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連載【弁護士監修】知らなきゃ損する!転職と仕事の法律のQ&A

退職するときに有給(有給休暇)は買い取ってもらえる?確認の方法は?

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Q 退職するときに有給(有給休暇)は買い取ってもらえるの?確認の方法は?

今月末に退職します。引き継ぎなどで忙しく、有給(有給休暇)を使い切ることができませんでした。このままでは、有給(有給休暇)が残ったまま退職となってしまうのですが、使えなかった有給休暇を、会社に買い上げてもらうことはできるのでしょうか。(24歳/女性)

A 原則NGですが、会社によっては制度を設けている場合があります。まずは就業規則を確認し、記載がなければ、上司に相談・確認してみましょう。

まず原則として、会社が法定の有給休暇を買い上げることは認められていません。会社は法律に定められた有給休暇を社員に与えなければならないからです。

そもそも有給休暇とは、労働者がしっかり休んで心身の疲れを回復させ、継続して意欲的に働けるようにするためのもの。会社が社員を休ませずに、代わりにお金を支給することは、有給休暇という制度の本来の目的に反することになります。

しかし、労働基準法を上回る日数の有給休暇が付与されており、退職時に使い切れていない場合であれば、残った休暇を会社が買い上げることは認められています。法定を上回る有給休暇は、会社が福利厚生の観点から社員に付与するいわばインセンティブ(褒賞)です。退職してしまっては、有給休暇を使うことができず、受け取ったインセンティブがなくなってしまうことと同じなので、特別に買い上げを認めている会社もあります。

ただし、注意しなければならないのは、有給休暇の買い上げについて法律上は何も規定していないということです。そのため、会社には「買い上げない」という選択肢もあるわけです。また、買い上げる場合も、その額は会社側が自由に決めることができます。

退職時の有給休暇の買い上げについては、就業規則に買い上げの制度について記載していることもありますが、買い上げることを認めていても就業規則に記載していないこともあります。また、退職する社員から「買い上げてほしい」といわれた場合にのみ、個別に判断することもあるものです。

使い切れなかった有給休暇を買い取ってもらいたい場合は、まずは就業規則を確認してみましょう。記載がない場合でも、ケース・バイ・ケースで有給休暇の買い取りを認める会社もありますので、上司に相談するのがよいでしょう。

もし買い取りの制度がない場合は、未消化の有給休暇が残らないように、ときには上司とも相談しつつ、取得の方法を検討することをおすすめします。

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年次有給休暇とは

年次有給休暇とは、所定の休日以外に、有給で(給与を減額せず)休める休暇のことです。単に有給休暇と呼ばれたり、有休、年休、などと言われたりもします。

会社は、入社後6カ月間勤務し、所定労働日のうち8割以上出勤している社員に対して、有給休暇を10日与えなければならないと、労働基準法に定められています。そして、勤続年数に応じて、与えなければならない有給休暇の日数が次のとおり決められています。

勤続年数 与えなければならない有給休暇の日数
6カ月10日
1年6カ月11日
2年6カ月12日
3年6カ月14日
4年6カ月16日
5年6カ月18日
6年6カ月以上20日

これは、会社が最低限、付与しなければならない日数です。会社によっては、福利厚生の観点からそれ以上の年次有給休暇を与えるケースもあります。

例外的に買い上げが認められるケース

1つ目は、労働基準法で定められた有給休暇の日数を超えて、有給休暇を付与している場合です。この場合、法定日数を超えた分については、買い上げが認められています。

2つ目は、「時効」で有給休暇が消滅してしまった場合です。有給休暇は付与されてから、2年間でその権利が消滅することになっています。2年の間に使い切れなかった有給休暇は、買い上げが認められています。

3つ目は、退職する社員の有給休暇が、退職日に未消化のまま残っている場合です。この場合は、退職後には有給休暇の権利を行使することができなくなるため、未消化の日数を買い上げることが認められています。

ただし、いずれの場合も、買い上げが「認められている」だけであり、「会社が有給休暇を買い上げなければならない」と決められているわけではないことは理解しておきましょう。

ここで扱った法律

有給休暇については労働基準法の第39条に、「使用者は、その雇入れの日から起算して6カ月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した10労働日の有給休暇を与えなければならない。」と定められています。

弁護士:藥師寺正典(やくしじ・まさのり)

中央大学大学院法務研究科修了。弁護士登録後、石嵜・山中総合法律事務所にて執務を開始し、現在弁護士法人第一法律事務所(東京事務所)所属。使用者側の人事労務管理のほか、民事・商事について、多岐の分野に対応。主著に『労働行政対応の法律実務』(中央経済社 共著)、『「働き方改革実行計画」を読む』(月刊人事労務実務のQ&A 2017年7月号 日本労務研究会 共著)など。

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