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コラム・事例・インタビュー

連載【弁護士監修】知らなきゃ損する!転職と仕事の法律のQ&A

店長(管理監督者)は残業代が出ないのは当たり前?

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Q 店長(管理監督者)は残業代が出ないのは当たり前?

アパレルの店長職に昇進しました。仕事は好きなのですが、店長(管理監督者)になったので、残業代が出なくなり給料が下がりました。年収が上がるなら転職したいのですが、どこの会社も店長になると残業代は出ないのでしょうか?(27歳/女性)

A 「店長」になると残業代が出ないかどうかは、各企業の取り決めによります。

通常は、1日8時間・週40時間を超える時間外労働(残業)および休日労働や深夜労働に対しては割増賃金が支払われます。ただし、「監督若しくは管理の地位にある者」(管理監督者)についてはそのルールが適用されないということが、労働基準法で定められています(なお、管理監督者であっても、深夜労働に対する割増賃金は支払われます)。

今回のケースですと、現在就業中の会社では「店長=管理監督者」という考えで、店長には残業代を支給しないという就業規則を定めているものと思われます。

ただ、会社によっては、同じ「店長」と呼ばれるポジションであっても「管理監督者」とは扱わないケースもあります。ですから、どこの会社でも「店長」に残業代が出ないわけではありません。

一般的に「管理監督者」に該当するための要素としては、一般社員の採用、解雇、人事考課、勤怠管理、昇進・昇格等についての権限があること、自己の労働時間の管理について裁量があること、一般社員よりも高い待遇であることなどが挙げられ、これらを総合的に考慮して判断することとされています。

今回のケースでは、店長になって残業代が出なくなったということですが、昇進に伴って、管理監督者としての権限が与えられていない、あるいは管理監督者という立場に見合った待遇になっていないと考えるのであれば、条件を見直す一つの手段として転職を考えてみてもよいのではないでしょうか。

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「管理監督者」とはどんな人?

法律の条文では「管理監督者」の条件は明確に示されていませんが、一般的な「管理監督者」の定義は、「労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者」とされています。

そして「管理監督者」に当てはまるかどうかは、「店長」「マネジャー」などの役職名ではなく、その職務内容、責任、与えられた権限、待遇などによって、個別に判断されます。

会社が「店長=管理監督者」だと考えて、店長には残業代を支払わないという就業規則を定めること自体は問題ありません。しかし、会社がその「店長」に対して管理監督者に見合う責任や権限、待遇を与えていない、立場に実態が伴っていない場合、法的には「管理監督者」と認められない場合があります。

ここで扱った法律

労働基準法の第41条で、「事業の種類にかかわらず、監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者」は労働時間、休憩、休日に関する規定が適用されないということが定められています。

弁護士:藥師寺正典(やくしじ・まさのり)

中央大学大学院法務研究科修了。弁護士登録後、石嵜・山中総合法律事務所にて執務を開始し、現在弁護士法人第一法律事務所(東京事務所)所属。使用者側の人事労務管理のほか、民事・商事について、多岐の分野に対応。主著に『労働行政対応の法律実務』(中央経済社 共著)、『「働き方改革実行計画」を読む』(月刊人事労務実務のQ&A 2017年7月号 日本労務研究会 共著)など。

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