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転職Q&A(お金)#退職一時金・企業年金

Q. 企業年金を受給する際は、退職一時金と企業年金のままのどちらがよいでしょうか?

21年間勤めた会社を退職することになりました。企業年金に20年以上加入していたので、退職一時金の最高60%を原資として、60歳から企業年金で受け取ることができるそうです。退職一時金にするのと企業年金のまま受給するのではどちらがよいでしょうか。(46歳/男性)

A.一般的には企業年金として受給したほうが、生涯の収支は良いケースが多いです。

企業年金の利回りや、企業年金の受給開始直後に死亡した場合に支払いが保証される期間にもよりますが、一般的には一時金として受け取るよりは、できるだけ企業年金として受給したほうが、生涯の収支は良いケースが多いです。

企業年金の「利回り」と「保証期間」を確認

質問者さんのケースでは、退職一時金のうちの最高60%を企業年金の原資に回せるとのことなので、企業年金の運用利回りを確認してみましょう。一般的に、退職時の年金原資を60歳まで所定の利回りで運用するので、年金の原資はさらに増えると思われます。担当部署に60歳からの年金額を確認してみてください。

同時に、「保証期間」を確認しましょう。これは質問者さんが年金を受け取ってからすぐに死亡した場合でも、保証期間が設定されていれば、ご自身が死亡してから保証期間が満了するまでの残存期間について、遺族に年金が支払われるというものです。この2つを確認すれば、退職一時金全額を一時金として受け取った場合との、損得勘定的な比較ができます。

退職一時金の「非課税枠」を利用

退職一時金は退職所得となり、退職一時金の額から退職所得控除額を差し引き、それを超えた金額の2分の1が、ほかの所得と合算しないで分離課税されます(「退職一時金にはどのような税金がかかりますか? 計算方法を教えてください」の記事をご参照ください。)
従って、退職一時金の金額を、退職所得控除額以下に抑えておけば、退職一時金に課税されません。この特徴を活かして、課税されない範囲で一時金を受け取り、その資金で住宅ローンの繰り上げ返済をしたり、住宅の建て替え・リフォームの資金にしたりする方法も考えられます。生涯の収支よりも、直近の「資金繰り」を重視する考えです。

さらに、年金として受け取る場合、退職所得ではなく雑所得として課税対象になるため、もし全額を年金として受け取るなら、生涯の収支が大きくなる分、税金も増えることになります。一部を一時金として受け取り、非課税枠をなるべく活用することで、可処分所得を増やせる可能性があります。

退職一時金の受け取り方を決めるということは、ご自分のライフプランを改めて考えることにつながるのではないかと思います。大切な資金の有効な使い方ができるよう、十分に検討してください。

【監修】社会保険労務士法人クラシコ/代表 柴垣 和也(しばがき・かずや)

昭和59年大阪生まれ。人材派遣会社で営業、所長(岡山・大阪)を歴任、新店舗の立ち上げも手がけるなど活躍。企業の抱える人事・労務面を土台から支援したいと社会保険労務士として開業登録。講演実績多数。

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