30代女性の
転職事情
30代女性が転職を成功させるための9つのコツ!注意点やよくある失敗も紹介
公開日:2024/10/31
30代になると、仕事の責任が重くなったり、ライフステージの変化で仕事とプライベートのバランスに苦労したりすることが20代よりも増えがちです。結婚・出産などを機に働き方を見直し、転職を考えている人もいるでしょう。本記事では、そんな30代女性に向けて転職市場の傾向や成功のポイント、よくある失敗などを紹介します。転職サポート経験が豊富なdodaのキャリアアドバイザーからのコメントも紹介するので、参考にしてください。
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レジュメビルダーを使う(無料)30代女性が知っておきたい転職市場の傾向
まずは、30代女性を取り巻く転職市場の傾向を詳しく見ていきましょう。
30代で転職する女性は年々増えている
30代で転職する女性は増加傾向にあります。
実際、dodaを利用して転職した30代女性の割合は、2021年が29.3%、2022年は30.6%、2023年は32.6%と年々増えています。
このように、女性転職者のうちおよそ3人に1人は30代です。30代での転職に不安を持つ人もいるかと思いますが、過度に不安を抱く必要はないでしょう。
30代女性の転職割合が高い職種は3つある
では、30代女性にはどのような職種が人気なのでしょうか。
2023年にdodaを利用して転職した30代女性の転職前と転職後の職種を調べたところ、以下のようになりました。
順位 | 職種 | 割合 |
---|---|---|
1位 | 事務/アシスタント | 29.1% |
2位 | 企画/管理 | 22.3% |
3位 | 営業 | 12.4% |
順位 | 職種 | 割合 |
---|---|---|
1位 | 企画/管理 | 31.7% |
2位 | 事務/アシスタント | 23.6% |
3位 | 営業 | 11.1% |
1位と2位の順番が異なるものの、転職前と転職後の上位3職種は事務/アシスタントと企画/管理、営業で占められています。
30代女性には、これらの職種が人気だといえるでしょう。
宮沢
最近は、在宅で仕事ができて独立も可能な職種として、Webデザイナーへの転職を希望する女性も増えていると感じます。
なお、上記3つの人気職種について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
即戦力が求められ、経験が重視される
20代であればポテンシャルも重視されますが、30代女性の転職ではこれまでの「経験」が重視される傾向にあります。
なぜなら、企業は30代女性に即戦力となることを求めているからです。
逆に言うと、専門的なスキルや再現性のある経験を身につけていることをアピールすれば、自分のキャリアに合った企業に転職しやすくなるといえます。
宮沢
30代前半、とくに31〜32歳くらいまでであれば、20代のようにポテンシャルを見てもらえるケースもあります。しかし、30代後半に近づくにつれて、企業は即戦力となる人材を求めるようになります。
30代の前半と後半で求められることが変わってくる
30代女性の転職は「経験重視」ですが、30代の前半と後半では以下のように求められるものが異なります。
- 30代前半:ポータブルスキル+獲得したスキルや生み出せた成果
- 30代後半:リーダーシップを発揮した経験
30代前半は10年前後の社会人経験があることから、即戦力として期待される場面が多くなります。
意欲やポータブルスキル(=マネジメント力やコミュニケーション力などの汎用性の高いスキル)のアピールだけでなく、これまでに身につけたスキルやそれにより生み出せた成果が重視されます。
宮沢
30代後半になると、リーダーシップを発揮した経験の有無が重視されます。役職はついていなくとも、部署の後輩やプロジェクトチームのメンバーなどをまとめあげた経験があると、高い評価を得やすいでしょう。
30代女性に多い転職理由やきっかけは?
