Q 入社時に「住民票記載事項証明書」の提出を求められました。住民票記載事項証明書とは何ですか? 住民票との違いやもらい方は?
転職して新しい会社に入社することになりました。「住民票記載事項証明書」の提出を求められたのですが、「住民票記載事項証明書」とは何ですか?「住民票」とは違うのですか? (24歳/女性)
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A 「住民票記載事項証明書」とは、「住民票」にある項目のうち、申請者が希望する項目のみを記載した書類のことです。
住民票記載事項証明書とは?
「住民票記載事項証明書」とは「住民票」の項目のうち、申請者が希望する項目のみを記載してもらうことができる書類のことです。住民票の写しとは異なり、必要な情報だけを記載したものを各所に提出することができます。
住民票の写しが居住地の証明となる書類であるのに対し、住民票記載事項証明書は、住民票原本の記載内容に誤りがないことを証明するための書類です。
住民票記載事項証明書は主に、就職・転職などで就業先に提出する際や年金の現況届を提出する際に使われます。会社は、労働基準法で労働者名簿の作成が義務付けられており、個人の氏名や住所、生年月日、性別など基本的な情報を知る必要があります。また、会社側は社員の個人情報のうち必要な項目のみを取り扱いたいと考えるので、入社時に「住民票記載事項証明書」の提出を求められるのが一般的です。
住民票記載事項証明書と住民票の違い
住民票記載事項証明書※1 | 住民票※1 |
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(以降は希望により記載可能)
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(以降は希望により記載可能)
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※1 住民票・住民票記載事項証明書どちらも、世帯全員か世帯一部のみの情報か、いずれかの形式を選択可能
※2「当市区町村の住民となった年月日」は当市区町村で初めて住民票が作成された年月日。
「現住所を定めた日」は当市区町村内で新たに住所を変更した者については、その住所を定めた年月日
前述のように、住民票の写しが居住地の証明となる書類であるのに対し、住民票記載事項証明書は、住民票原本の記載内容に誤りがないことを証明するための書類です。住民票の写しはパスポートの取得や賃貸契約の際に必要ですが、転職先への提出書類として必要なのは住民票記載事項証明書の場合が多いでしょう。
「転職先に提出するのは住民票の写しではだめなのか?」と思う方もいるかもしれませんが、プライバシー保護の観点から、必要な情報のみを記載した住民票記載事項証明書の提出が適切とされています。
住民票記載事項証明書の取得方法
住民票記載事項証明書を取得する方法は4つあります。ここでは、それぞれの場所から住民票記載事項証明書を取得する方法について解説します。
コンビニで住民票記載事項証明書を発行する方法
必要なもの |
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取得手順 |
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取得する場所 |
コンビニエンスストア |
手数料 | 自治体によって異なりますが相場は200円程度で、役所の窓口で取得するよりも安い場合が多いです。 |
注意事項 |
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会社指定の用紙を住民票記載事項証明書とする方法
必要なもの |
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取得手順 |
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取得する場所 | 役所・行政サービスの窓口 |
手数料 | 自治体によって異なりますが、相場は200~500円程度です。 |
注意事項 |
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役所で直接住民票記載事項証明書を発行してもらう方法
必要なもの |
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取得手順 |
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取得する場所 | 役所・行政サービスの窓口 |
手数料 | 自治体によって異なりますが、相場は200~500円程度です。 |
注意事項 |
(役所窓口に用意されている住民票の写し等交付請求書に自分で記載し、証明印をもらう場合は)
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役所に郵送で住民票記載事項証明書を発行してもらう方法
必要なもの |
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取得手順 |
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取得する場所 | 自宅(返送されます) |
手数料 | 自治体によって異なりますが、相場は300円程度です。 手数料に加えて返信用の切手代もかかります。 |
注意事項 |
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住民票記載事項証明書の提出は義務?
住民票記載事項証明書の提出は法律などで義務付けられているわけではありません。
しかし会社は、労働基準法で労働者名簿の作成を義務付けられており、個人の氏名や住所、生年月日、性別など基本的な情報を知る必要があります。その手段として住民票記載事項証明書の提出が求められます。
そのため、会社から要請があった場合は、速やかに提出するようにしましょう。
「住民票の写し」の提出を求められた場合
「住民票の写し」の提出を求められることは一般的ではありませんが、その場合は住民票の写しではなく、住民票記載事項証明書の提出でよいか会社に確認しましょう。
厚生労働省労働基準局長からの行政通達により、会社が提出を求めるのは、本籍地の記載のある「住民票の写し」ではなく、最低限必要な情報のみ記載された「住民票記載事項証明書」にするよう指導されています。
ここで扱った法律
労働基準法第107条で、「使用者は、各事業場ごとに労働者名簿を、各労働者(日日雇い入れられる者を除く。)について調製し、労働者の氏名、生年月日、履歴その他厚生労働省令で定める事項を記入しなければならない。」と定められています。
監修弁護士:藥師寺正典(やくしじ・まさのり)
弁護士法人第一法律事務所 パートナー(社員弁護士)。経営法曹会議会員。企業の顧問業務をはじめ、労働審判・労働訴訟などの係争案件や、ユニオンなどとの団体交渉対応、労災対応、M&Aにおける労務デューデリジェンス対応など、経営者側での労働法務案件を数多く手掛ける。
監修社労士:社会保険労務士法人クラシコ(外部リンク)/代表 柴垣 和也(しばがき・かずや)
昭和59年大阪生まれ。人材派遣会社で営業、所長(岡山・大阪)を歴任、新店舗の立ち上げも手掛けるなど活躍。企業の抱える人事・労務面を土台から支援したいと社会保険労務士として開業登録。講演実績多数。