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コラム・事例・インタビュー

連載【弁護士監修】知らなきゃ損する!転職と仕事の法律のQ&A

ポジティブ・アクション(女性活躍推進)とは?応募できるのは女性だけ?

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Q ポジティブ・アクション(女性活躍推進)とは?この求人に応募できるのは女性だけですか?

「ポジティブ・アクション」を推進している企業からスカウトメールを受けました。ポジティブ・アクションとは何ですか?この求人に応募できるのは、女性のみですか?(32歳/女性)

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A ポジティブ・アクションとは、企業が社内に生じている男女間の差を解消しようとする取り組みのことです。

企業では、社内の制度や給与体系などを性別によって違えていないにもかかわらず、旧来の男女の役割分担意識や過去の経緯から、「特定の職種で女性がとても少ない」「管理職の大半が男性」といったような「差」が生じていることがあります。

ポジティブ・アクションとは、男女雇用機会均等法(以下、均等法)に基づいて、そのような男女間の「差」を解消しようとする取り組みのことを指します。

均等法は、人材の募集、採用、配置、昇格などの場面において、性別によって取り扱いを差別してはならないと規定しています。そのため、原則としては、人材募集する際に「男性のみ採用」「女性のみ採用」として募集することは認められていませんが、ポジティブ・アクションとして認められる条件を満たせば、女性に向けた求人を出すことができます。

ポジティブ・アクションとしての求人である場合、男性も応募はできますが、募集されたポジションで採用される可能性は低いと考えておきましょう。

イラスト

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ポジティブ・アクションに取り組むのはどんな企業?

ポジティブ・アクションには幅広い企業が取り組んでいます。取り組んでいる企業の割合を規模別にみると、規模が大きい企業ほどその割合が高く、男女間の「差」を解消することに積極的といえます。また、2016年には「女性活躍推進法」が施行され、2022年には関連する厚生労働省令の改正により、社員が301人以上の大企業に女性の活躍に関する情報公表を義務付けるなど、女性が十分に能力を発揮できる環境づくりが加速しています。

ここで扱った法律

男女雇用機会均等法は、雇用機会・職場における待遇の男女平等を確保し、女性が差別を受けないようにと作られた法律です。1985年に制定され、直近では2019年に改正されています。

均等法の第5条〜第7条で、性別を理由とする差別を禁じています。第8条で、「前3条の規定は、事業主が、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保の支障となっている事情を改善することを目的として女性労働者に関して行う措置を講ずることを妨げるものではない。」と定めており、これがポジティブ・アクションの根拠となっています。

ポジティブ・アクションの具体的な内容については、「労働者に対する性別を理由とする差別の禁止等に関する規定に定める事項に関し、事業主が適切に対処するための指針(平成18年厚生労働省告示第614号)」に記載されています。

弁護士:藥師寺 正典(やくしじ・まさのり)

弁護士法人第一法律事務所 パートナー(社員弁護士)。経営法曹会議会員。企業の顧問業務をはじめ、労働審判・労働訴訟などの係争案件や、ユニオンなどとの団体交渉対応、労災対応、M&Aにおける労務デューデリジェンス対応など、経営者側での労働法務案件を数多く手掛ける。

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