Q. 離職期間中は国民年金を払わなくてはいけないのでしょうか?失業して無職になると免除制度がありますか?
勤めていた会社を退職してから転職活動をする予定です。退職後の離職期間に国民年金を払わなければならないのでしょうか?年金の免除制度があると聞きました。利用するためにはどうすればいいですか?現在独身で、ひとり暮らしです。(25歳/女性)
A.国民年金への加入が必要です。免除制度は、役所や年金事務所の窓口で手続きをしてください。
会社員のときに厚生年金に加入していた方が離職してすぐに就職しない場合、国民年金に必ず加入しなければなりません。保険料の支払いが難しい場合は、免除制度を利用することで負担を軽くすることができます。住んでいる市区町村の役所・役場の国民年金担当窓口または年金事務所の窓口で手続きをしてください。
転職先が決まっていない場合は国民年金(第1号被保険者)に必ず加入
会社員として勤務しているときは、厚生年金(国民年金の第2号被保険者)となります。厚生年金に加入している場合、厚生年金の保険料と国民年金の保険料を支払っています。
しかし、質問者さんのように60歳未満の人で勤務していた会社を退職して再就職していない場合は、国民年金の第1号被保険者として、国民年金の保険料を支払わなければなりません。支払わない分は「未納」ということになり、そのまま放置していれば将来の老齢基礎年金の受給額に影響が出てしまいます。
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保険料免除・納付猶予制度の手続きは、役所・役場の国民年金担当窓口または年金事務所の窓口でできる
転職先が決まらない場合は、年収が下がるため、国民年金の負担が重くなります。そこで、本人・世帯主・配偶者の前年の所得が一定額以下で、国民年金の保険料を納付することが困難になった場合、申請により保険料の納付が免除される制度があります。手続きは、役所・役場の国民年金担当窓口または年金事務所の窓口で行ってください。
ただし、保険料の支払いを免除された場合、その期間から計算される老齢基礎年金額も減額されます。もちろん、減額されても、未納期間を作るよりも将来有利となります。免除の度合いと、所得の要件、将来の老齢基礎年金額への影響は、原則として以下の表の通りです。
全額免除 | 3/4免除 | 半額免除 | 1/4免除 | |
---|---|---|---|---|
本人・世帯主・ 配偶者の 前年の 所得要件 |
(扶養親族等の数 +1)×35万円+ 32万円 |
88万円+扶養親族 等控除額+社会保 険料控除額等 |
128万円+扶養親 族等控除額+社会 保険料控除額等 |
168万円+扶養親 族等控除額+社会 保険料控除額等 |
免除された期間 の 老齢基礎年金 額への影響 |
1/2(H.21.3まで は1/3)が支給 |
5/8(H21.3までは 1/2)が支給 |
6/8(H21.3までは 2/3)が支給 |
7/8(H21.3までは 5/6)が支給 |
保険料を免除されていた分について、10年以内に追納すれば、老齢基礎年金は減額されません。
退職(失業)による特例免除の制度は、前年の所得金額に関わらず全額免除を選択できる
質問者さんの場合は、退職(失業)による特例免除の制度により、本人の所得要件は除外して審査されます。現在独身でひとり暮らし(=世帯主)ですので、前年の所得金額にかかわらず、上記の表の全額免除の制度が適用されます。
この場合も、保険料を免除されていた分について10年以内に追納すれば、老齢基礎年金は減額されません。転職して収入が安定したら追納して、将来の老齢基礎年金の年金額が減額されないようにすることをおすすめします。
【監修】社会保険労務士法人クラシコ/代表 柴垣 和也(しばがき・かずや)
昭和59年大阪生まれ。人材派遣会社で営業、所長(岡山・大阪)を歴任、新店舗の立ち上げも手がけるなど活躍。企業の抱える人事・労務面を土台から支援したいと社会保険労務士として開業登録。講演実績多数。
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