30代女性の転職が増えているのは前述のとおりですが、では30代女性はどのような理由で転職をしているのでしょうか。
宮沢
30代女性は、「プライベートとの両立を考えて、安定して長く働ける仕事に就くため」という転職理由が多い印象です。ほかには、「新しいことに挑戦したい」「身につけたスキルを活かせる仕事がしたい」といった理由も少なくありません。
なお、dodaが実施した調査では、“30代”および“女性”の転職理由として多かったのは以下のとおりです。
順位 | “30代”の転職理由 |
---|---|
1位 | 給与が低い・昇給が見込めない |
2位 | 社内の雰囲気が悪い |
3位 | 人間関係が悪い/うまくいかない |
順位 | “女性”の転職理由 |
---|---|
1位 | 給与が低い・昇給が見込めない |
2位 | 尊敬できる人がいない |
3位 | 社内の雰囲気が悪い |
30代女性が転職を成功させるための9つのコツ
ここからは、30代女性が転職を成功させるためのコツを9つ紹介します。転職の成功率を高められるよう、ぜひ参考にしてください。
自分の価値観を整理する
30代女性が転職を成功させるためには、自分の価値観を見つめなおすことが重要です。
例えば「安定や安心を求めるよりも、成長できる環境で自分自身をスキルアップさせたい」「仕事はほどほどにして、家族との時間を最優先に考えたい」といったように、自分の望んでいる働き方や職場環境を整理してみましょう。
自分の大切にしたい価値観が明確になると、仕事や会社を選びやすくなります。
宮沢
仕事に関する価値観は面接を受けている中で感じたり、考えが変わったりすることもあるので、転職活動と並行して整理していけるとよいでしょう。
求める条件を絞って転職軸を決める
前述の価値観も踏まえながら、転職軸を決めるようにしましょう。転職軸とは、転職先を選ぶ際に重視する条件のことです。
転職軸を決めることで、大切にしたいことを明確にでき、自分とマッチする企業を見つけやすくなります。
転職軸を見つけるには、まずは入社したいと思う企業の条件を洗い出しましょう。例えば、以下のように洗い出します。
- 現職よりも裁量権のある業務を担当できる
- 語学力を活かせる仕事ができる
- マネジメント経験を積める
- 現職よりも年収が高い
- 勤務地が地元の近く(Uターン転職ができる)
- 転勤がない
次に、これらに優先順位をつけて絶対に譲れない条件と、譲歩できる条件に分けましょう。絶対に譲れない条件が明確になれば、それを転職軸として企業を選びます。
今回の転職によって何を変えたいか、転職後にどういった状態になれば成功といえるのかを考えて、転職軸を決めましょう。
実績から強みを洗い出す
30代の転職では強みのアピールが求められますが、その際に気をつけるべきことがあります。
宮沢
20代は強みがなくても意欲があれば内定をもらえることがありますが、30代以降は強みをアピールすることがとても大事です。ただし、経験にもとづいた強みであることが求められます。
経験にもとづいた強みを見つけるには、まず過去の実績や経験を複数書き出し、共通する強みやスキルを探します。
洗い出した強みと企業が求める人物像やスキルがマッチしていれば、その強みを採用します。
企業とマッチする強みがあることで、説得力のある自己PRを作れるようになり、選考で評価されやすくなるでしょう。
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過去の実績から分かった自分の強みをもとに、どのように企業に貢献できるかを伝えましょう。
30代女性の転職希望者は多いため、自分を採用することで得られるメリットを企業に伝え、差別化することが重要です。
どの業務に対しどのような貢献ができるかが伝われば、採用担当者から高い評価を得やすくなるでしょう。
ポータブルスキルを磨いておく
自分の強みや経験に自信がないという方は、前述のポータブルスキルを磨くのがおすすめです。
以下にポータブルスキルの例を挙げます。
- 課題設定力
- 計画立案力
- 課題解決力
- コミュニケーション力
- マネジメント力
自分の持っているポータブルスキルを整理し、キャリアアップに何が必要かを考え、足りないポータブルスキルを身につけるよう努力しましょう。
たとえ身につかなかったとしても、身につけるために努力したことや工夫したことをアピールすると、採用担当者に良い印象を与えられる可能性があります。
ライフプランとキャリアプランを明確にする
現状を把握して今後のライフプラン・キャリアプランを立てることも大切です。
「結婚や出産は何年後にするのか」「将来どのような仕事がしたいか」といったように具体的な内容を考えましょう。
