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転職Q&A(お金)#年金

Q. 転職時の年金の手続きはどうすればよいでしょうか?

転職を考えています。勤務先で厚生年金に入っていますが、転職した場合、どのような手続きが必要ですか。家族は専業主婦の妻と3歳の子どもが1人います。(33歳/男性)

A.転職後の就業形態・離職期間により手続きの有無が決まります。

転職先が株式会社などの法人で、離職期間がない場合や、離職期間があっても退職日と入社日が同じ月の場合は、転職先の会社に年金手帳を提出またはマイナンバーを通知すればよく、役所に出向く必要のないケースが多いです(※)。ただ、市区町村によって対応が異なるケースがあるので、お住いの市区町村のホームページを一度ご確認ください。
※離職期間が1日でもあると、年金の空白の期間となるため、後日、年金機構より年金加入についての確認書類が来る場合があります。退職日と入社日が同じ月の場合は個人での保険料の支払いは発生しないものの、こちらも、確認しておいてください。

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一方で、転職後に個人事業主になる場合や、転職先が決まっていない場合、転職先が株式会社などの法人でも、離職期間があり、入社日が退職日の翌月以降の場合は、国民年金への切り替えが必要です。退職日の翌日から14日以内に住んでいる市区町村の役所・役場の国民年金担当窓口で手続きをしなければなりません。

    退職後は?
    離職期間なしor退職した月に転職先に入社 退職した次の月以降に転職先に入社
次の働き方は?
転職先が株式会社などの法人
(法人の代表・常勤役員を含む)
厚生年金(手続き:原則、転職先の会社に年金手帳を提出またはマイナンバーを通知する) 国民年金(手続き:住んでいる市区町村の役所・役場の国民年金担当窓口で切り替え手続きが必要)
・退職後は、個人事業主または雇用主になる
(法人の代表・常勤役員を除く)
国民年金(手続き:住んでいる市区町村の役所・役場の国民年金担当窓口で切り替え手続きが必要) 国民年金(手続き:住んでいる市区町村の役所・役場の国民年金担当窓口で切り替え手続きが必要)

詳しく知りたい

国民年金・厚生年金は、納付対象月の翌月末までに払う

年金の保険料は、納付する月の翌月末までに支払うことになっています。そのため、質問者さんがたとえば3月末で前職のA社を退職し、4月1カ月は働かずに(離職期間)、5月1日からB社に転職した場合、質問者さんの3月分の年金保険料は4月末までにA社が支払うことになっています。しかし、4月は会社に所属していないため、国民年金への切り替え手続きが必要となり、4月分の国民年金保険料は、5月末までに自分で納めなければなりません。

5月に転職先のB社に入社し、担当者に年金手帳を渡すかマイナンバーを通知すると、厚生年金への切り替え手続きをやってもらうことができ、6月以降は厚生年金の保険料が毎月の給与から天引きされるようになります。
※健康保険や雇用保険などほかの社会保険料も同じ仕組みになっており、退職月は給料から2カ月分の社会保険料が引かれることになるので、貯蓄に余裕がない方は注意が必要です。
※会社により保険料控除が違うこともあります。

図表1 <3月末退職、5月入社の場合>

  2月 3月 4月 5月 6月
働く会社 A社 A社 なし
(離職期間)
B社 B社
支払う年金の種類 厚生年金 厚生年金 厚生年金 国民年金 厚生年金
年金保険料支払い対象者 A社 A社 A社
※3月分の給与から天引き
個人
※手続きが必要
B社

退職した月と同じ月に転職先に入社する場合は、国民年金の切り替え手続きは不要

さきほど、年金の保険料は、納付する月の翌月末までに支払うことになっている、と説明しました。月末時点で所属している会社が翌月末までに年金保険料を払うことになっているので、退職した月と同じ月に転職先に入社する場合は離職期間があっても原則、国民年金への切り替えは不要です。

たとえば、質問者さんが3月10日に前職を退職し、3月15日から転職先の会社に入社するとします。月末時点で在籍していた会社が翌月末までに年金保険料を支払うことになるため、3月31日に質問者さんが在籍しているB社が3月分の年金保険料を4月末までに支払うことになります。

図表2 <3月10日退職、3月15日入社の場合>

  2月 3月 4月 5月
働く会社 A社 A社 なし
(離職期間)
B社 B社 B社
支払う年金の種類 厚生年金 厚生年金 厚生年金 厚生年金
年金保険料支払い対象者 A社 A社 B社 B社

株式会社などの法人に転職する場合、厚生年金の被保険者期間は継続される

求人に応募するときには、その会社に社会保険制度が完備されているか確認してください。転職先が株式会社などの法人であれば、厚生年金に加入することが義務付けられていますので、厚生年金の加入期間は通算されます。

現在の会社を退職したときに、質問者さんは厚生年金の資格を一度喪失します。転職先の会社に入社した際に、転職先の会社で新たに厚生年金の資格を取得することになり、厚生年金の被保険者資格が継続していきます。その手続きは通常、転職先の会社の担当者が行うため、質問者さんは転職先の会社に年金手帳を提出またはマイナンバーを通知すればよく、役所に出向くなどの特別な手続きをする必要はありません。厚生年金の被保険者期間を積み重ねていくことは、将来の老齢厚生年金の額が増えることになり、生活設計上も非常に重要です。

個人事業主になる場合、離職期間がある場合は、国民年金への切り替えが必要

個人事業主になる場合や、離職期間がある場合(退職した月に転職先に入社する場合を除く)は、国民年金への切り替えが必要で、そのとき質問者さんは国民年金(第1号被保険者)に加入することになります。同時に専業主婦の奥さまも国民年金(第1号被保険者)に切り替える必要があります。
国民年金への切り替えは、退職日の翌日から14日以内に、年金手帳または基礎年金番号通知書、離職票や退職証明書など退職日の確認ができる書類と、運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類を持って、住んでいる市区町村の役所・役場の国民年金担当窓口で手続きをしてください。
なお、国民年金の保険料には免除制度がありますので、失業期間中に支払いが難しい方は検討してみるとよいでしょう。

【監修】社会保険労務士法人クラシコ/代表 柴垣 和也(しばがき・かずや)

昭和59年大阪生まれ。人材派遣会社で営業、所長(岡山・大阪)を歴任、新店舗の立ち上げも手がけるなど活躍。企業の抱える人事・労務面を土台から支援したいと社会保険労務士として開業登録。講演実績多数。

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