Q.インセンティブとは？どんなものがあるの？簡単に教えてください。

A.インセンティブとは、個々の目標達成時に支払われる報奨金（金銭）や表彰制度などを指します

「インセンティブ（Incentive）」とは行動を促す「刺激」「動機」「奨励」を意味し、ビジネスでは仕事の成果に対して支払う報酬という意味で使われます。ビジネスでのインセンティブには、個々の成績に応じて支払われる「報奨金（金銭）」と、表彰制度などのやる気を起こさせるような「動機付け（金銭以外）」の2種類があります。

インセンティブは、個人の業績や評価が勤続年数に関係なく反映されるのが特徴です。自分の頑張りに応じた報酬を得たい人にとっては、インセンティブが本来の意味合いでもある「刺激」になり、モチベーションアップにつながるでしょう。

多くの場合、インセンティブは報奨金として金銭で支払われます。ただし、会社によってインセンティブの定義が異なるため、求人内容をよく確認する必要があります。また、ボーナスや歩合と混在されるケースも多く、会社によって意味合いが異なるので注意しましょう。

インセンティブと賞与（ボーナス）の違いって何？

さらに、インセンティブが金銭の場合は、給与の月ごとの変動が大きくなることもあります。収入アップやインセンティブの有無といった観点だけで求人選びをするのではなく、あくまで制度の一つとして考えるようにしましょう。

インセンティブありの求人

インセンティブの具体例

インセンティブにはどういったものがあるのでしょうか。インセンティブというと金銭を指すイメージが強く、実際に金銭で支払う会社も多い一方、金銭の支給ではないケースもあります。

報奨金

報奨金はあらかじめ定めた目標達成などによって金銭で支払われるものです。

金額に関しては、目標達成に対して一律で支払うケースや、目標値の達成の度合いでインセンティブの規定額が変動するケースがあります。また、月々の給与に加算される場合もあれば、四半期の総売上高の達成状況に応じて支払われる場合など、さまざまなパターンがあります。

報奨金の具体的な例は以下のとおりです。

社内ポイント・商品券

社内独自のポイントを付与し、一定のポイント数と引き換えに好きなアイテムと交換可能なシステムです。個人の好みに応じた報酬を選択できるので、目標達成への意欲を高められます。

達成状況に応じて商品券を贈呈し、会社が提携している商業施設やオンラインショップで利用できるケースもあります。

社内ポイント・商品券の活用例も見てみましょう。

報奨旅行

報奨旅行は、期間を設けて各自に掲げられた目標を達成した人を対象に旅行に行ける権利のことです。インセンティブツアーともいわれています。企業によっては、総売り上げによって行き先が変わるなどの仕組みがあります。

旅行先が魅力的であるほど、必ず参加したいと考える社員も多くなり、社内全体のモチベーションがアップするでしょう。また、旅行中にほかの成績優秀者とコミュニケーションを図れるのも、報奨旅行のメリットです。

報奨旅行の具体例は以下のとおりです。

株式

会社の株価や業績に応じて支払われるインセンティブの一つで、会社が保有している株の一部を付与してもらうことができます。自分が業務を頑張ることで受け取った株価が上がったタイミングで売却すると、大きなリターンになる可能性もあるでしょう。

企業によっては株を持っているだけで1年に一度、配当金が受け取れることもあります。

制度には「さまざまな種類があり、株式インセンティブには以下のような事例があります。

社内表彰

社内表彰は、会社が成績優秀な人に向けて賞賛する制度です。時期は年末や期末などである場合が多く、大勢の社員の前で表彰されるため、会社や上司から認められていると実感することができます。副賞として金銭が贈られる場合もあるので、明確な目標を持ちやすくなります。

社内表彰には以下のような事例があります。

希望部署への異動

インセンティブとして、自分が希望している部署へ異動できる制度です。興味のある分野を学べる部署や、キャリアアップにつながる部署に異動できるため、仕事に対する満足度が向上します。

希望部署への異動の例は以下のとおりです。

【監修】ゆめみ労務管理事務所（ゆめみろうむかんりじむしょ）／代表　関口 恵太（せきぐち・けいた）

平成3年群馬県生まれ。学生時代に社会保険労務士の存在を知り、開業を目指すため資格を取得。社会保険労務士法人に勤めた後、27歳でゆめみ労務管理事務所を開業。クラウドを活用した人事・労務の課題解決、給与設計、助成金申請を得意とする。埼玉県熊谷市を拠点としながらも全国に多数の顧問先を抱え持つ。うた行政書士事務所 代表行政書士も兼任。