短期的なプランではなく、5年後10年後にどのようになっていたいか明確にし、自分にとって大切なことを言語化するのが重要です。
ライフプランやキャリアプランによって、転職先の選び方も変わってくるでしょう。
例えば、出産後もキャリアアップを目指して働きたい方は、産休・育休から復帰した後のサポートが充実している企業に転職するといった選択ができます。
宮沢
キャリアはライフとワークで成り立っているので、ライフプランを無視してキャリアプランを決めることはできません。しかし、転職を希望する30代女性の中には、ライフプランが明確になっていない人が多いのも事実です。少しずつでもいいので、今のうちから「5年後に収入をこれくらいにしたい」「こういう時間の使い方をしていたい」といったことを考える時間をつくっていきましょう。
業界や企業の研究をする
30代の転職では、業界や企業に関する情報を徹底的に収集しましょう。
年齢が高くなるにつれ期待されるレベルが上がるため、スキルやキャリアプランがマッチする企業を選ぶ必要があるからです。
また、事業内容や経営方針などに対する理解が深まれば、面接で説得力のあるアピールをできるようになります。
宮沢
自分の価値観や応募したい仕事のイメージが固まらないと、業界・企業研究の着目ポイントが定まりません。そのため、先に自分の強みを洗い出し、強みを評価してくれそうな企業が見つかってから業界・企業研究をするほうが効率的です。
同時並行で複数社に応募する
内定を得るには、できるだけ同時並行で多くの企業に応募する必要があります。
実際、2023年にdodaを利用して転職した人を対象にした調査(※1)では、1社の内定を得るのに平均で5社の面接を受けており、5社の面接を受けるのに平均22社に応募していたことが分かっています。
仕事への意欲をしっかりアピールする
子育て中の女性の場合、企業が「休みがちにならないか」「急に早退したりするのではないか」といったことを心配するケースもあります。
採用される可能性を高めるには、そういったときに備えてパートナーと協力体制を整えてあることを伝えるとともに、仕事への意欲をしっかりアピールしましょう。
長く働く意思があると伝えることが重要です。
30代女性の転職でありがちな失敗
ここからは、30代女性の転職でありがちな失敗を4つ紹介します。後悔のない転職活動にするためにも、ぜひ参考にしてみてください。
行動に移すまでに時間がかかる
転職を考えてから実際に転職活動を始めるまでに、時間がかかってしまう人がいます。
しかし、中途採用は欠員補充が目的のケースも多いので、募集条件に合った人からの応募があれば早々に求人がクローズされます。
特に、条件の良い求人はすぐに応募が充足してしまう傾向があるため、転職したいと思ったら早めに行動することが大切です。
転職する意思があるなら、在職中から早めに具体的なアクションを起こしましょう。
現職を辞めてから転職活動をする
現職を辞めてから転職活動をしようとする人もいますが、できるだけ避けたほうがよいでしょう。
転職活動に苦戦して想定よりも時間がかかってしまい、離職期間が長くなってしまう可能性があるためです。
離職期間が長引くこと自体は悪いことではありません。ただし、なぜ離職期間が長くなっているのか選考時にほぼ必ず質問され、説明を求められます。
企業から懸念を持たれるのを避けるためにも、たとえ時間的制約があったとしても、現職を続けながら少しずつ転職活動を進めることをおすすめします。
宮沢
現職を辞めてから転職活動をすると、なかなか決まらないことによる焦りから、なんとなくといった気持ちや、条件面だけで転職先を決めてしまう人もいます。その結果、入社後にギャップを感じて早期退職してしまうこともあります
希望条件を詰め込みすぎる
転職先に関する希望条件を詰め込みすぎると、応募したい企業の幅が狭くなる可能性があります。
なかなか自分の希望条件に合った応募先が見つからないのであれば、希望条件に優先順位をつけましょう。
絶対に譲れない条件を明確にすることで、応募先が選びやすくなり選択肢の幅も広がります。
資格の取得に時間をかけすぎる
資格を取得してから転職活動を始めようと考えていると、時間がかかりすぎてしまい転職のタイミングを逃してしまう可能性があります。
また、資格を持っているからといって必ずしも転職がうまくいくとは限りません。
資格取得を目指すのであれば、取得してから転職活動をするのではなく、資格の勉強をしつつ並行して転職活動をすることをおすすめします。
30代女性によくある転職の疑問
30代女性によくある転職の疑問にお答えします。参考にしてみてください。
未経験職種でも転職できる?
