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接客業を辞めたいときの対処法!転職した人の例や経験を活かせる職種は?
更新日:2025/1/23
接客業は多くの人を笑顔にできる魅力的な仕事ですが、実際に働いている人の中には「辞めたい」と思っている人もいるでしょう。そこで本記事では、接客業を辞めたいと思ったときの対処法から辞めたあとのキャリアパス、接客業の経験を活かせる職種などを紹介します。「接客業を辞めたい」と思っている人はぜひ参考にしてください。
接客業を辞めてどんな仕事をする?
自分に向いている働き方・仕事が分かる!
接客業は魅力的だけど流動性の高い仕事
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ホテルの従業員や企業の受付、カスタマーサポートなど、接客業とひと言で言ってもさまざまな職種があります。
職種によって細かな違いはありますが、多くの接客業に共通するのが「お客さまの役に立てる」ということです。
お客さまに対する細かな気遣いや不安の解消をサポートすることで感謝され、やりがいを感じやすい仕事が接客業だと言えるでしょう。
また、さまざまな人と出会い、その人たちの価値観に触れられる魅力的な仕事でもあります。
その一方で、人材の流動性が高いのも接客業の特徴です。そのことを表すデータとして、厚生労働省の雇用動向調査(令和4年)があります。
これによると、接客業を含む産業である「宿泊業・飲食サービス業」「生活関連サービス・娯楽業」「サービス業(他に分類されないもの)」は入職率・離職率ともに高く、全産業の1~3位を占めています。
産業 | 入職率 | 離職率 |
---|---|---|
宿泊業・飲食サービス業 | 34.6% | 26.8% |
生活関連サービス・娯楽業 | 23.2% | 18.7% |
サービス業(他に分類されないもの) | 19.5% | 19.4% |
接客業以外の職種も含まれている可能性があるため、これらの数字をそのまま接客業の入職率・離職率と見なすわけにはいきません。
しかし、参考値として見ることはできるでしょう。
接客業を辞めたいと思っている自分を「なんて弱い人間なのだろう」「こらえ性がない」と責めてしまう人もいると思いますが、これだけ流動性が高いのですから、思い詰めすぎる必要はありません。
ではなぜ、魅力的な職種であるにもかかわらず、接客業は流動性が高くなってしまうのか。次章からはその理由を見ていきましょう。
接客業を辞めたくなる理由ランキング
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魅力ややりがいが多く、入職率が高い一方で、離職率も高い接客業。このギャップについて、転職のプロであるdodaのキャリアアドバイザーに理由を聞いてみました。
その回答をもとに、「接客業を辞めたくなる理由」として挙げる求職者が多い順にランキング形式で紹介します。
1位:土日に休みづらい
商業施設や娯楽施設、宿泊施設などは、平日よりも土日祝日のほうが利用客が多く、接客業にとっては稼ぎ時です。
特にゴールデンウィークや夏休み、冬休みなどの大型連休は利用者も増えるため、接客する側は一人でも多くの人員を確保する必要があります。
結果として、接客業では土日祝日、大型連休など世間が休みのときに休暇を取りにくいのが現状です。
そのため、友人や家族と予定を合わせづらく「辞めたい」と考える人が多くいます。
2位:体力的・精神的にきつい
接客業は立ち仕事が多く、来店時間や接客対応など、お客さまの予定に合わせて行動することも多いため、体力的にも精神的にもきついと感じることがあります。
特に人気店や人員が少ない店舗・事業所では、繁忙期になると休憩なしで働いたり、残業が増えたりするため、体力を消耗し、仕事が終わったら家に帰って寝るだけで1日が終わってしまうこともあるでしょう。
忙しさにより体力が削られ、プライベートを充実させようという気力がなくなる点も「辞めたい」と感じる理由の一つとして挙げる人がいます。
榎本
ホテルや24時間営業のスーパーなど、夜勤のある接客業に従事している人の中には、体力的にきついから接客業を辞めたいという人がいます。特に年齢を重ねると、夜勤や立ち仕事がつらいと感じることが多いようです。
