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コラム・事例・インタビュー

連載【弁護士監修】知らなきゃ損する!転職と仕事の法律のQ&A

勤務間インターバル制度とはどのような制度でしょうか?

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Q 勤務間インターバル制度とは何ですか?

求人の勤務時間の欄に「勤務間インターバル制度導入」とありました。聞きなれない言葉なのですが、どのような制度ですか?(31歳/男性)

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A 終業時刻から翌日の始業時刻まで一定の休息時間を確保するよう、会社が定める制度です。

勤務間インターバル制度とは、終業時刻からその翌日の始業時刻までの間に、一定の時間を休息時間として設けることを定めた労働時間に関する制度のことです。

ただし、現行法上、「○時間、インターバルを設けなければならない」と定められているわけではありません。勤務間インターバル制度は、社員の休息時間を確保し、健康維持やワーク・ライフ・バランスを保つことを目的に、会社が独自に定めるルールです。

具体的なルールは、各社の就業規則に記されます。「終業時刻からその翌日の始業時刻まで○時間空ける」というように定めている場合もありますし、「夜○時以降、朝○時以前は就業してはいけない」と定めていることもあります。また、原則として一定の休息時間を設けるものとしつつ、「管理者の指示がある場合は時間外労働を認める」といった例外が設けられているケースも考えられます。

イラスト

詳しく知りたい

「勤務間インターバル制度」を設けているほうが良い会社?

1日8時間・週40時間の法定労働時間と、36協定で取り決められた残業時間の制限を守ることは、どの会社にとっても大前提です。その上で、社員の長時間労働を抑制し、ワーク・ライフ・バランスを保ちながら働かせることを目的として、明確に勤務間インターバル制度を定める会社もあります。

しかし、勤務間インターバル制度を設けていない会社の中には、残業時間がもともと少ないので、勤務間インターバル制度を設ける必要がない会社も含まれます。また、その他の労働時間制度をうまく利用することにより、社員の残業を少なくするよう努力している会社もあります。そのため、勤務間インターバル制度は、会社の労働時間の実態を確認するための一つの要素にはなるものの、それだけで会社の良し悪しを判断することには慎重になるべきといえます。

36協定とは?なぜ必要なのでしょうか?

ここで扱った法律

政府は、2017年3月に「働き方改革実行計画」を発表しました。働き方改革の大きな方向性の一つに「長時間労働の是正」がありますが、その一環として、勤務間インターバル制度についても以下のように言及されています。

(勤務間インターバル制度)
労働時間等の設定の改善に関する特別措置法を改正し、事業者は、前日の終業時刻と翌日の始業時刻の間に一定時間の休息の確保に努めなければならない旨の努力義務を課し、制度の普及促進に向けて、政府は労使関係者を含む有識者検討会を立ち上げる。また、政府は、同制度を導入する中小企業への助成金の活用や好事例の周知を通じて、取り組みを推進する。

その後、「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」(平成30年7月6日公布)によって、労働時間等の設定の改善に関する特別措置法が改正されたことにより、「勤務間インターバル」制度導入が企業の努力義務となりました。

また、2021年9月に改定された脳・心臓疾患の労災認定基準において、勤務間インターバルが短い勤務であるかどうかが過重業務の判断要素に加えられました。

弁護士:藥師寺正典(やくしじ・まさのり)

弁護士法人第一法律事務所 パートナー(社員弁護士)。経営法曹会議会員。企業の顧問業務をはじめ、労働審判・労働訴訟などの係争案件や、ユニオンなどとの団体交渉対応、労災対応、M&Aにおける労務デューデリジェンス対応など、経営者側での労働法務案件を数多く手掛ける。

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