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コラム・事例・インタビュー

連載【弁護士監修】知らなきゃ損する!転職と仕事の法律のQ&A

マイナンバーを転職先に伝えると、過去の職歴もすべて伝わってしまうのでしょうか?

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Q マイナンバーを転職先に伝えると、過去の職歴もすべて伝わりますか?

転職で入社するときに、マイナンバーの提出を求められると聞きました。社会保険の加入歴や年金の納付状況など、マイナンバーに紐付けされている情報はすべて会社に伝わる、ということでしょうか?(30歳/女性)

A 職歴は伝わりません。会社は、社会保険料や税金の納付のためにマイナンバーを使用しますが、法令に基づく場合を除き、マイナンバーに紐付く個人の情報を会社が使用閲覧することはできません。

マイナンバー(個人番号)とは、国や自治体が、社会保障、税、災害対策の3つの分野における行政サービスを効率化する目的で使用される情報です。マイナンバーの使用により、複数の機関に存在する個人の情報が同一人物の情報であることを確認することが可能になります。

会社は、源泉徴収した税金や、年金、社会保険料を支払うために、各行政機関から社員のマイナンバーの提出を求められます。そのため、会社は転職者が入社する際にはマイナンバーの提出を求めるのです。

マイナンバーの提供を受けた会社は、法律や条例に定められた手続き以外で社員のマイナンバーを使用することはできず、また、マイナンバーを厳格に管理しなければなりません。もちろん、マイナンバーを会社に提出したからといって、会社が、それに紐付く情報を、適法な行政手続きによることなく行政機関などから引き出すことはできません。そのため、あなたの過去の職歴が伝わることはないのです。

イラスト

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マイナンバーがどのように使われるかを確認するためには?

会社は、社員からマイナンバーを求める際に、社員に対して「利用の目的」を明示することが義務付けられています。そのためマイナンバーを提出するときには、その前に会社から「利用の目的」が明示された書面の提示があり、それを確認した上で提出をする流れになります。目的は、「源泉徴収票作成事務」「雇用保険届出事務」などと具体的に記載されていることが一般的です。転職先の会社が決まりマイナンバーを提出するための書類を受け取ったときには「利用の目的」がどのように書かれているか、読んでみましょう。

ここで扱った法律

マイナンバーに関しては、「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」(通称:マイナンバー法)に、その取り扱い上のルールが定められています。

弁護士:藥師寺正典(やくしじ・まさのり)

中央大学大学院法務研究科修了。弁護士登録後、石嵜・山中総合法律事務所にて執務を開始し、現在弁護士法人第一法律事務所(東京事務所)所属。使用者側の人事労務管理のほか、民事・商事について、多岐の分野に対応。主著に『労働行政対応の法律実務』(中央経済社 共著)、『「働き方改革実行計画」を読む』(月刊人事労務実務のQ&A 2017年7月号 日本労務研究会 共著)など。

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