3位:収入が低い
女性の平均年収ランキング2024年版によると、接客業を含む「販売/サービス系」職の女性の平均年収は310万円でした。一方、全職種合わせた女性の平均年収は366万円と50万円以上の開きがあります。
接客業とひと言で言ってもお客さまへの応対から始まり、商品販売であれば在庫管理や店舗の掃除、電話対応、クレーム対応など、業務は多岐にわたります。
業務内容は多い一方で、ほかの職業に比べて給与は低く、昇給もしづらいことから離職につながるケースも多々あります。
榎本
とても意義のある仕事であるにもかかわらず、給与が見合わないことに不満を募らせて接客業を辞めてしまう人もたくさんいます。特に家庭を持つ男性の場合、家族を支えるために収入を増やす必要があり、転職を決意される方が多くいます。
4位:ノルマがきつい
接客業では売り上げノルマを設けられていることもあります。
1日のノルマをはじめ、週間・月間でノルマを設定されているケースもあり、数字を追わなければいけない日々に疲れを感じ、「辞めたい」と思う人もいます。
また、ノルマを達成できないと評価が下がるケースもあり、そのことに不満を募らせて退職・転職を決める人も少なくありません。
榎本
ノルマの達成度は能力差を見せつけられているようでつらいです、と言っていた方もいます。ノルマを気にせず伸び伸びと接客をしたい場合は、接客業であってもノルマのない(またはあまり重視されない)仕事への転職も視野に入れてみるといいでしょう。
5位:人間関係・職場環境に悩まされる
接客自体は嫌いではないのに、職場の人間関係や雰囲気、環境などが悪く、そのストレスで接客業を辞めたいと感じる人もいます。
また、「人の役に立ちたい」と思って接客業に就いたのに、従業員がお客さまの悪口を言うような職場だったので耐えられず、辞めることにしたという人もいます。
榎本
「接客業を辞めたい」と思う要因が職場の環境にある場合は、思いきって転職して環境を変えるのも一つの手です。良い環境・人間関係に恵まれれば、接客をより好きになれるかもしれません。
6位:カスハラ・クレーム対応がつらい
お客さまの中には、悪質なクレームやカスハラ(理不尽な文句や嫌がらせなど)をしてくる人もいます。時に、そうした人たちへの対応で疲弊し、精神を病んでしまうことも。
こうしたクレーマーや暴客に対しても、ていねいな対応を求められるのが接客業のつらい部分でもあります。
榎本
SNSが発達した昨今は従業員の行動一つで企業イメージが失墜することもあり、企業側が強く出られないことがカスハラ・クレーマーが増える原因の一つだとも言われています。クレーム対応のガイドラインがなく、現場任せになっている職場だとストレスを感じやすいでしょう。
7位:接客業に向いていない気がする
接客業では、初対面の人と接したり、不特定多数の人とコミュニケーションを取ったりする必要があります。
さらにお客さまの満足度を高め、リピートにつなげるために臨機応変に対応する力やニーズを汲み取る力、提案力など、さまざまなスキル・能力が求められます。
働き出してからそのことに気づき、「接客業は向いていないから辞めたい」という考えに至る人も少なくありません。
榎本
接客業が向いていないと感じるのは、単純に経験不足なだけという可能性もあります。接客業で求められるスキルや能力は、経験を積んでいくうちに自然と身につくものも多いからです。そのため、接客業を辞めたいと思う理由が「向いていないと思うから」なのであれば、いったん立ち止まり、本当に向いていないのか見つめ直したほうがいいかもしれません。
8位:ライフプランが立てにくい
全国展開している企業で接客業に従事している場合、雇用形態によっては全国各地に転勤することもあります。中には、突然、辞令を言い渡されることもあるようです。
結果として、家族がいる場合はライフプランが立てにくくなるため、「接客業を辞める」という考えに至るケースが多々あります。
榎本
転勤がある場合は、その度に居住地を変えることになるため、生活基盤が整うまでの苦労も絶えません。特に結婚している場合はパートナーやお子さまにも苦労をかけるため、辞めたいと考える人も増える傾向にあります。
接客業を辞めてどんな仕事をする?
