくアピールできれば未経験職種への転職も可能になります。ただし、年代によって転職事情が変わるため、転職タイミングに応じてアピール方法を変える工夫が必要です。
未経験での転職についてもっと詳しく知りたい人は以下の記事をご覧ください。不安解消の役に立つはずです。
接客業の経験やスキルを活かせる職種
接客業の経験やスキルを活かせる職種であれば、未経験でも転職しやすいのは前述のとおりです。では、具体的にはどのような職種なのでしょうか。
接客業を経験した人は、人の話を聞く傾聴力や、お客さまのニーズに合わせた提案力、臨機応変な対応力、複数のことを同時にこなすマルチタスク力などのスキルが多かれ少なかれ身についていると考えられます。
これらの経験・スキルを活かせる職種として、下記の例が挙げられます。
- 事務職
- 有形商材の営業職
事務職では、他部署の人と連携を取ることが多いため、接客業で培った人当たりの良さやコミュニケーション能力が活きてきます。
営業職の中でも特に有形商材を扱う営業職であれば、人当たりの良さやコミュニケーション能力、提案力を活かせるでしょう。
有形商材とは、食品や衣料品、家電など、目に見える形のある商品のことです。
商品が目に見え、手で触れられることから、保険やIT、情報などの無形商材よりも営業しやすく、未経験者でも成果を出しやすい傾向にあります。
榎本
接客業から親和性が高い業種・職種へ転職した方の例として、ドラッグストアの販売員をしていて、医療機器メーカーの営業職に転職した方がいます。一方、まったくの異職種に転職した例としては、手に職を付けたいとの理由からITエンジニアに転職した方がいます。
営業職や事務職について、より詳しく知りたい人は以下の記事をご覧ください。
接客業からほかの職種に転職するときのポイントと注意点
接客業から他職種に転職する際には、次のポイントと注意点を押さえておきましょう。
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転職の目的をはっきりさせる
転職によって何をかなえたいかを明確にすることによって、希望条件が固まってきます。ここでポイントなのが、転職理由の深掘りです。面接の場で「人間関係が悪いから」や「給与が低いから」など、ネガティブなまま伝えてしまうと面接官に悪印象を持たれやすく合格が遠ざかります。転職理由を深掘りし、自身が本当は何を望んでいるのかを明確にして、ポジティブに説明できるようにしましょう。
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自分の強みを理解する
どういう仕事を任されることが多いのか、どういうことを楽しいと感じるのかを分析し、自分の強みを理解しましょう。自分だけで考えていると行き詰まりやすいので、周りの意見を聞いてみるのもおすすめです。自分の強みを軸にすると、転職の方向性も見えてきやすくなります。
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自己分析に合わせて応募企業を選ぶ
「転職によってかなえたいこと」と「自分の強み」の両方をかなえられる企業を探すのが理想です。この両方をかなえられる企業に採用されれば、後悔ない転職を実現できるでしょう。
榎本
「強み」には、「人柄」と「業務に活かせるスキル・能力」の2種類があります。一般的に「強み」というと、後者に注目しがちですが、周囲と協力し業務を円滑に進めるためには、明るさや優しさ、気が利くなどの「人柄」も十分強みになり得ます。そのため、能力やスキルと合わせて、自身の性格や気質にも着目して、自身の強みを発掘してみましょう。
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まとめ
接客業に向いてないと思ったとしても、すぐに転職活動を始めるのではなく、いったん立ち止まって「なぜそう感じるのか」を深掘りしてみましょう。
「向いてない」と感じる理由を追究することで、現職にとどまるのか接客業を辞めるのか、または別の会社に移ればよいのか、今後の方向性が見えてきます。
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榎本 菜緒(えのもと・なお)
【経歴】
パーソルキャリア株式会社に入社以来、キャリアアドバイザーとして主に販売・サービス職を担当。キャリアチェンジ希望者も含め、多くの方に対してキャリアカウンセリングを行っており、納得感のある転職ができるよう転職活動を支援している。
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榎本 菜緒(以下、榎本)
接客業では、社交的な人柄やお客さまのニーズを察する洞察力、気づいたことに対する行動力、提案力などが求められますが、これらは経験を積めばある程度身につきます。しかし、自分の性格や特性など変えられないものを無理に変えてまで接客業に従事していると、そのギャップに疲弊してしまい、「向いてない」と感じてしまうケースが多々あります。