30代は即戦力かどうかが選考で評価されるため、未経験職種への転職は20代よりもハードルが高くなります。ただし、決して不可能なわけではありません。
過去の経験や実績、身についたスキルが企業の求めるものとマッチしていれば、未経験職種でも採用される可能性はあるでしょう。
宮沢
転職活動のサポートをしていると、30代女性の半分近くは未経験職へ転職している印象です。ただし、完全未経験よりも、前職の経験を活かせる求人への応募のほうが採用されやすい傾向にあります。例えば、化粧品販売の店長経験のある人が、化粧品会社のカスタマーサポートで内定がもらえたりしています。
家事や子育てをしながらでも転職できる?
家事や子育てをしながら転職を成功させている30代女性は多くいます。
仮に、子育てで一時的にブランクがあったとしても、仕事に対する前向きな姿勢を伝えることで転職が可能です。
小さなお子さんがいて、これから転職活動を始めたいと考えている方は、まずは育児の合間に自己分析をしたり、仕事と育児を両立するための準備を進めたりしておきましょう。
転職活動期間はどれくらいになる?
転職活動の期間は人によって異なります。転職者全体での平均で2〜3カ月と考えるとよいでしょう。
現職を辞めてから転職活動する場合は、2〜3カ月分の生活費や転職活動にかかる費用を計算しておくことをおすすめします。
資金に余裕がなくなると焦って転職先を決めてしまい失敗につながるので、余裕を持った計画を立てましょう。
育休中の転職活動の進め方は?
育休中の転職活動では、保育園など復職後の子どもの預け先を先に決めておくことが重要です。
預け先が決まっていないと、企業としては採用しても本当に働いてもらえるのか分からず、内定を出しにくくなります。
ただ、そもそも育休は復職を前提とした制度であるため、育休中の転職は企業側に良い印象を持たれないケースがあります。
そのため、前向きな理由や正当な転職理由を伝えられるようにしておきましょう。
最初から時短で働ける会社はある?
まだ子どもが小さい人にとっては、転職直後から時短勤務ができるかどうかは気になると思います。
結論から言うと、入社してすぐに時短勤務ができるかどうかは企業によって異なります。
例えば、入社して1年未満は時短勤務ができないといった条件を設定している企業もあります。
最初から時短勤務を希望しているのであれば、応募時や面接時に確認しておきましょう。
宮沢
入社1年未満でも時短勤務ができることを、アピールポイントとして打ち出している企業もあります。気になる方はそういった企業の求人を探してみてください。希望する求人にそういった記載がなかったら、面接で尋ねてみてもよいでしょう。
実績やマネジメント経験がなくても転職できる?
実績やマネジメント経験がない30代女性も転職は可能です。ただし、面接などで以下を意識してアピールするようにしましょう。
- 業務効率化の取り組み
- 仕事で大切にしていること
- 失敗から学んだこと
- 周囲から得られた評価
これらを転職後にどのように活かせるかまで伝えられると、説得力のあるアピールができます。
30代女性の転職は事前準備と対策が重要
30代女性の転職といってもこれまでの経験や実績、保有するスキル、プライベートの状況などによって選択できる働き方や転職後のキャリアは異なります。
転職を成功させるためには、事前準備と対策をしっかりしておくことが重要になるでしょう。
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宮沢 彩花(みやざわ・あやか)
パーソルキャリア株式会社 キャリアコンサルタント
新卒でアパレル業界で販売職を経験した後、2013年に株式会社インテリジェンス(現パーソルキャリア株式会社)に入社し、一貫してキャリアアドバイザーとして従事。これまで約3,000人の方にカウンセリングを実施、400人以上の方をサポートしてきました。一人ひとりの志向性に合った転職活動の支援を大事にしています。
dodaキャリアアドバイザー
宮沢彩花(以下、宮沢)
転職希望者の方々にお会いしていて、30代女性の転職が増えているという実感があります。結婚・出産といったライフステージの変化に伴って転職を希望する方や、長く続けられる仕事がしたいという方が増えている印象です。今後はさらに転職が当たり前になってくると思うので、30代女性の転職ももっと増えていくでしょう。