自分に向いている働き方・仕事が分かる!
接客業を辞めたいと思ったときの対処法
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ここからは、接客業を辞めたいと思ったときの対処法を紹介します。
本当に接客業を辞めたいのか自己分析をする
「接客業を辞めたい」と思ったら、まずはその原因がどこにあるのかを深掘りする必要があります。
本当に接客業を辞めたいと思っているのか、それとも接客業自体ではなく、職場環境や人間関係などに原因があって「接客業を辞めたい」と思っているのか。
ここが明確にならない限り、進むべき方向が見えてきません。
原因が不明瞭のままやみくもに動いてしまうと、職場や人間関係の悪化、労働条件の悪化を招きかねないため、まずはなぜ接客業を辞めたいと感じたのか、その原因を突き止めましょう。
自己分析のやり方やとっかかりが分からないという人は以下の記事をご覧ください。
周囲の友人・家族などに相談してみる
自己分析をする場合におすすめなのが、周囲の友人や家族など、人に相談することです。
他人に話すことで、気持ちの整理ができるだけでなく、自分自身では気づけなかった気持ちに気づけたり、客観的な意見をもらうことで今後の方向性が見えてきたりします。
特にストレスなどにより精神的に追い詰められているときは、視野が狭くなりがちです。
考えを変えればうまくいくこともあるので、自分の意見だけでなくほかの人がどう思うのかを聞いて、本当に辞めるべきかどうかの参考にしましょう。
相談相手がいないという人は、以下の記事をご覧ください。相談相手の見つけ方を解説していますよ。
ちょっと休んでみる
忙しくてゆっくり考える暇がないという方は、有休などを活用して少し休んでみるのも一つの手です。
ストレスや疲れが溜まっていると、どうしてもネガティブな方向に考えてしまいます。一時的に仕事から離れ、身体も心も落ち着いたら、冷静に考えられるようになるかもしれません。
すると、仕事に対するモチベーションが戻ってくることもあるでしょう。
また、気持ちに余裕が出てくれば、思考の幅が広がり、今までとは異なる考え方や方向性が見えてくることもあります。
転職先を探してみる
接客業を辞めたいと思ったら、転職する/しないにかかわらず、とりあえず転職先を探してみるのもおすすめです。転職活動をしたからといって、必ずしも転職する必要はありません。
世の中には無数に職場・職種があります。現状に悩んでいるのであれば、視野を広げる意味でも、どういった条件で求人が出ているのか、面白そうな企業はないかなど、気軽に求人を眺めてみましょう。
職種を絞らず求人を眺めることで、興味のある職種が見つかる可能性があります。反対に「やっぱり接客業がいい」と思うかもしれません。
前者の場合は、キャリアチェンジを目指して異職種への転職を検討するのもありでしょう。後者の場合は、接客業のまま職場だけを変えるという選択もありです。
転職サイトを活用して自力で転職先を探すのもよいですが、特に体力的にも精神的にも疲れている場合は転職エージェントの活用がおすすめです。
転職エージェントであれば、転職のプロであるキャリアアドバイザーが転職成功まで伴走してくれます。
転職エージェントの活用方法について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。年代別に解説しています。
転職エージェントの年代別(20代・30代・40代以上)活用法とメリット
榎本
接客業に限った話ではありませんが、衝動的に辞めてしまうと転職がうまくいかなかったときに後戻りができなくなります。そのため、辞めたいと思ったら、まずは自己分析や周囲の人への相談を通して、辞めたいと思った原因を深掘りすることが大切です。転職する気がなくても転職メディアや求人情報サイトなどを眺めてみることで、本当はどうしたいのかが見えてくることもあります。
接客業を辞めてどんな仕事をする?
自分に向いている働き方・仕事が分かる!
