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転職Q&A(お金)#退職一時金・企業年金

Q. 退職給付制度にはどのようなものがあるのでしょうか?

最近転職を検討し始めました。転職先の退職金の制度がどのようになっているのか、気になります。現在勤務する会社は、退職一時金と確定給付企業年金の両方の制度があります。(35歳/男性)

A.退職給付制度の充実度は、転職先を決定する上で確認すべき重要な要素のひとつと言えます。転職先の制度内容、水準などについて判断する基準は持っておきたいところです。

確認すべき退職給付の制度について

転職先に次のような退職給付制度があるかどうか、チェックしておきましょう。

(1)確定給付企業年金

退職一時金の一部または全部を、一定の給付利率で運用し、60歳以降退職者に年金で給付するものです。最低保証利率が設定されているので、給付額が確定しています。質問者さんが現在の会社を退職する際に受け取った確定給付企業年金の年金原資を、転職先の確定給付企業年金に移換できる場合があります。この制度があれば、今回受け取る退職給付の一部を老後生活に入るまで保全しておくことができます。

(2)厚生年金基金

国の老齢厚生年金の一部を代行し、さらにその会社独自のプラスαの給付を行うものです。最近は代行部分を国に返上し、(1)の確定給付企業年金の制度に移行するところが出ています。

(3)中小企業退職金共済

中小企業で、独自の退職給付制度を持っていない会社が利用していることが多い制度です。いわゆる「国の退職金制度」と呼ばれているもので、独立行政法人勤労者退職金共済機構が運営しています。受け取り方は、一時金、年金、両者の併用が可能です。請求は事業主を経由せず、退職者が勤労者退職金共済機構に直接行います。

(4)生命保険

質問者さんの転職先が中小企業の場合で、養老保険などの生命保険商品を活用して退職金の原資を積み立てている場合もあります。

給付水準

厚生労働省の「平成30年就労条件総合調査」によれば、大学卒勤続年数別の定年退職者の平均退職給付額は、以下のとおりとなっています(勤続20年以上かつ45歳以上の定年退職者)。退職給付のレベル感を把握する際に参考にしてください。
(単位:万円)

勤続年数 退職一時金制度のみ 企業年金制度のみ 両制度併用
20~24年 764 876 1,168
25~29年 693 1,446 1,740
30~34年 1,024 1,668 1,984
35年以上 1,344 1,958 2,329

出典:厚生労働省「平成30年就労条件総合調査

給付額が決まっていないもの

確定拠出年金

確定拠出年金は、会社が従業員ごとに一定金額を退職給付として拠出し、従業員はそれをあらかじめ提示された金融商品で運用する制度です。運用のリスクは従業員が負います。従って、運用の成果によって将来の年金額が変わります。 昨今、確定給付型の企業年金の積み立て不足が企業の業績を圧迫しています。そこで、確定給付型の企業年金制度の一部または全部を確定拠出年金に移行させ、企業の退職給付債務を減少させる動きが出ています。質問者さんの転職先にこの制度がある場合は、経済情勢に応じて金融商品を選ぶことができるなど、資産運用のスキルをアップさせる必要があります。

【監修】社会保険労務士法人クラシコ/代表 柴垣 和也(しばがき・かずや)

昭和59年大阪生まれ。人材派遣会社で営業、所長(岡山・大阪)を歴任、新店舗の立ち上げも手がけるなど活躍。企業の抱える人事・労務面を土台から支援したいと社会保険労務士として開業登録。講演実績多数。

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