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転職Q&A(お金) #手続き

Q.住宅ローン返済中に転職する場合、必要な手続きはありますか?

転職を考えています。
住宅ローンを返済中のため、転職による影響が心配で踏みとどまっています。
住宅ローン返済中に転職する場合、必要な手続きや知っておかなければならないことがあれば教えてください。(32歳/男性)

A.必要な手続きは2つあります。

住宅ローン返済中に転職する際は、金融機関に新しい勤務先や年収などについて報告・申告しなければならないことが多いです。また、年末調整で住宅ローン控除を受けるための手続きを行う必要があります。

金融機関に報告・申告する

1つ目の手続きは、金融機関に報告・申告をすることです。

転職すると、住宅ローン契約時に記入した勤務先や年収などが変わるため、金融機関への報告をしなければなりません。これは、「届けた事項に変更があった場合は報告が必要」と、契約約款に明記することが多いからです。
金融機関の指示に従い、契約更新に必要な申告書・証明書を提出しましょう。
申告の期限については各金融機関によって異なりますが、「ただちに」と契約約款に書かれているケースが多いため、転職が決まった段階で申告しておいたほうがよいでしょう。

注意しなければならないのは、転職後に年収が下がったときだけでなく上がった場合や変わらない場合も申告は必要だということです。
返済が滞ることはないから申告しなくても大丈夫だと思ってはいけません。契約約款に記載されているならば、申告の有無が信用問題に発展しかねません。可能な限り迅速に報告・申告しましょう。
なお、申告することで適用金利などの借り入れ条件が変わることは原則としてありません。

住宅ローン控除に関する手続き

2つ目は、住宅ローン控除を受けるための手続きです。
住宅ローン控除適用1年目と2年目以降で手続きが異なりますので、しっかり理解した上で対応しましょう。

住宅ローン控除適用1年目は確定申告が必要

転職したときは、最初の年のみ確定申告を行わなければなりません。

確定申告で住宅ローン控除を受けるためには、2月16日から3月15日までにお住まいの地域を管轄する税務署で、またはインターネットから申告する必要があります。

確定申告を行う場合は、以下の書類をご用意ください。源泉徴収票以外は所定のサイトからオンラインで入手できたり自宅に書類を送付してもらえたりするので、簡単にそろえることができます。

書類名 入手先
確定申告書 国税庁
本人確認書類の写し(以下のどちらか)
・マイナンバーカード
・マイナンバー通知カードまたはマイナンバーが記載されている住民票 + 運転免許証やパスポートなどの本人確認書類
役所等
源泉徴収票 前の職場
(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書 国税庁
住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書 住宅ローンを借り入れした金融機関
家屋の登記事項証明書 法務局
土地の売買契約書の写しおよび土地の登記事項証明書 不動産会社と契約した際の書類
贈与税の申告書など住宅取得等資金の額を証する書類の写し 住宅取得資金を受けた本人が税務署に提出した贈与税申告書の控え
認定長期優良住宅または低炭素建築物の場合
・認定通知書の写し
・住宅用家屋証明書
・認定長期優良住宅建築証明書
不動産会社、住宅メーカー等

(参考:マイホームを持ったとき|国税庁

2年目以降は年末調整で手続きを行う

住宅ローン控除適用2年目からは確定申告ではなく、勤務先での年末調整で手続きを行います。その際は2つの書類を用意する必要があります。

書類名 入手先
給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書兼住宅借入金等特別控除計算明細書(以下、証明書兼申告書) 税務署
住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書 住宅ローンを借り入れした金融機関

「証明書兼申告書」は10月ごろに税務署から、「年末残高等証明書」は11月下旬ごろに金融機関から送付されます。
どちらの書類も、記載例をもとに必要事項を記入し、2点そろえて転職先に提出してください。

住宅ローンの手続きに合わせて知っておきたい

住宅ローン返済中に転職をする際、手続きだけでなく返済計画の見直しや借り換えについても金融機関に確認しておくことが大切です。転職後の収入やライフスタイルの変化に応じた適切な対応をすることで、月々の返済の負担や総支払額を軽減できる可能性があります。

返済計画の見直し

転職した際は、新しい転職先や年収などを金融機関に報告・申告する必要があります。報告するときに、返済計画の見直しをする必要があるかも相談してみましょう。
ボーナス払いをしている場合は、返済金額を減額でき、返済期間を20年や30年などの比較的短い期間で設定している場合、35年や50年などのプランに変更できることもあります。また、返済に余裕がある場合は、繰り上げ返済で総支払額を軽減できる可能性もあります。

まずは返済について金融機関に相談してみるのがよいでしょう。

【返済プランの見直し例:3,800万円借り入れの場合】

■例1:毎月の返済額を抑える
・現在:毎月8万円 → 変更後: 6万円
・現在:ボーナス払い30% → 変更後:50%
(ボーナスでの支払額は増えますが、毎月の返済負担を軽減できます)

■例2:返済期間を延長する
・現在:残り20年 → 変更後:30年
・現在:毎月返済額9万円 → 変更後:6万円
(総支払額は増加しますが 、毎月の元本返済負担を約33%軽減できます)

ただし返済期間の延長を行う場合は以下を銀行に確認してみてください。
・今借り入れをしている銀行に総返済期間が35年を超える住宅ローンがあるか?
・40年から50年ローンは債務者の年齢制限があります
(完済時の年齢が75歳までか80歳までか)
現在の年齢でどこまで返済期間を延長できるか、金融機関との相談が必要です。
現状で延長が難しい場合は、1年後の借り換えも検討しましょう。

◼︎例3:返済期間を短縮する
・現在:残り30年→ 変更後:25年
・現在:毎月返済額7.2万円→ 変更後:9万円

(毎月の返済負担は増えますが、返済期間を短縮できます)

転職直後は借り換えができないケースがある

借り換えとは、新たな金融機関で借入れをして、すでに借入れしている金融機関へ完済することです。これまでよりも低い金利の金融機関で借入れれば、低い金利で返済することができるなどといった利点があります。もしも転職直後に借り換えを検討しているなら、事前に借り換えができるかを金融機関に問い合わせしておくことをおすすめします。

新たに借り入れをするとなると、再度審査を受けなければなりません。 一般的に、転職直後は年収や勤続年数が審査に影響する可能性があり、転職直後は住宅ローンの借り換えができない恐れがあります。

しかし、年収が転職前から上がった、同業界に転職して年収はあまり変わらない、といった場合は何の問題もなく審査を通過できる可能性もあります。借り換えの審査が通りやすい条件としては、主に以下のようなものがあります。

  • 転職前と同程度以上の収入がある
  • 同業界での転職である
  • 正社員としての雇用形態が継続される

【監修】ゆめみ労務管理事務所(ゆめみろうむかんりじむしょ)/代表 関口 恵太(せきぐち・けいた)

平成3年群馬県生まれ。学生時代に社会保険労務士の存在を知り、開業を目指すため資格を取得。社会保険労務士法人に勤めた後、27歳でゆめみ労務管理事務所を開業。マネーフォワード公認社労士としてクラウドを活用した人事・労務の課題解決、給与設計、助成金申請を得意とする。埼玉県熊谷市を拠点としながらも全国の顧問先を多数抱え持つ。うた行政書士事務所 代表行政書士も兼任。

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