接客業を辞めたあとのキャリアパス
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接客業を辞めたあとのキャリアパスとしては、以下のような接客業で培った能力を活かせる職種に転職するケースが考えられます。
- コミュニケーション能力
- 人当たりの良さ
- 臨機応変な対応力
具体的な職種について知りたい人は、後述の「接客業の経験を活かせる職種」を参考にしてみてください。
接客業の経験を活かせる職種
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接客業の経験を活かせる職種には次のようなものがあります。
- 営業職
- 事務職
- 受付
- 秘書
- コールセンター
- 介護職
- IT系職種
これらの職種であれば、コミュニケーション能力や臨機応変な対応力など、接客業で身につけたスキルや経験を活かしやすいでしょう。
ただし、キャリアチェンジのしやすさは年齢によっても大きく左右されます。
20代までは実務経験だけでなくポテンシャルも重視した採用が行われるので、異なる職種へのチャレンジがしやすいでしょう。
一方、30代になると実務経験やスキルを重視されるようになるため、即戦力になれることをアピールする必要が出てきます。
経験やスキルを棚卸しし、転職先の職種にどう活かせるかを考えることが重要です。
榎本
20代でキャリアチェンジした人の例としては、接客業から有形商材の営業や、中には未経験のITエンジニアに転職を成功させた女性もいらっしゃいます。
接客業を辞めてどんな仕事をする?
自分に向いている働き方・仕事が分かる!
接客業を辞めて転職した人の例
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次に接客業から異なる職種に転職した人や、異なる業種の接客業に転職した人の例を紹介します。
■27歳女性
アパレル店員から人材派遣コーディネーターへ
アパレルブランドで販売職をしていた際に、「できることの幅を広げたい」という思いから転職を決意。「人のために何かしたい」という利他精神と、これまでに身につけたスキルを活かすことを軸に転職活動を行い、3カ月で人材派遣コーディネーターへの転職を実現。
転職後、1カ月ほど経ってから「めちゃくちゃ満足しています」というメッセージが届きました。
■35歳男性
小売りの販売職から飲食店の店長にステップアップ
前職では制度的にスキルアップやステップアップの速度が遅かったこと、年収が低かったことに不満があり、転職活動を開始。約3カ月の活動で、大手飲食店の店長への転職に成功。
転職後は目に見えて年収が上がったことに加え、前職よりも裁量権の大きい立場に就いたことで、お客さまのためにできることが増えたと喜んでいました。
榎本
一人目の女性のケースは、自身がかなえたいこと(=人のために何かしたい)を明確にできていたことが功を奏したと言えます。二人目の男性のケースは、小売りから飲食へと業態が変わったものの、今までの経験を活かせる転職でした。
接客業は異業種や異職種への転職が難しいと思われがちですが、年齢や経験に応じて応募先やアピールポイントを検討すれば、可能性は広がります。
年代別に転職成功のコツを知りたい方は以下の記事をご覧ください。何が求められているのか、ありがちな失敗などについても解説しています。
【20代女性向け】転職成功のコツ|企業の選び方やありがちな失敗も紹介
まとめ
接客業を辞めたいと思った場合は、まず辞めたい理由を深掘りし、どこに「辞めたい」と思った原因があるのか探る必要があります。
その上で転職を決意した場合は、「土日に休みが取りやすい」や「給与を上げたい」など、辞めたいと思った原因を解消できる転職先を探してみましょう。
なお、本当に辞めていいのか分からない、一人で転職活動をするのが不安、辞めたいけどどんな職種に転職すればいいのか分からないという人には、dodaエージェントサービスの利用をおすすめします。
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回答したキャリアアドバイザーはこちら
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榎本 菜緒(えのもと・なお)
【経歴】
パーソルキャリア株式会社に入社以来、キャリアアドバイザーとして主に販売・サービス職を担当。キャリアチェンジ希望者も含め、多くの方に対してキャリアカウンセリングを行っており、納得感のある転職ができるよう転職活動を支援している。
転職
向いている仕事がわからない
今すぐ転職は考えていないけど
自分の志向性を知っておきたい
今のままでいいか
漠然とした不安がある
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dodaキャリアアドバイザー
榎本 菜緒(以下、榎本)
最近は、「子育てに参加したい」という理由で、接客業を辞め、土日祝日休みの職種への転職を希望する男性が増えてきたように感じます。